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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§446 入試図形問題を解く折の心得について
<なるほど・・・、がどうしたんだ?!>

 今回は、「入試図形問題を解く折の心得」について書いてみることにします。

 問題を1問用意しました。或る県のH.23年度公立入試数学の図形問題です。とてもいい問題です。良質でなかなかいいなあと感心する問題は、わたしのような場合、いまでは入試問題10問に1問出遭えばいいほうなんですが、これはそれに入ります。

 もちろん生徒にとってはそんなことを考える余裕も判断もまだなく、良問であろうがなかろうが関係なく、あらゆる形式の入試問題をまず果敢に解いていくことが、受験勉強のはじめの姿でしょう。そして次に、できるだけ多くの問題数もこなし各解き方に馴れていき、わからなければ解答をみてしっかり理解し、あるいは先生の解答説明をていねいに聴いて、その書かれているあるいは教えられる解法のポイントやコツをじゅうぶん理解し、覚えることです。

 しかし、こんなことはわかりきっていることで、いろんなところに載っていますし、またそれ以前に、これをお読みいただいている方には既知のことともいえるでしょう。ただ、当の生徒はどうかといえば、わかっていない生徒がずいぶん多いのも現実です。では、わかっている生徒の場合、どこまでほんとうにわかっているのかとなると、これまたとても危ういものがあるのが実態でしょう。

 この後者のなかで、“ほんとうにわかっているつもり”でもまだすこし危うくまずいん勉強をしているのではないかと思える生徒を特に対象に、すこしアドバイスしてみることにします。しかし所詮、こうした言葉によるアドバイスは限界もあり、たとえ頭で理解しても現実行動のなかで生かされることはほんとに少ないものです。そこで、もっとリアルに、また肌感覚で理解できるよう、問題を1問用意したわけです。

 たった1問ですが入試図形問題の世界、問題の拡がりや奥行きを感じさせる質とレベルというものが実感できるでしょうし、また同時に、そこでどういう思考力が試されているのか、自分にまだ足りないものは何か、この問題の解法を理解し完全に身につけたとすれば、ほかの入試図形問題にどう応用してゆけばいいのかなど、この問題をとおして考えられる材料になるかと思います。

 前置きが長くなりました。問題です。
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「下図のように、AB=6僉BC=8僂猟絞形ABCDと、長方形ABCDの対角線ACを斜辺
とする直角二等辺三角形EACがある。辺ECと辺ADの交点をFとし、線分EDを引く。」
(1)△EAF∽△DCFを証明せよ。
(2)辺ECの長さを求めよ。
(3)△FACの面積を求めよ。
(4)線分EDの長さを求めよ。
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 問題がシンプルなだけにかんたんに作図できそうなんですが、HP上にも問題を載せてみました。解答と説明も別ページに用意しましたので、よければ印刷(一番下に問題と解答のURLがあります。)して、トライしてみてください。


 さて、ここからは、実際に問題をやったあとの解説と、「入試図形問題を解く折の心得」について述べることにします。ですので、もしされる場合――もちろん生徒本人ですが、ご父母の方もよければどうぞ――ヒントや考え方が載っていますので、できれば問題を実際にやったあとからお読みください。そのほうが圧倒的に頷けること、気づくことが多いかと思いますし、また今後の学習に生かされる率も高くなろうかと想像します。されない場合は、続けてどんどんお読みください。
 
(1)は相似証明です。証明問題には、合同証明を入れて公立入試では大きく2段階の証明レベルというものがありますが、これは教科書レベルのごく基本的な証明問題で、「2組の角がそれぞれ等しい」ことを言えばいいだけです。ただし、説明不足の減点にならないよう、ていねいに等しい理由をきっちり書いて説明するのが基本です。

(2)も解き方がすぐわかり、三平方の定理を使えばすぐ出る基礎的問題で、カンタンです。複雑な計算が続き、ついミスが出る問題もなかにはありますが、これはカンタンなだけに計算ミスだけはしてはなりませんね。もし間違えば、引き摺ってあとの2問の答えも合いませんから、これに限らず誰でもできる問題は決してミスがないよう慎重に、また10秒かそこらでできるのですからすぐ計算の再チェックをしましょう。

 ここからです。(1)と(2)をすんなりできて、この(3)から急に高い壁が立ちはだかります。(1)、(2)はできて当たり前で、すくなくとも半数以上の受験生ができるでしょう。しかしこの(3)はどうか? 推測になりますがわたしの分析では、10人中1人ができるかどうか? つまり、正答率は10%前後かと・・・。

 実際にやってみて、解けたでしょうか? 解けたなら、このレベルの入試図形問題の正しい攻略方法を、まだ不完全であるかもしれませんがすでにある程度身につけているといえます。あとは同程度のまだまだある、自分の知らない問題解法のパターンとノウハウを増やしていくことが課題であるでしょう。

 さて、解けなかった場合です。次の(4)も含めてですが生徒がこの問題(3)をしたとして、いったい何を学ぶべきなのか?

