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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§442入試社会について思うこと
<3つの問題レベル>

 今回は久しぶりに社会について書いてみようと思います。

 地理の問題集(実力をつける地理)を改訂していて思ったことです。そのなかで、いまだに頭に残って、ちいさな警告の残滓のようなものが、どうもざわめきとしてなかなか鎮まらないもので、熱があるうちに書いてみることにします。

 社会の地理に関する問題を、3問用意しました。文章を読んで頭で適当に想像するより、具体的な問題にあたって肌で実感し直接思考する方が、はるかに意味があるかと思うからです。

 うちの子は社会が苦手なんだけどどうやって勉強すればいいのかとか、逆に、社会の科目は評価5をもらっているのでまあ大丈夫だろうとか、日頃の勉強もまずまずやっていて、平常のテストでは90点以上とっているから実力的にもそんなに心配はないだろうとか、いま偏差値が57くらいでできれば65くらいまで伸ばすにはどうすればいいのかとか、いろいろな判断や思案があろうかと思いますが、では実際に子供がどこまでわかっているのか、具体的にどの程度の力を身につけているのかとなると、英語や数学はある程度知っていても社会となるとけっこうご存じない方が、あるいは正確に掴んでおられない方が多いかと思います。

 そこで入試社会の観点より、レベルの異なる地理の問題を3問用意したわけです。たった3問でわかるのかといえば、もちろん全体の学力はわかりません。しかし、あるひとつの重要な部分は、はっきり見えます。

 中3生なら、入試に対応した勉強がうまくできているのか、中1生なら、学校の授業にだけ依存した狭い学習だけを行っているのではないか、中2生なら、もはや学習が済んだ地理の知識がどの程度実力として残っているのか、といったぐあいです。

【A】は実力テストレベル、【B】は公立入試レベル、【C】は難関私立入試レベルの問題としました。ぜひ中1生から中3生は印刷して、チャレンジしてみてください。いまの社会の勉強のしかたとその内容に、また今後の勉強の進め方に参考になることもあろうかと考えています。(あとできれば、ご父母の方にもぜひ今回はトライしてほしいものです。社会なんて嫌い、それも地理なんて大嫌い、なんて方も多いかもしれませんが、そうでもない方は、面白半分でいいのでやってみてください。問題のレベル差が、より実感できるかと思いますので。)

 解答と解説、及びアドバイスなどは、問題のすぐ下にあります。生徒のレベルにのんびり合わせていると、まっとうな学力はつかないばかりか、井の中の蛙状態になりかねません。ですから解説とアドバイスはきびしく書かせていただきます。

 <問題3つ>〜印刷部分
<注>:( )内は%を表している。実際は少数第一位まで書かれているが、ここでは四捨五入してあります。また表やグラフの表記ができないので省略。なお統計上の数値や順位ってものは、地理の場合つねにすこし変動するものですが、できるだけ最新のものを用いています。

【A】実力テストレベル
----------------------------------------------------------------------
 次のA,B,Cは、日本が輸入している主な農産物または鉱産物資源で、その相
手国の第3位までを示している。それは何か、下のアからカの中より選び、記
号を[ ]に書きなさい。

A オーストラリア(61) ブラジル(22) インド(7)
B アメリカ(60) カナダ(20) オーストラリア(20)
C サウジアラビア(30) アラブ首長国連邦(20) カタール(12)

ア.原油 イ.鉄鉱石 ウ.石炭 エ.小麦 オ.大豆 カ.とうもろこし

解答欄 A-[ ] B-[ ] C-[ ]
----------------------------------------------------------------------

【B】公立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 次の資料は、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、タイの4カ国のいずれ
かで、日本への輸出額に占める上位3品目を示している。アメリカとオースト
ラリアを示しているのはどれか、A〜Dの記号を選んで[ ]に答えなさい。

A 鉄鉱石(42) 肉類(13) アルミニウム(6)
B 機械類(29) 航空機類(7) とうもろこし(6)
C 石炭(42) 液化天然ガス(16) 鉄鉱石(14)
D 機械類(34) 魚介類(7) 肉類(6)

解答欄 アメリカ-[ ] オーストラリア-[ ]
----------------------------------------------------------------------

【C】難関私立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 次の表は、アメリカ合衆国と中国が上位3位までに位置するAからFの6項目に
ついて、各国別の割合を示したものである。表中のAからFが示す項目として適
切なものを、下のアからカの中らそれぞれ選び、記号で答えなさい。

A-中国(20) インド(18) アメリカ(5) インドネシア(3) ブラジル(3)
B-アメリカ(15) ドイツ(8) 中国(7) イギリス(5) 日本(5)
C-ドイツ(10) 中国(9) アメリカ(9) 日本(6) フランス(4)
D-日本(16) 中国(13) アメリカ(12) ドイツ(9) 韓国(5)
E-中国(13) インド(12) アメリカ(9) ロシア(8) フランス(5)
F-中国(38) 日本(9) アメリカ(7) ロシア(5) インド(4)

