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特別掲載(2025年4月23日配信のメルマガより)〜期間限定〜 |
1.E-juku1st.Com の情報 NO.936 ================================= 数学の応用問題を解くときの心構え <水が出てくるまで掘る!> ================================= 数学の応用問題を解くときの心構えは、「自分の力で解けない問題は、解け ない」と、思うことでしょうか。これが今回の、はやばやとした結論です。 その問題とは、どのような種類の、どのようなレベルの問題かといえば、こ れまた生徒の力に依りますし、学校の教科書レベルの平易な問題から入試応用 の問題までさまざまな場面でぶつかって、問題が解けない事態は起こりますか ら、一概には規定できないのですが、ここではあえて、トップレベルの問題 (といっても、それは公立入試の範囲内で)として述べてみます。そして生徒 も、数学の力はそこそこある生徒を対象に、また想定して話してみたいと思い ます。 以前、「学べることは、教えられず、教えられることは、学べない」という 言葉を借用して述べたことがあるのですが、特にこの後半の文句、教えられる ことは、学べない、という意味と、「自分の力で解けない問題は、解けない」 は、どうやら底に流れているものが共通しているようです。 また、次のような言葉があります。 「成功者は、自分で考えてから、他人の知恵をもらう。それとは逆に、他人の 知恵をもらってから考えるので、失敗するのである」 これを勉強する場面、特に数学の応用問題を解く際に置き換えると、次のよ うになりますか。 「数学でほんとうに力のある生徒は、まず習った知識をしっかり使い、活用す ることを真剣に考え、粘り強く自分の力で、なんとしても解こうとする。見事 解ければよし、そのポイントを自分で確認する。解けなければ、何で解けない のか、その解けなかった原因、自己の躓きとなる箇所を、他人の知恵、すなわ ち、先生の解法の説明と、なかんずくそのポイント、急所なるものに耳を傾け、 しっかと受けとめ理解する。 一方、大半の生徒は、習った知識、応用への手がかりを使いこなすことがで きないので、また理解も表面的に留まっているから、問題の意味にすら入り込 めず、その周りを時間をかけてうろうろするばかり。やがて先生の説明を聞き、 つまり、わからないところを自らの力でなんとか考ようとする癖と習慣がほと んど育っていないため、もしくはまったく放棄しているため、「他人の知恵を もらってから考える」ことを、さも当然の感覚とした態度でいる。 そして、その応用問題への自己の取り組み方に、なんら違和感も焦燥感も抱 いてはいない。解法や説明、ポイントなどを詳しく述べられるのを聞いて、あ あ、なあるほど、とわかった顔でいる。これでは、いつまで経っても、応用問 題は絶望的にできないし、類題どころか同問題ですら、わずか2日後にはでき ない破目になる。あまりに見事、解けずにあたふたするのである。 知識と知恵は、もちろん違います。一般に、知識なるものはとてつもなく多 いけれど、知恵はそんなに多いものではない。また、そうそうたくさん、ひと りの人間で身につけられるものではなかろう。知識と知恵という概念を、数学 の場面に押し込めるのも些か不都合なことも出てくるのですが、まあ、それは さておいて、他の科目と較べて格段に少ない知識ですむ数学に措いても、やは り応用問題を解くための知恵なるものは、数は少ないが存在する。 しかし、それは多くの場合、他人の知恵をもらうという姿勢では到底もらえ る代物ではなく、自らの力と努力で獲得する以外に手はない! この当たり前 の事実が、どうもわかっていない。どれくらいわかっていないかといえば、い まの公立中学生の95%以上は、わかっておらんぞ、といえば言い過ぎであろう か。わたしの皮膚感覚をとおして伝わってくる認識は、そういうものです。 その意味で、上で述べた、 「数学でほんとうに力のある生徒は、・・・、先生の解法の説明となかんずく そのポイント、急所なるものに耳を傾け、しっかと受け止め理解する」 の段階で止まっているようでは、厳しい言い方ですが、まだどうも学習のし かたと自分自身の能力を勘違いをしている、といわねばなりません。 つまり、「自分の力で解けない問題は、解けない」のです。解ける力のある 生徒は、すでに解いているのです(その割合は、あまりに少ないですが)。解 く力がないから解けなかったわけで、人の説明を聞いてわかったとしても、そ れがすなわち、自分の解く力になったわけではないでしょう。この認識が、か なり数学の優秀な生徒(中3時点で数学の定期テスト90点以上とれている生徒 を指しています)においても、あまりないのは残念なことです。 