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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§554 入試数学の応用問題を解くときの頭の構造は・・・
<相似の眼鏡>

 入試数学の応用問題を解くときの頭の構造は、いったいどうなっているのか?!・・・。 

 まあ、こんなテーマは、おそらくネット上で見たことがないはずですし、数多くある応用問題の解き方なんてものも、わたしもこれに関して相当数書いていますが、その時の頭のなかの動きまでは詳細に叙述できるものはなく、触れていないのが実情でしょうか。

 人の頭の動きと自分の頭の動きは、違います。いくら口酸っぱく、解法のポイントはこれだ、こういうふうに解き進めるんだといっても、またくり返しくり返し大事なところを説明、教えたとしても、そりゃあ半分くらいは染み込むかもしれませんがそれ以上のものは生徒次第で、影響を及ぼせるのはここまでです。

 そして今回、影響を及ぼせるのはここまでのところの、その靄にかかっている曖昧な部分とそれからほんのすこし先の部分について、まあこれは浅慮で無謀とも思えるのですが、ほんの一部の生徒にとってなんらかの参考、ヒントになるところもあるかもしれず、書いてみることにしました。

 と、本題に入るところなんですが、気紛れに脱線してみます。

 次の内容が、ネット上に載っていました。面白いことをいうなと、ちょっと納得する部分も感じたものですから、ここに転載(断りなく)させていただきます。

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 私が大学(注:有名私立大学の理系出身とのこと)を出て社会人になってから
わかりましたが、高校3年までに習う数学の中で、社会に出てから最も役に立
たないのは図形の問題です。役に立ったのは、一次関数、微分積分、小学生で
比です。
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 わたしも高校2年生くらいのときだったか、帰宅途中重たい勉強鞄を手に抱えて坂道を下っていたとき、なんでこんな数学をやっているんだろう、何が将来に役に立つんだ?と、不貞腐れ気味に自問したことがありました。もちろんそんな解答は見つかるわけではないのですが、なぜかいまでもこの後ろ向きな心象風景を憶えております。(ちなみに重たい勉強鞄もその後しばらくして、えらく軽くなってしまったんですが。まあ、そのへんの事情はさらに脱線しますので、ここではどうでもいいとして。)

 しかしですね、長い歳月が経って、いや、長い年月が経たねばわからないというのがこれ、平凡に過ぎる頭の証拠なのですが、いまではこう捉えています。

 社会人になって役に立つものには、直接のものと間接のものがありますね。学生時代、習ったものが、社会に出てから直接役に立つことはほんとすくないことは、皆様よくご承知のことかと思います。けれどもふだん意識していないことのなかに、間接に役立ってるものは程度の差はあるものの、意外に多いのではないかと感じることもあります。

 この人は、「社会に出てから最も役に立たないのは図形の問題」ですと書かれています。が、これは「直接に」役に立っているかどうかの視点と価値基準で述べたわけですね。「間接に」の視点ではみていないわけです。

 ところがですよ、図形の問題を解くってことは、教科書や授業レベルのそれならあまり脳味噌を使わなくても済むんですが、それが図形の応用問題、入試レベルともなると、これは身につけた知識の総動員と頭のフル回転が必要なんですね。しかしそれが、いつも成功するとは限らない。解答への道を誤って、あるいは行き詰って失敗もする。そこで、問題文の読み取りに見落としている点はないか、問題点の把握に努める。さらに攻略の視点を変えて再アタック、別の道を探る。

 大まかなことを書くことになりますが、社会に出てからの仕事のなかで、こうしたことは研究でも開発でも、また営業活動のなかでも無数にやっていることではないですか? この基礎になる極めて大切な訓練は、学生時代の教科でいうと、何がもっとも該当し培うのでしょうか? 