ア.小麦生産 イ.自動車生産台数 ウ.人口 エ.粗鋼生産量 オ.輸出額 
カ.輸入額

解答欄A-[ ] B-[ ] C-[ ] D-[ ] E-[ ] F-[ ]
----------------------------------------------------------------------
 <↑印刷部分はここまで>

★ここから解答と解説、そして厳しい指摘を交えたアドバイスを書かせていた
だきます。

 <解答>
【A】実力テストレベル
----------------------------------------------------------------------
 次のA,B,Cは、日本が輸入している主な農産物または鉱産物資源。

A オーストラリア(61) ブラジル(22) インド(7)
B アメリカ(60) カナダ(20) オーストラリア(20)
C サウジアラビア(30) アラブ首長国連邦(20) カタール(12)

ア.原油 イ.鉄鉱石 ウ.石炭 エ.小麦 オ.大豆 カ.とうもろこし

解答欄 A-[イ] B-[エ] C-[ア]
----------------------------------------------------------------------
 もうどれも定番の基礎知識を問う問題である。まず一番やさしくはじめにわかるものは、Cの原油である。第1位はずっとサウジアラビアであったが、ここ最近アラブ首長国連邦が1位になり、また現在は再びサウジアラビアが1位に返り咲いたって感じ。3位にカタール、またイランなどが来る。

 次にできなければならないのは、Aの鉄鉱石である。オーストラリア、ブラジル、インドの順位は長年不動で、逆の問いの形、つまり、鉄鉱石の輸入相手国3つは諳んじて言えなければならない。

 この知識が基礎とすれば、応用は鉄鉱石の国別産出量のランクである。中国、ブラジル、オーストラリア、インドの順。ちなみに1位の中国は、まだそれでも足りずオーストラリアから輸入しており、オーストラリアからみて、長年輸出先の1位であった日本にとって代わって中国が1位になり、現在は産出額の半分ほどを中国に輸出している状況である(日本は4分の1くらい)。
 
 最後にB。アメリカ、カナダ、オーストラリアと来れば、これは小麦。暗記しておくべき問題である。

 この小麦はほかの2つに較べすこし難しいが、されど3問ともできて当たり前の学力をもっておきたい。

 なぜなら、ここに載っている石炭も、とうもろこしも、大豆も、そしてここには載っていない液化天然ガスや木材(及び天然ゴム)も、その輸入相手国がどこの国なのかという、「およその順位」と円グラフや棒グラフを使った表記上の判断ができるようになっておくのが、社会のひとつの大事な勉強であり、基礎知識に関する実力であるからである。

 さて、この3品目の問題がすべて、なんなくできたであろうか? そうでない場合、自分の勉強の中身とやり方、また実力を振り返ったほうがいい。この3品目ができないようでは、ほかにまだある5,6の品目がどうして覚えられようか、ということ。

【B】公立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 アメリカ、オーストラリア、ブラジル、タイの4カ国のいずれかで、日本へ
の輸出額に占める上位3品目を示している。

A 鉄鉱石(42) 肉類(13) アルミニウム(6)
B 機械類(29) 航空機類(7) とうもろこし(6)
C 石炭(42) 液化天然ガス(16) 鉄鉱石(14)
D 機械類(34) 魚介類(7) 肉類(6)

解答欄 アメリカ-[B] オーストラリア-[C]
----------------------------------------------------------------------
 公立入試レベルとしたが、公立入試レベルと実力テストレベルの問題にはさして差異はない。2問あれば、1問はどの生徒もほぼできるような問題で、もう1問が少しややこしくなっているのが定番的な出題方法。
 
 この問題の場合、やさしいのはアメリカのBである。航空機があればアメリカに決まっている。では、オーストラリアはA,C,Dのいずれか? どれもまぎらわしいところがありますね。何がまぎらわしいかをすこし書いておきますと、Aにも鉄鉱石があることと、肉類はオーストラリアから日本に輸入されており(第4位)、CかAかの判断である。さらに、アルミニウムの原料であるボーキサイトはオーストラリアが世界1位なので、そのへんをもし知っていればさらにややこしいと感じるだろう。

 オーストラリアからの輸入品目は、昔なら羊毛や肉類などもあってわかりやすかったけれど、いまは鉱産物資源の割合がとても高く、石炭、液化天然ガス、鉄鉱石の順であり、これもしっかり暗記しておくべき知識である。よって答えはC。

 あとは解答以外になるがブラジルもしっかり知っておくのが基本。ふつうコーヒー豆でわかるのだけど、いまは第4位くらい。鉄鉱石、肉類、アルミニウムの順でA。タイは残りのD。魚介類ってのは、インドネシアやタイから輸入している「エビ」が中心かと思える。