 解けなかったからいってまだまだこの時期自信を失う必要はありませんが、そうかといって、学校の数学のテストでは90点以上できているからとか、あるいは模試の数学の偏差値も65くらいはあるからとか、もしそのような気持ちや捉え方でこれから入試問題をたくさん解いていけば最終できるようになるだろうと考えているようであれば、この油断は決していい結果を生みませんね。
 
 しかしこれはいささか穿ち過ぎたみかたで、いい結果を生まない事実の多くは、むしろ平凡な学習行動やその考えのなかにこそあるかと思います。

 いい結果とはこの場合、この図形問題ができることですが、この入試問題を受験生として解いた生徒たちは、とうぜん何カ月もかけて数学の受験対策を熱心に受けそして勉強してきたわけでしょう。その結果が、上記のような正答率とするなら、かれらは「受験勉強のなかでいったい何を学んで、そして考え、吸収しえたのか?」ということになりませんか? そして、かれらと、どこに違いがあるんでしょうか? 毎年これは、繰り返されることです。

 では、いい結果を生まない平凡な学習行動やその考えとはなにか、この問題(3)で考えてみたいと思います。詳しい解法はHP上のを参照いただくとして、どうやって解いていくのか、つまり、入試図形問題を解く折の心得、基本的思考の筋道というものについて、以下書くと。

 公立入試図形問題のひとつの代表的出題形式パターンとして、(1)に証明問題(たまに(2)に)があった場合、あとに続く問題は必ず(1)の証明の結果わかることを必ず使うわけですね。この(2)は単独ですぐにわかる問題になっていますが、(3)は(1)と(2)の結果を必ず使って考えるのが基本中の基本ですね。

(1)と(2)を飛ばしていきなり(3)から始まる問題であれば私立型の入試になりますが、公立入試で「平面図形」に関する問題で、かつ「(1)に証明問題」が組まれている問題形式の場合は、ほぼすべてこれが当て嵌まりますね。

 つまり、解法へ向けてのこの定番的ともいえる思考の筋道から外れて、自分勝手に、またやみくもに考えようとしたり、あるいはわかったことを次に繋げようとしないのであれば、まず到底問題は解けっこありません。できない生徒の主因の半分以上はこれをやることにあり、そしてこの入試図形問題を解く折の、持っていて当然の平凡な心得を、不思議なほど身につけていないことにあるかと思います。

 視覚的にも図がないととてもわかりづらいでしょうが、(3)の解答の求め方を掻い摘んで説明します。

 求めたい△FACの面積をX平僂箸靴泙后すると△EAF=△EAC−Xで、△DCF=△ADC−Xで表せます。△EACと△DCFは、(2)の結果と図をよく睨めば、すぐ求められます。その結果、△EAF=25−X、△DCF=24−Xとなります。そして、※「(1)の△EAF∽△DCFから「相似比の2乗が面積比」を利用します」 その面積比の比例式に、上記のXで表した三角形の面積をぶちこめば(いや、代入
すれば)求まることになります。

 あと何が大切か、そしてポイントは何かを説明しますとこれはさらに長くなりますので省きますが、しかし、解法全体に至る思考の要点は、脳裏に瞬間に浮かぶ3つくらいの利用する知識に纏まります。
 
 これを自分でできるようになることが、数学の入試勉強のあるべき姿でしょう。

 長々先生の説明を聞いて、ていねいかつ詳しくポイントを説明されて、ああ、なるほどわかった、という理解なんてものは、30%も自分の力になっていない。たとえば塾から帰って、自分でもう一度同じように復習しても、それが教えられたままの物真似の内容なら、50%も自分の力になっていない。自分の頭で深く理解し、ポイントを捉え直し、かつ完全に暗記しても――実際ここまでやれる生徒はだいぶ少なくなってきますが――、80%くらいしか自分の力になっていない。同じ問題や類題はできるだろうが、ほんとうの意味での応用する力にはまだすこしパンチ不足です。では、100%とはどういう状態か? それは、上にすでに書いています。

