高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§206 「<改訂版>小学算・国の学力充実問題集」について
<ステップ2を学びとる>

 今回は小6生対象の「<改訂>小学算・国の学力充実問題集」が完成し、恐れ入りますがすこし説明をさせていただきます。


 中学に入って学習を進めていく上で、ふつうになんでもなくできてほしい力というものがあります。それは小学生のあいだに、「せめてこれくらいの力をつけておけよ」といった学力の基準、身につけておくべき常識的なものです。

 ところが、こうした力が身についていない危うい生徒が、いま多すぎます。私立中学進学目指してそれ用の受験勉強をした生徒はのぞくとして、小学から公立中学に上がってきて中1生を長年指導してきた経験でいうと、その実学習のなかにはすでに、さまざまな形の負の要素や問題点を抱えていることに気づかされます。

 計算ひとつ、漢字ひとつ、もっと確実で正確な力を小学校で身につけておけよ、という場面に無数といっていいほど出遭うわけです。数学では、割合に始まり速さや食塩濃度など基本中の基本の考えや解き方など、算数のなかで理解し、きちんとできておくことが、10人中8人は身になんらついておりません。その基礎学力のあまりの弱さ、たよりなさに驚かされます。

 国語に関しても、品詞の識別が満足にできない生徒、主語と述語の見分けもへたすればトンチンカンなことを平気でいう生徒もけっこういます。もちろん、漢字の読み書きの力も極度にレベルが低いし、基本的な語彙も知らない生徒も多数います。

 このような、中学で勉強を進めていく上において、とくに数学と英語を勉強していく上においてまさに壁となり障害を生じる根本的な問題点を、経験上知悉しているもので、できるかぎり小学生のあいだにそれらを取り除いてもらいたい、またほんとうの実力をつける勉強を進めていくための基礎的な学力だけは習得しておいてもらいたい、と考えております。

 そのために作った問題集が、この「<改訂版>小学算・国の学力充実問題集」です。ですから、単なる復習全般の問題集ではありません。よって、生徒のなかには、「こんなの、学校で習っていない」という言葉をいうかもしれませんが、いまの学校で習う、レベルの低、量もすくない内容に基準を置いているわけでは決してなく、あくまで昔の基準、しかも公立中学で学び、高いレベルの高校へ進学することを念頭においた、その土台の土台を形成するための問題集、と捉えていただければと思います。

 内容的には、算数は計算と文章題が中心、国語は漢字と語彙、それに文法を少し入れてあります。また算数の場合、その重要さで図形問題の占める位置はとても高いのですが、これはすでに「算数の図形教室<A>」という問題集で発売しております(人気がとても高い問題集です)ので、この問題集では取り扱っていません。国語の場合も、読解問題は市販の問題集でじゅうぶん間に合うかと思いますし、それよりほんとうは読書を通してこそ唯一培われるものと考えていますので、含まれていません。

 もう一度、くどいようですが書かせていただきます。中学に進んだ場合、数学や英語を習う際に、その学習以前の土台の弱さから足を引っ張られる生徒が、公立中学生にいまあまりに多いわけですが、それらを補強してスムーズに数・英の学習を受け入れることができ、そしてそれらの知識を吸収するに必要な確かな能力を磨いておくこと、この2点の実力の養成を目的に、この問題集を作りました。

 以下はホームページ上にも載せている内容をたんに書写したにすぎませんが、具体的に何の力を確認・獲得をめざしているかがわかりやすいと思い、その項目を列挙させていただきました。

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「算数編<計算1>」(14枚)
1.整数 NO.1・NO.2・NO.3・NO.4  
2.分数 NO.5・NO.6・NO.7・NO.8・NO.9・NO.10 
3.四則混合 NO.11・NO.12 
4.計算の工夫 NO.13・NO.14

「算数編<計算2>」(10枚)
5.速さ NO.15・NO.16  
6.濃度 NO.17・NO.18
7.平均 NO.19  
8.縮尺 NO.20
9.比例式 NO.21・NO.22
10.比例配分 NO.23・NO.24

「算数編<文章題>」(6枚)
11.割合(1)ー仕事算 NO25  
11.割合(2)ー相当算 NO.26・NO.27
12.速さ(1)ー旅人算 NO.28 
12.速さ(2)ー通過算 NO.29
13.規則性ー植木算 NO.30

「確認テスト」(6枚)
1.計算1・1〜4(整数〜計算の工夫)・1回 
2.計算1・1〜4&9・10(整数〜比例配分)・2回 
3.計算2・5〜8(平均〜濃度)
4.計算1&2・1〜10(整数〜比例配分)
5.文章題11〜13(割合〜規則性)
5.計算1・2と文章題1〜13(整数〜規則性)