 英語ですか? まるっきり違いますね。社会ですか、理科ですか? 違うでしょう。では、国語ですか? すこし関連するところもありますが、攻略の視点を変えて、なんて発想はない。そうです、数学という科目のなかにあるんです。それも、とりわけ図形問題を解く作業のなかに、この貴重な訓練があるん
ですね。

 まあ、直接役立つかどうかなんて考えるのも別にわるいことではありませんが、でも目には見えない無意識下のところで、間接に役立っていること、深いところで影響していることが、実はいっぱいあるのが応用段階の図形問題の勉強の中身で、その意味でも大切にしてほしいと思っています。

 さて、本題に戻ります。

 公立入試における数学の出題構成と問題数は、都道府県によって違いがあるわけですが、ここでは主流といいますかごく一般的な形式のもので考えてみることにします。それを以下に、表してみますと。

 出題構成は、1番が計算を中心に3年間学校や教科書で習ってきた基礎と基本知識ができるかどうかを問う問題。バラエティに富む小問で、配点は少ないが問題数は多い。2番は、関数問題になるか、それとも日常生活と数学を結びつけた、いわゆる数学的な思考を試す問題。そして、3番と4番が図形問題。3番は平面図形で、4番は空間図形になることが圧倒的に多い。

 これを標準として、ここでは考えていくことにします。制限時間は50分とします。1番と2番で20分、3番と4番の図形問題に30分。または、1番を5分、2番を10分で終えられるとすると、3番と4番の図形問題には35分かけられることになるけれど、それでも図形問題1問に15分から20分の所要時間しかありません。

 これは言うまでもありませんが、長い時間ではありません。しかし、短い時間である、とあまりにも意識するのは、焦りがさらに増幅され、足も宙に浮き空回りする感覚になるので決してよくありませんが、ふだん粘って難しい問題を30分もかかって解くような、そんな余裕は受験本番ではまったくないわけですから、もし最後のかなり難度の高い小問まで解き進めるのなら、時間はかなりすくないことだけはよくよく承知しておかねばなりません。

 さて、入試数学の応用問題を解くときの頭の構造は、いったいどうなっているのか、その靄にかかっている曖昧な部分とそれからほんのすこし先の部分について、そのすべては無理にしてもよくあるケースをいくつか、確認の意味で以下に書いてみます。

1.相似の眼鏡をかける。

 平面図形の問題にしろ、空間図形の問題にしろ、問題をじっくり読んでその条件を図に書き込み、さてどう解くかを考えていくのがふつうかな?

 しかし、それでは遅いな。もう最初から、図形問題を見る前から、相似の眼鏡をかけておかねば。

 別に必要な段階に応じて相似の知識を当てはめればいいのだけど、そんな器用な生徒はわたしが知る限り、90%以上いない。ただただ壁にぶつかって、それを打ち破れないでいる。攻め込む糸口が見つからないのだ。

 図形をよーく観察すれば、相似があるだろう。あるいは、こちらのほうが多いが、下の4で書いているように補助線を引っ張れば、相似が出てくるだろう。

 この気づく目と意識が、相似の眼鏡を掛けることによって、格段に上がるはずである。

2.問題のなかの各小問には深い繋がりがある、ことがままある。

 小問(1)、(2)、(3)があるとします。(1)が証明とすれば、(2)はその証明でわかったことを必ず使いますね。(3)は(1)と(2)でわかったことを踏まえるとしても、さらに発展するというか新しい視点で掴みとることが要求される、かなり難問であるパターンが多いでしょうか。

 まあ、より厳密にいえば、都道府県によって出題の形式やその裏に隠された作成意図は違うので、こうであると断定は決してしませんが、それでもいろいろ問題を解いているなかで、難問とはいえ実に前の設問(及び最初の小問も含んで)と深く結びついているなと、一見なんの関係もなそうな新たな問題なのに、前の小問のなかで解答以外にさらに気づいておかねばならないことを、最終の小問で活かさねばできない、そういった繋がりと流れのある問題に時折、出くわします。