 入試で通用する力とは、図形問題では、すくなくとも80%以上ではないですか? 真面目にまた時間もかけて勉強しているのに、図形の力が上がらないのは、あるいは本番の入試でできないのは、勉強の中身がそこまで達していないからです。公立トップ高を目指す生徒ならこの80%以上の力を、そしてできることなら、100%を目指した勉強をしてほしいものです。

 続けます。最後(4)の問題です。正答率はどのようなものでしょう? 正確にはわかりませんが、(3)よりさらに一段難しく、よくて半分の5%、ひょっとすると3%未満かもしれませんね。

 この問題は、生徒側からすると、まったくどうやっても攻略の糸口が見つからないタイプの問題で、解法のノウハウを持っていなければ、あるいはある角に直感が働かなければ、いたずらに時間ばかりを費やしただけでなんら結果も出ない、要注意の問題といえる。テスト全体のことを考えて、他の問題に時間を振り分けたり、あっさり手を引くというか捨てる問題であるともいえる。

 しかしそれはあくまで入試本番でのことで、ここではとにかく、すこしでもためになることを説明します。

 まったくどうやっても攻略の糸口が見つからないタイプの問題であると書きましたが、実はそうでもなく、公立入試の古くから続くいわゆる難問レベルのひとつにこの種の解法パターンと攻略ノウハウはあるわけで、もしそれを体得していればそれほどややこしくもないのです。

 入試図形問題を解く折の心得、基本的思考の筋道という観点でまずいえば、この図形の問題は、長方形ABCDと直角二等辺三角形EACが組み合わさった問題であります。問題を読んだときに、ふん?とまず頭に浮かび、使うかどうかわからなくても押さえておかねばならないことがあります。そうです、直角二等辺三角形は特別三角形で、45度の角があります。

 直角二等辺三角形である△EACの∠ECAは、あきらかに45°(∠EACも45°)です。問題は「線分EDの長さを求めよ」ですが、図をよく睨むと、辺EDのすぐそばにある∠EDAはどうも45°にみえる。ほかに45°に見える角はまったくありません。もし「点Eから辺ADに垂線を下ろ」せば(交点をHとする)、△EHDは小さな直角二等辺三角形になるわけです。直角を挟む等しい2辺の長さが求まれば、問題の斜辺の長さも求まります。

 では、∠EDAが45°になる根拠があるのか、それを見つけなければなりません。長くなるのではここからは端折りますが(詳しい解説はHP上で)、4点A、E、D、Cは同一円周上にあるのです。つまり、円が描けるわけですが、円周角が等しくなり、∠EDAは45°になります。

 次に、EH=DH=a僂箸垢襪函AH=8−aとなり、△EADで3平方の定理を使い、式が組み立てられますから、それを計算していくと最終EDが出ます。

 この(4)は、言葉で説明したり文章で書いたりするとずいぶん長くなりますが、これでもけっこう端折ってますし、また実際は計算式もけっこうあります。さらに、(3)と違ってすこし飛躍した見方や知っておくべきノウハウというものもあります。

 しかし(3)同様、100%近く把握できれば、解法全体に至る思考の要点は、脳裏に瞬間に浮かぶ3つくらいの利用する知識に纏まるのです。

 ふだんの図形勉強はそうではありませんが、入試では時間制限というものがあります。ほかの問題とのバランス配分というものがありますが、それでも15分くらいの時間内にどこまで解けるかが勝負でしょう。

 自分が深く知って、手の内に入れている知識や解法テクニックのなかのどれがいったい当て嵌まるのか、利用できるのか、実際解く際にはもうすこしごちゃごちゃ複雑に思考が入り混じりますし、試行錯誤もあって一直線に解答に向けて進めるとは限りませんが、すくなくともこうした力をもって問題に臨まなければとても解けるものではありませんね。
 
 この問題(3)や(4)をしたとして、いったい何を学ぶべきなのか? また、入試図形問題を解く折の心得とはどんなものか、これらを考えるひとつのヒントに、今回の内容がなればさいわいです。


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「<新版>「入試図形問題の攻略 by Toppo<190問>問題集