 これも2問とも、正解を出す力がほしい。社会の入試点が平気点あたりの生徒なら1問でもいいが、公立トップ高やあるいは社会で90点以上、また95点と高得点を目指す生徒なら、2問とも確実にできることが求められる。

 紛らわしかったり、どちらか迷う問題を、紛らわしく感じず的確に、かつ瞬時に判断できる基本の知識をもつこと、これがほんとうの実力である。

【A】も【B】も設問のしかたは違うけれど、ほぼ同質の同レベルの問題である。覚えておくべき事柄は多いのだ。それをすこしでもいま、【A】【B】の問題と解説をとおして実感し、認識しておいてほしい。

 社会は暗記科目であると決めつけるわけではないけれど、こうした問題や知識は完全に暗記であり、暗記以外の何者でもない。入試で社会を平均の50点、あるいは60点〜70点をとることが目標なら、中3の秋以降に頑張って暗記すればいいが、90点以上また95点くらいを確実にとることを目指すなら、たとえすこし忘れるにしても、1,2年生のあいだにもうすこし突っ込んだ問題演習と、くり返しによる深い暗記の学習を積んでおくのが条件であると考えているが、さてどうでしょうか?

【C】難関私立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 アメリカ合衆国と中国が上位3位までに位置するAからFの6項目について、各
国別の割合を示したものである。

A-中国(20) インド(18) アメリカ(5) インドネシア(3) ブラジル(3)
B-アメリカ(15) ドイツ(8) 中国(7) イギリス(5) 日本(5)
C-ドイツ(10) 中国(9) アメリカ(9) 日本(6) フランス(4)
D-日本(16) 中国(13) アメリカ(12) ドイツ(9) 韓国(5)
E-中国(13) インド(12) アメリカ(9) ロシア(8) フランス(5)
F-中国(38) 日本(9) アメリカ(7) ロシア(5) インド(4)

ア.小麦生産 イ.自動車生産台数 ウ.人口 エ.粗鋼生産量 オ.輸出額 
カ.輸入額

解答欄A-[ウ] B-[カ] C-[オ] D-[イ] E-[ア] F-[エ]
---------------------------------------------------------------------
 いやらしい問題ですね。読んですぐわかる問題ではありません。よく思考しなけばなりません。持てる知識、つまり暗記している知識の総動員といったところです。

 アからオをにらんでまず解けるところから。ウの人口。中国(13億人)、インド(12億人)、アメリカ(3億1000万人)、インドネシア(2億4000万人)、ブラジル(2億人)。どれも凡そだけど、覚えていて当然。ということで、Aがウになる。

 次は、小麦の生産量が多い国の順位。これは小麦の輸出国のグラフなどでも判断し得るノウハウであるが、フランスに着目すればいい。CとEにフランスが出てくるが、Cには日本があるので、これはあり得ない。よって、Eが小麦生産のアであることがわかる。

 次はどうか。オの輸出額とカの輸入額などは、わたしでもノーマークの問題だ。わからん。よって、後回し。

 イの自動車生産台数を考える。B,C,D,Fのなかで。ロシア、インドがあるFはありえないから消える。Cも中国が2位などはまだ考えれないし、ドイツの1位も考えれないからこれも消える。残るはBかD。Bの日本が5位などは考えられないから、決定。Dが自動車生産台数(イ)である。日本、アメリカ、ドイツがあるので、納得。それにしても中国がアメリカを抜いて2位なのには愕くが。

 次は粗鋼生産量のエ。粗鋼生産とは鉄鋼生産とほぼ同義だろう。B,C,Fが残っている。Cのドイツが1位で、フランスが5位なのは、どうも考えられない。BかFである。Bのイギリスが日本と同じくらいなのはどうも考えにくいし、Fがそうなのか、それにしても割合が、Fは中国が38と圧倒的にほかの国を引き離しているのには驚嘆である。まあ一応、Fが粗鋼生産量(エ)としておく。

 最後、BとCが、輸出額と輸入額の順位なのだろうか? BとCの輸出額と輸入額が、この5カ国でほぼ同じというか釣り合うとは考えられないが、まあ割合から考えてみて、日本は貿易黒字だから輸出のほうが輸入より多いとして、それで( )の数値をみると、C-日本(6)、B-日本(5)よりCが輸出額であろうと判断できようか。アメリカは貿易赤字だから、それで検証しても同じ結果となる。よって、Cがオ、Bがカとなる。

 どうでしょうか。詳しく解説してみましたが【C】は、【A】や【B】とあきらかに問題の出し方、レベルなどが違いますね。たんなる知識の暗記だけでは解けない、思考力と分析力も要るかと思います。しかし、全問正解とは行かずとも、それなりに正解数を得るには、やはり相当量の基本の知識が要ることに変わりありません。

 どのように社会の勉強をしてゆくべきか、またふだんにどのくらい深く、広く暗記していくべきか。それは各自で考えてもらうとして、その勉強を考えるひとつのキッカケに今回の内容がなれば、さいわいです。