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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§102 社会の学力について
<中1地理の実力確認>

 うーん、社会の学力が・・・。
 2月に学力評価テストをしたわけですが、中2生の社会のテストがね、どうも、さっぱりで、毎年のこととはいえ・・・。範囲は1年の地理と2年の歴史すべてから。

 1つだけとり挙げてみます。5問構成の第1問。その7番の問題、地理です。

<問題>
「わが国は、資源の多くを輸入にたよっている。その中で、鉄鉱石の輸入先を示しているグラフはどれか。その記号を書きなさい。」
(グラフ化できないので、適当に書きます。( )内は%を表し、四捨五入してあります。「その他」の比率は省略。日本国勢図会/2002年度版の統計)

 「わが国の主な資源の輸入先」
 ア、カナダ(27)、アメリカ(22)、マレーシア(10)、ロシア(10)、
 イ、アラブ首長国連邦(25)、サウジアラビア(25)、イラン(12)、カタール(9)
 ウ、オーストラリア(48)、ブラジル(24)、インド(12)、フィリピン(5)
 エ、オーストラリア(59)、カナダ(11)、中国(11)、インドネシア(8)、

 4択問題です。知らなくて適当に答えても、25%の確率で適います。しかし、生徒の正答率はなんと15%。残念ながらそして困ったことに、いまの当塾の中2生はあまり優秀とはいえません。ここ10年の中では最低に属するでしょう。小さな塾とはそういうものです。バラツキがあるのです。でも、健気にやっていますので、愛らしくはありますが。

 英・数・国の3科目はそこそこできても、理・社になると途端にその成績が下がる生徒は枚挙にいとまないわけで、さらにその実力となると、うーん、殆どの生徒が目も当てらない惨状を呈するのが、この時期なんですね。つまり、学校の定期テストの点数が、かくかくしかじかやって来たあの点数(80何点、90何点取ってきた)が、一体なんだったんだ?!と、まったく信じられない深い懐疑感と失墜感を強いられることになる。

 理に適う結果を出す生徒はまず10人に1人もいない。しかしこの現実も、何度も何度も目にし体験すると、こちらもああ、またかと、思ってしまう。うん、意外とやるじゃないか、と新鮮な驚きと少しの感動を与えてくれる生徒はごく稀だ。せめて習った大事なことの半分は覚えていてくれよ、と微かな願いをいつも抱いてはいるのだけど、そんな軟な感情は、生徒の恐ろしいほどの忘却力
の前では木っ端微塵に流されてしまう。

 この深刻さは一先ずわきにおいて、問題の解説。
 この問題の答えは、<ウ>です。正答率は33%(実はもう少し低いのかも知れませんが)ぐらいにしておきましょうか。この時期の中2生では3人に1人ぐらいだと推います。これは決して褒められた数値ではありません。なんたって、基本レベルの問題ですから。正答率は80%ぐらいあってもおかしくはないんですよ。

 さて4択のイ(アラブ首長国連邦(25)、サウジアラビア(25)、イラン(12)、カタール(9))ですが、最も解答とは程遠い、明らかに違う筈なのですが、なんと生徒の解答でもっもと多かったのがこれです。それは何ぼなんでもないだろう!?といいたい。

 これは「石油or原油」のグラフですね。わたしが習った時代は、「サウジアラビア、クウェート、イラン、イラク、インドネシア」などが順番で、アラブ首長国連邦などはここ近年のことで、よく問題になる基礎中の基礎である、サウジアラビアの国名ですぐにわかるはずなんだけど。

 もう猛烈に、頭の中がくらくらします。こんなこともわかっていないのか、覚えていないのか、というのは、教える側の禁句なんだろうけれども、それにしてもその知識はひどい。このようなことは小学校でも勉強してきた筈だし、もちろん中1の地理で再度学習しているわけで、教科書はもちろん資料集、地図帳のどこにも載っている。また新聞、テレビからのちょっとした情報でも耳に入ってきている筈なのだが。その筈が、かなりの割合で通じない。不思議だ。

 この1つで、地理の学力がどの程度のものか、十二分に推測することができることが、そしてその後の学習過程でどういう局面を踏んでいくのかがわかるだけにつらいことです。つまり、決してかっこよくもなく、教育的理論でもなく、きれい事を並べた文句でもなく、単純なことを二度、三度、四度と繰り返し詰め込んでいかないと、それなりの学力(?)ですら容易に身につかない。イとした生徒はくれぐれもご用心を。

 次に易しいのが実はウ(オーストラリア(48)、ブラジル(24)、インド(12)、フィリピン(5))で、鉄鉱石は、1位から3位まで輸入先は暗記しておかなければならない。オーストラリア、ブラジル、インド。よくもまあ遠くのブラジルから重たい鉄鉱石を船で運んでくるものだと感心するが、それはともかく日本の経済の根幹、土台を支えてくれている、石油、鉄鉱石、石炭の3つには、そしてそれに従事している人々や輸入先には感謝しなければならないと思うよ。

 しかし、この暗記しておかなければならない鉄鉱石の輸入先順位、「オーストラリア、ブラジル、インド」も、生徒の次元でいえば、たとえ覚えたとしても暗記そのものが平面的、表面的で、単なる知識の欠片に過ぎないから時間とともに殆ど場合、すぐに風化する。では、なぜ風化するのか? それは、話すと長くなるので次回に書くとする。そこから学習法が見えてくると思うのだが。