「国語編」(24枚)
1.漢字(読み〜一字訓読み) NO.1・NO.2
2.漢字(読み〜二字訓読み) NO.3・NO.4
3.漢字実力テスト(読み1回と2回と私立中学)NO.5・6・7
4.漢字(書き取り編〜中学入試レベル・8回) NO.8〜NO.15
5.慣用句・ことわざ・故事成語 NO.16〜NO.20
6.文法(品詞の区別・主語と述語) NO.21〜NO.24

「確認テスト編」(19枚)
1.漢字(読み〜一字訓読み)NO.1
2.漢字(読み〜二字訓読み)NO.2
3.漢字実力テスト(読み1回と2回と私立中学)NO.3・4・5
4.漢字(書き取り編〜中学入試レベル・8回)NO.6〜NO.13
5.慣用句・ことわざ・故事成語 NO.14〜NO.17
6.文法(品詞の区別・主語と述語)NO.18・NO.19
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 ところで、ステップ1を学校で習っている基礎、ステップ2を応用をこなすための基礎、ステップ3をさまざまな応用問題と、仮にここで3段階にわけるとします。

 ステップ1の基礎が完全にできれば、ステップ3の応用問題(ピンからキリまでありますが)ができるわけではありません。いや、現実できないケースがほとんどでしょう。この事実が、けっこうわかっていない、あるいはさまざまに誤解されている方が大勢おられます。基礎の次は応用と、考えているのでしょうか。ステップ1とステップ3の間にはステップ2の存在があるわけですが、どうもここを素通りしているかのようです。

 それは算数でいえば、計算にもあり、文章題にもあり、図形にもあります。また国語も同様、漢字にも語彙にも文法にもあります。このステップ2に習熟していないと、ステップ3の問題はまずできません。無理してわからせても結局ステップ2の力のない生徒は、理解とその後の学習にあまさがかなり残りま
すから、ほんとうに自分でできるようにはなっていません。

 この力は、通常目にはみえません。ないし、みえにくいものです。また、おしなべて勉強の習熟度の中身を判断する際に、学校のテストの点数や成績表にたよるだけでは往々にして誤りが生じます。それはある種致し方ないものだと思うのですが、もしまだいたらないところがあるのに気づいたのなら、できるだけ早く修正を加えるべきだと思っています。

 では、ステップ2の問題とは、どういうものか。ここで算数だけになりますが下に10問、用意しました(問題集よりそのまま抜粋して書いています)。もしよければ、やってみてください。ただし、制限時間は20分とします。

 それ以上かけて解く問題レベルではありません。早ければ10分もあればできます。問題を読めばすぐに鉛筆を動かして解ける力、すなわち、いちいち深くじっくり考えて解かねばならないレベルではなくステップ2の「応用をこなすための基礎」の力をみる問題にすぎませんから。

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 実は分数計算の問題を出したいのだけど、表記面での技術上できないのでや
むなく省きます。
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【問題】 <制限時間:20分>
(問い)1と2は計算せよ、3はxの値を求めよ。また4から10は各質問通り答えよ。
1. 30−15÷5+3
 =


2. 276×275+274×275−550×274
 =


3. 0.8:x=2:3



4.四角形の4つの角の大きさの比が、2:3:4:6であるとき、一番大きな角は
 何度になるか。



5. 時速12キロメートル自転車で24分走ると、何m進みますか。



6. 3%の食塩水500gと5%の食塩水300gを混ぜると、何%の食塩水ができま
 すか。



7.ある投手は平均毎時144キロメートルの速さでボールを投げる。いまこの投
 手が18mはなれたところから投げるのに、何秒かかりますか。



8.縮尺50000分の1の地図で8センチは、実際の距離では何キロメートルになり
 ますか。



9.男子の平均点は70点、女子の平均点は60点でした。このクラスの全体の平均
 点は何点になりますか。



10.弟は家から学校へ分速80mで歩いて行きましたが、10分後、弟の忘れものに
 気づいた兄が、分速120mで弟を追いかけて家を出ました。弟が出発して何分
 後に、兄は弟に追いつきましたか。



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 2の【解答と説明】 他の問題の解答はHPに載せています。ここでは省きます。
 276×275+274×275−550×274
=275×276+275×274−275×2×274
=275×276+275×274−275×548
=275×(276+274−548)
=275×(550−548)
=275×2
=550

or
 276×275+274×275−550×274
=275×(276+274)−550×274
=275×550−550×274
=550×(275−274)
=550×1
=550

 いちいちすべて計算してもいいけれど、これは明らかに「工夫して計算しな
さい」という問題ですね。工夫することによって、速く、しかも正確にできる。
その「明らかに・・・」ということが、生徒はわかっているかどうか? あら
かじめ頭に入っているのか? ということが、問われています。
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<注>この10問の解答、および説明などは、右に載せています。 問題 解答
 問題をやった生徒はチェックしてみてください。9問以上とれてほしいのですが。