 過去問を解くということは、このへんの自分が受ける入試の作られ方の特徴をできるだけ掴んでおくためでもあるので、ひとつ覚えておいてください。

3.問題に載っている図形が汚れてしまえば・・・。

 小問ごとに図形が載っている親切な出題をする県もあるけれど、ふつうは初めに図がひとつ、あるいは多くてふたつといったところであろうか。

 その図形には、初めの設問の条件を書き込んで、また小問(2)までのわかった数値や解法に至る線分や角度など書き込んでる状態であり、最後の小問(3)を解こうとしたらすでに相当汚れている状態できわめて見づらかったり、または新しい条件を書き込みにくくなっていたり、なんだか攻めていく糸口をさっぱりつかめないケースが度々起こるでしょうか。

 それを放置して、あるいはさらに汚して解く進めている生徒がいますが、わたしの知る範囲、正答に至った生徒を観たことがありません。

 当然、描き直す作業が必要です。その場合、定規やコンパスなど使って正確に描く時間なんてないわけです。別に定規を使ったほうが早い生徒はそれでもいいのですが、フリーハンドでささっとすばやく、しかもほぼ正確に描く力が要る。これって案外難しいですよ。ある程度訓練しておくべきですね。

 あるいは逆に、忠実に全体を描き直すのではなく、ある部分だけに着目、フォーカスして図を書けばいい場合もあります。この見極めも大事であります。また、立体ならもちろん適切な断面図を書いて、考えねばならない場合もほんと多く出てくるでしょう。

4.補助線を引くって、当たり前だろう?!

 図形のある辺とある辺を各々延長して、交わった点を捉えて新たな図でわかることを見つける。ある辺上の一点から平行な補助線を引く。ある線分の端から垂直な補助線を引く。

 なぜ、補助線を引くのか? そうしないと、答えを導き出せないから。あるいは、答えに至る過程の必要な数値が求められないから。

 では、どういうふうに補助線を引けばいいのか? それは、数多くの応用問題にあたり、こういう時はこういう補助線を引いて考えるのか、とそのパターンを自分で精査、研究、そして覚えることしかないのではありませんか? 
 
「・・・・・・・。さて、ここで、この頂点Cから辺DEに向けて垂線を引き、交わった点をHとする。そうすると、角○は45度になるから、三角形○○は直角二等辺三角形になるので、辺○の長さが求まる。そして、・・・。」

「・・・・・・・。ここで、こことここの線分を延長すると、三角形ができ、この図は長方形だから並行で、つまりこの三角形と三角形は相似になるから、比例式でここの線分が求まるね。次に、・・・。」

 この「ここで」のあとの解き方に、きょとんとしたり、なにか違和感を持ったりしたのなら、先生の説明を聞いて、あるいは解答をみて「ああ、なるほど・・・」と、それで全体が理解できたと思うような勉強で終わっていているようでは、何もまだ自分の力にはなっていません。

 まさにここが、生徒側において、どうも靄がかかっている曖昧な部分なのですが、どうかすっきり靄を吹き飛ばす勉強を自分でしなければなりませんね。因みに、このような補助線の引き方は入試応用レベルの図形問題ではごくふつうの当たり前のテクニックのひとつなんですから、当たり前になる感覚をぜひ身につけてもらいたいと思います。

5.たとえば、角の二等分線という条件が書かれていれば・・・。

 実際に問題のなかで使うかどうかは別にして、すぐにピンと来なければなりませんね。

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△ABCの角Aの二等分線と辺BCの交点をDとすると、AB:AC=BD:CDが成り立つ。
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 頭の奥に仕舞っているものは、なかなか活用できないことがある。あとから気づいたり、想い出しても遅いのだ。事態はつねに緊張、切迫している。知っている知識はできる限り、前面に出したいものだ。頭の奥ではなく、前面にね。

 問題読んで、あるいは図を見て、すぐにピンと来るものがいくつあるのだろうか? 2,3個では寒い限りだ。多ければ多いほどいいけれど、まあ10個以上は持っていたいかな。

 以上です。

 入試図形問題の対策勉強をしているなかで、自分に合う攻略の手法とカギが、上記の指摘のなかにひとつでも見つかれば、さいわいです。