すこし大袈裟な喩えになりますが、このこととその後の学習の進め方にいつ も非常に歯痒いおもいをしていますので、繰りかえし述べてみます。 それは、「真剣勝負の試合」ですね。勝つか、負けるか、です。自分と相手 (この場合、応用問題、偏差値68以上の問題とします)の勝負。15分1本勝負 です。ふだんの定期テストが、竹刀を使った練習試合とするなら、実力テスト は、竹刀が木刀に変わった試合みたいなものといえるでしょうか。木刀は痛い ではすみませんね。さて、入試の応用問題、これは本物の刀、真剣での試合で しょう。こころしてかからねばなりません。 問題が解けなかったということ、それは完全なる負けですね。明らかに、力 が及ばないのです。相手の力が上ということは、相手の力を超える力を身につ けなければ勝てない道理でしょう?! そのためにはどうするか、その心構え と実践がどうあるべきかが問われているのに、そこから先の学習のツメがどう にも頼りなく、甘い。 問題が自分の力で解けない。そこで、その解き方(勝ち方)を人から言葉で 教わりました。またそれを理解しました。もう一度、挑戦したとして、さてそ の相手に勝てるでしょうか? 勝てるはずがありませんね。なんらまだ自分で、 大事なものを会得していないわけで、ましてや、相手の力を乗り越える力を身 につけてはいないんですから。 宮城谷昌光の著作の中で、『孟子』の言葉を引用した部分があります。 「なにごとも、やりとげなくてはだめ。たとえば、井戸を掘るにしても、水が でてくるまで掘らなくては、いくら深く掘っても、結局、井戸を捨てたことに なってしまう」 直截簡明にして、とても含蓄ある文。 言いたき一点は、ここに集約されています。かなり上位の生徒でも、この井 戸を掘る作業が、中途半端な状態にあります。勉強はする、一応数多く問題を 解く、入試問題にあたり研究はする。しかし、その多くは、実際、本番の入試 ではその応用問題、難問題になると、個人の努力、塾の成果もたいして反映さ れず、解けていないのがほとんどの実情でしょう。 ですから、解けなくてわからなかった問題は、自分の力でもっと深く、もっ と深く、掘り下げること、水が出るまで、掘り下げなくてはなりません! こ こにこそ、ほんとうの勉強の姿、実力獲得の手段があるのでしょう。そこまで 追求して得たものは、すでにたんなる解法の知識やノウハウに止まることなく、 ひとつの知恵になっているはずで、他の問題にも必ず活かせるのです。 先生の解説を聞いてわかった段階は、まだその井戸の、水が出る部分までの 三分の一にも到達していない。あとの三分の一は帰って自分の机に向かって、 自分の頭で考え直すこと、ノートに問題を写し、自分の頭で解くという復習で す。恐ろしくわかっていないことがわかるでしょう。それを埋めること。 さて、それでも三分のニの深さにしか到達していませんね。上で井戸を掘る 作業が、中途半端な状態にあります、と書きました。まさにこの位置、状態で す。厳しくていねいに指導すれば、ふつうの力の生徒も、表面的にはここまで はなんとか来れます。また残念ながら、数学の成績上位の生徒でも、多少の掘 り下げはあるにしてもここまでの状態が多いです。これでは、同じ相手(同じ 問題)にすら、時間が経つと負けてしまう。相手を凌駕する力を獲得していま せんね。 残りの三分の一、それは、とことん考えること。繰り返すこと。紙に書いて どこかに貼ったり、絶えず目に触れるようにして、何度も解くこと。他、創意 工夫。そうすると、問題全体が見えてくる。はっきりどこがポイントかもわか ってくる。やがて、解法の道筋がくっきり鮮やかに、しかも瞬間に脳裏に浮か ぶ。水が出た、ということです。 この作業のなかで得られることは、解法の道筋どころか、問題そのものも覚 えきってしまうので、同類問題は見ただけで、ああ、あれか、あれを使うんだ なと、考える作業がすばやく、また一直線に問題に切り込むことができる。こ れは非常に大切なことです。数学は他の科目以上に時間との勝負ですから、だ らだら漫然と(9割以上の生徒がこれに当て嵌まるね)解く暇はないんです。 また、解法の道筋とその急所に至る過程のなかで、注意を払わねばならない こと、どうしても必要な力、計算、問題文の条件の読み取り方、行き詰まった ときの問題文読み直しなどなど、問題解法そのものだけではなく、周りに在る テクニックにも目を光らせるという、そういった知恵を与えてくれる。 これらの力を獲得するためには、そこそこの数の応用問題にあたるのが、基 本。しかし、たくさん解いた、そして深く掘ったつもりでも、結局、井戸を捨 てたことになってしまう学習の進め方だけは、決してしてはいけません。水が 出る部分まで掘り下げる学習を続けると、それはひとつの、確たる大きな知恵 と自信となるので、ぜひその修練を積んでもらいたい、と切に希っています。 今回の内容は、主に中3生を対象とするものになりました。最後にもう一度 書きますが、「自分の力で解けない問題は、解けない」という認識と姿勢で、 数学に接することは、中3生だけにかぎらず中1・2生にとっても同様大切なの で、できるだけよく反芻していただきたいと思います。 |