 次に、アとエについて。
 ア(カナダ(27)、アメリカ(22)、マレーシア(10)、ロシア(10))
 エ(オーストラリア(59)、カナダ(11)、中国(11)、インドネシア(8))

 逆に問いますが、これは何を指しているのだろうか? “ちょっと難しい”質問ですね。但し、社会に“難しい質問”なんて基本的にないのであり、覚えている知識を絡み合わせて考えていけばいいだけなんですが、その覚えている知識そのものの絶対量が不足しているのが常で、また同時に絡み合わせて考える力そのものが弱いということも、大きく依拠します。

 この問いに対する答えとして、まず現実に生徒がする噛み合わない答えの例を書くと。

 例えばアに対して、「小麦」と答えが返ってくることが十二分にありえるわけです。なぜなら、知ってる知識から、カナダとアメリカが載っているからという判断なわけです。つまり、問題を読んでいない。問題は、「わが国の主な資源の輸入先」であり、「資源」という言葉を読み落としている、乃至わかっていないことが出てくるんですね。小麦は「農産物」であり、「資源」ではない。問題を正確に読む力、まともな国語力が備わっていないとする誤りです。実は、このねじれの位置に相当するミス(? 厳しく言うと、それはどうしようもない実力です。ミスで片付ける問題ではない)は、予想以上に多いですから、十分注意すると同時に訓練が必要です。

 さて、アの答え。「木材」です。その判断は簡単、マレーシアが載っているからです。ロシアも参考にはなりますが。カナダ、アメリカだけではわかりません。それが実力なんです。実はアがなければ、問題は「わが国の主な資源の輸入先」ではなく、「わが国の主な鉱産資源の輸入先」となる筈なんですね。このように、社会ばかりではありませんが、まずは問題を正確に読み取る力を
鍛えることは、ほんとに大切ですね。

 残るエの答えは、「石炭」になる。1960年代から始まったわが国のエネルギー政策転換によって、日本の炭鉱はほぼ閉山され、その資源の100%を海外に依存することになったわけだけれども、石炭の半分以上をオーストラリアに負うという事実は、やはりしっかり知っておかなければならない基本だといえる。

 では、この問題を通しての中1地理の実力確認、ご参考に。5分でできますね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<問題A>
「わが国は、資源の多くを輸入にたよっている。その中で、鉄鉱石の輸入先を示しているグラフはどれか。その記号を書きなさい。( )内は%を示す。」
 「わが国の主な資源の輸入先」
 ア、カナダ(27)、アメリカ(22)、マレーシア(10)、ロシア(10)、
 イ、アラブ首長国連邦(25)、サウジアラビア(25)、イラン(12)、カタール(9)
 ウ、オーストラリア(48)、ブラジル(24)、インド(12)、フィリピン(5)
 エ、オーストラリア(59)、カナダ(11)、中国(11)、インドネシア(8)、
 記号 〔   〕

<問題B> 上記の問題Aが出来た生徒へ。
「エの資源は何を指しているか。その名称を書け。」 〔        〕

<問題C> 上記の問題Aが出来た生徒へ。
「アの資源は何を指しているか。その名称を書け。」 〔        〕

<問題D> 上記の問題A・B・Cが出来た生徒へ。(追加問題)
「日本が輸入している農産物の国別割合を示している。この品目は何か、その
 名称を書け。」
 アメリカ(78)、ブラジル(10)、カナダ(5) 〔        〕

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【 寸評(辛口) 】 解答は一番下に。
1.<問題A>が間違った生徒。
 本文にも書いていますように、このままでは大いに心配。<偏差値40前後>
 但し、イが言えれば、もう少しまし。でも現状基本ですら出来ていませんから、すぐにでも中1か らの復習を。そして何度も反復しないと身には付かないことを重々承知してやってください。

2.<問題A>が出来たけれども、<問題B>が出来なかった生徒。
 平均的な力です。といっても、習った基礎の半分は忘れている実力ですから、ゆめゆめ油断な きよう、気持ちを引き締めて勉強し直しです。 <偏差値50少し>

3.<問題AとB>が出来たけれども、<問題C>が出来なかった生徒。
 2と大差はないのだけども、少しはまし。というのは、問題Aが鉄鉱石とわか るということは、イ が石油であることは当然判断しているわけだから、残る資源で頭に浮かぶのは、石炭ではない か?と、覚えていなくても適当に予想したと考えられるから。しかしこういう解き方は結構大切だ ね。でも、本当の力には当然なっていないのだから、総復習するのは当然だ。
 <偏差値57前後>
 

4.<問題AとBとCの3つ>が出来た生徒。
 結構実力がありますね。暗記力もそこそこあるし、その術と問題分析する力も持っていると考  えられる。但し、基礎がしっかりしているだけで、応用力、またより高度な問題に対応する力は 現状ない。基礎の中の漏れと枝葉の知識吸収でさらに実力をつけていかないと、トップレベル の公立高校は望めない。<偏差値65前後>

5.<問題AとBとCとDのすべて>が出来た生徒。
 ブラジルからは、鉄鉱石はもちろん、割合知っているコーヒーもそうだけど、大豆も実は輸入し ている。ここまでの知識は当然入試には必要なわけだけど、いまの時点で出来るということは、 相当高いレベルの地理の能力、安定した実力があるといえる。好きなように勉強して。
 <偏差値70前後>

 ◎ 「解答」
 問題A(ウ)、問題B(石炭)、問題C(木材)、問題D(大豆)

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