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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?! 
§2 定期テストの点と実力テストの点
<定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>
 

 たとえば、中3生とする。

 1学期の中間テストの合計点が、410点(数学91点、英語82点、国語73点、理科88点、社会76点)のA君(男子)。まあまあ頑張っている成績ですね。クラスのあるいは学年のトップ生は470点前後をとっているだろうが、おおよそこの成績ではクラスの5,6番、といったところでしょうか。
 
 もうひとつ、例をあげましょう。やはり1学期の中間テストで合計点が、436点(数学88点、英語95点、国語82点、理科78点、社会93点)のBさん(女子)。部分的に見れば課題もありますが、全体的な印象ではとてもよい成績です。クラスで3番くらいとします。本人も親も他の生徒からも、また先生からもよくできる生徒と見られてます。

 <注:中3ともなると、中1や中2の点数と較べてテスト内容が難しくなりますから、点数も下がってくるので、そのへんはご考慮ください。>

 期末テストをしました。その結果はA君、425点。Bさんは、440点。2人とも順調です。よく頑張っています。

 夏休み明けの実力テスト(第2回)をしました。A君の結果-数学76点、英語72点、国語65点、理科80点、社会71点-合計点364点でした。Bさんの結果-数学72点、英語78点、国語66点、理科58点、社会67点-合計点341点でした。

 うん? いったい、これはどういうことでしょうか? まず浮かぶのは夏休みの過ごし方と勉強でしょうが、ここではその要因は排除します。どちらもふつうに努力し勉強したとします。では何故こういうことが起こったのでしょうか。

 A君の方がBさんより成績が上になってしまった。これは特殊なケースでしょうか。いえいえこれはよくあるケースなのです。A君も点数は下がっているのです。定期テストの平均点から54点もダウン。Bさんの方は平均点から97点ダウンです。

 一般に平均的な生徒の定期テストの点が350点としますと、実力テストの成績は100点ダウンの250点前後になるのがふつうです。ですから、Bさんの97点ダウンの341点は至極当然の結果であると、ある面いえるのです。ただし、それは成績中位から下位の生徒の傾向と現実であり、7割ぐらいの生徒に当て嵌まる減少といえます。成績上位者も確かに点数が下がるのですが、その下がり方は上になればなるほど少ない。つまり、Bさんの例でいいますと、多くても50点ダウンの388点前後から400点ぐらいとっておかねばおかしいわけです。

 Bさんの悲しみ塞ぐ姿を想像するのは容易です。友人や親からの励ましもあるでしょう。優しい先生なら「心配しないで、今度頑張ればいいから。」という言葉もあるかもしれない。本人も、こんなはずはない、たまたま体調が悪かったし、時間以内に問題全部解けなかったし、と自己納得してるかもしれない。

 もしそう考えているのなら、どうもまずい。そうでないのなら、どう考えたか? 塾に行ってるのなら(8割以上通ってますよね。)、模試があるわけで、自分の学力をもうほぼ知ってるはずなのです。けれどもおかしなことに、塾に行っていても案外自分の学力をまだほんとうにはわかっていない生徒もいるんですね。(が、ここでは塾の通学有無は関係ないとします。) ここに、どうも大事ななにかが欠落しています・・・。
 
 ところで、クラスのトップ生の成績はどうでしょうか? 気になりますよね。定期テストでは450点から470点ぐらいとってる生徒です。中間テスト467点、期末テスト456点としましょうか。(すみません、成績上位の生徒の話ばかりで。でも何かの形でこの問題が当て嵌まったり、参考になったりしますので。)
実力テストの成績結果-数学88点、英語92点、国語80点、理科86点、社会90点-合計点436点でした。

 適当に点をつけてるのではないですかって? はい、適当です。実力テストの中身もレベル知らないで、とお思いでしょうが、公立中学の実力テストの内容と形式は熟知してるつもりです。ひと言でいうと、この時期のそれは、過去の基本の寄せ集めです。特に難易な、あるいは独創的な問題はまずありません。20年以上の塾直接指導の経験と分析から申し上げています。誤差は多くて5パーセント未満と思ってください。

 一番の生徒の成績ダウンは、25点です。中には通常のテストの成績よりも上の点をとる秀才もいますがそれはさておき、定期テストのBさんと一番の生徒の差は平均で23点なのに、実力テストの差はなんと95点にもなります。ここで、ひとつはっきりしましたね。ふだん見えてるようで見えていないものが。

 そうです、実力です。実力の差です。残念ながらBさんには実力がない。これでは希望の公立高校は内申書的にはよくても、実力的にはちょっと無理があるかもしれません。

 このことを本人と塾と学校の先生がしっかり認識しているか、また把握しているか? 本人はもちろん、塾の先生と学校の先生が、もしきちんとふだんから実力の把握とその対策(これは言葉でいうのは簡単ですが、ホント難しい。)をしていないのなら、おおいに問題でありましょう。しかし、これは得てしてあることなのです。

 次に、もうひとつ見ておきましょうか。Bさんの欠落してる部分です。それは各科目の点数にあります。数・英・国についても少しずつ点数が足りませんが、それ以上に理科と社会に問題があります。

 まず社会、定期テストではA君は76点、Bさんは93点、一番の生徒は上記には書いてませんが、仮に94点としましょう。それが実力テストでは、A君は71点、Bさんは67点、そして一番の生徒の点数は90点という結果です。Bさんは得意なはずの社会でも、一番の生徒に大きく差をつけられ、A君にも負けています。こんなことが起こるのかですって? はい、珍しいことではないのです。

 悲しい現実です。ではその原因は? 答えは簡単です。忘れてしまったのです。それもややこしい細かいところではなく、覚えていて当たり前の基本的なことですから、抜けてしまっているのです。 お気づきの方も多いでしょうが、中3なら社会は公民分野の勉強です。定期テストは狭い範囲からの出題ですから、先生の授業をしっかり聞いて、真面目に努力していれば93点といういい点もとれるでしょう。とても頑張ってます。それに対して、実力テストは中1の地理、中2の歴史、中3の公民からの全出題です。平均点は50点(実力テストはそんなものです。)としますと、まあ悪くはないにしても、それほど素晴らしい点では決してありませんね。要するに,習った全範囲に対する実力が不足してる、即ち深く記憶できてないわけです。

 次に理科。もうこれは分析するまでもない。本人の点数は58点、おそらく平均点は45,6点前後と思われますが、平均よりややいいという結果。平常のテストの点も他の教科に比べ低いし、はっきり実力も低い。ではどうすればいいか。明らかに学習した範囲の復習でしょう。やり直しでしょう。そして少しでも力がつくように、あるいは適切な問題集を見つけて、こつこつ頑張り続けることしかありません。

 ところでBさん中心に話が進行しましたが、A君のほうはどうなっているのか。
 A君の成績を分析しますと、まだ伸びる余地はあります。国語はあまり期待できませんが、英語と社会に焦点を当てればもっと実力が向上するはずです。ただし、猛勉強しても2学期の定期テストの点が450点とれることはないでしょう。430点ぐらいかもしれません。しかし、1,2年の復習と受験問題に力を精一杯入れれば、実力的なアップはかなり望めるはずです。

 しかしですね、本人の努力と成績アップにもかかわらず、内申書的には評価は低いかもしれません。なぜ、そう冷めたことがいえるのかですって? それが、現実だからです。過去幾多とこういうケースを見てきたからです。成績と内申評価が単純に比例していてくれれば、とてもうれしい。が、実際はごく一部を除いて違うのです。では、A君の場合どうすればいいのか。そのヒントと答えはすでに§1で述べました。ご参照ください。