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中3数学実力テスト対策問題集(B-4サイズ) | |||
<問題編> | <解答編> | ||
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● 【中3生対象】―「中3数学実力テスト対策問題集」<69枚>の使い方・アドバイスなど この実力テスト対策問題集は、中3の数学実力テストはいかなるものか、何がそこで問われるのか、また生徒はどこでミスをし、また大事な基本を忘れてできなくなっているのか、そういった状況を知悉した上で、抱えている問題点と弱点をみつけて改善し、そして補強して学校の実力テストに臨めるために作り上げた対策問題集です。 基本構成は、1回分17枚から19枚の中で、A、B,Cの3回テスト形式を採り入れ、Aは「実力チェックテスト」、Bは「実力アップ確認テスト」、Cは「実力ステップアップテスト」となっています。 まず今の自分の力を、Aの「実力チェックテスト」をして知ること。これがとても大事です。基本問題から構成されているとはいえ、なかなか思っているような点がとれないのではないでしょうか?! 平均点はおよそ50点(実際は45点から48点くらい)と考えてもらえばいいです。自分にとってわからないところ、ミスした箇所を徹底して直していくことです。解答を参照して、よく考え、覚え、反省し、ノートに問題を写し、やり直すことです。 それができた後、次に、「傾向と対策」プリントが8枚ありますから、そこで演習して基本の力を養って下さい。できない問題、わからない問題、またケアレスミスをした問題があるはずで、それをノートにやり直し、できる限り吸収してみてください。そのあと、Bの「実力アップ確認テスト」をして、どれだけ実力がついたか、点数が伸びたかを確認してください。問題内容・レベルはあまりAと違いませんので、自己判断できるでしょう。そこでの間違いをさらに減らせば、より確実な点数が本番でも取れるはずです。 次のCの「実力ステップアップテスト」2枚とその演習Pt.2枚は、プラスαと考えてください。やりたければやればいいし、したくなければしないでしないでも別に構いません。ただし、AやBのテストで軽く80点以上とれている生徒は、さらにレベルアップを目指し、Cをチャレンジしてみてください。 出題範囲は、1回目が中1・2年までの総合、2回目は中3の1学期学習の「式の展開・因数分解」「平方根」までとし、3回目は「2次方程式」「2次関数」までを範囲としています。最終の4回目は、「相似」まで、としています。ただ教科書によっては2次関数を最後に学習する場合があり、また進度の速い公立中学もあるかと、最終に「3平方の定理」を5枚組み込んでいますので、どのケースにも対策はじゅうぶんとれるかと推察します 中学3年のその時期時期、タイミングにあわせ、学習しなければならないこと、押さえておかねばならない事項、またよく忘れてしまう箇所(例えば因数分解)などを、集中して演習できるように構成、配分してありますので、この数学問題集を利用して1回目からじっくり行なえば、実力テスト対策だけでなく、数学の入試対策にも深く繋がっていますから、そのつもりで勉強してもらえばと考えています。 |
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中3数学実力テスト対策の構成を、より具体的に構成内容を掴んでもらうための問題サンプルです。<第2回より> |
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<A>のあと、下の「傾向と対策」を演習します。わかってできるところはより速く正確に解けるように、また多くの生徒が忘れかけている部分やミスが出やすい問題はここでしっかり演習して、できるようにします。そして、実力テストばかりでなく入試にもつながる応用レベルの問題もある程度まで演習し、その実力を磨きます。 |
NO.20からNO.28の9枚とNO.32,NO.33の2枚、計11枚のうち2枚を下に載せています。都合上縮小し、また横向きになっていますが、イメージはじゅうぶん掴めるかと思います。<B>と<C>のテストは省略。 |
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