E-juku1st.Comの中学数・英問題集 中学生の学習のしかた  
        中学生の学習のしかた E-juku1st.Comの中学数・英問題集

中学オリジナル各問題集 ご利用者の声 問題集の価格 中学生の学習のしか お問い合わせ ご注文



 ▼ 高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§380 計算ミスを起こす原因について
<三つに大別すると>

 「間違いの原因についての認識」を書きました。あるお母様からその関連で、
「では、数学の計算のミスはどのような原因で起こるのでしょうか。中1の子供に教える場合、どの点に目配りして正しい計算の方法を指導してあげればいいのでしょうか、できればその注意点をご教授ください」 
 と、いう内容のお便りをいただきました。

 ミスの注意点は具体的に挙げれば切りがなく、また生徒の個別的学習背景や現学力の度合いによってさまざまに違いがあるものですから、具体的対処方法はとても説明しきれるものではありません。

 ただし、計算ミスを起こす原因については、ある程度大まかな括りで説明できますので、当てはまる点がもしあるなら、学習面での改善を図るきっかけが見いだせるかもしれません。

 計算ミスを起こす原因を大別、分類すると、次の三つに集約されるかと考えています。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.<計算方法をきちんと知っていないために起きてるミス>
2.<計算式を乱雑に書いて起こすミス>
3.<不注意で起こるうっかりミス>
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1.<計算方法をきちんと知っていないために起きてるミス>。

 一般に計算ミスとは、計算の方法は知っているが途中なんらかの原因で正しい答えを導き出せなかったときに主に使う言葉かと思いますが、もともときっちり知っていないならば、たんなる計算ミス、という言葉でお茶を濁したり、韜晦したりすることではすまされない学力であることははっきりしているでしょう。

 ふつうはこれは読んで、まさか自分の子はこれには当て嵌まらないとすんなりスルーするかと思いますが、小学校から上がりたての公立中学1年生を教えたならば、その半数どころか7.8割の生徒は、程度の差こそあれこれに当てはまりますから、非常に注意してもらいたいと思います。

 たとえば分数と少数が混じった計算で、小数を分数に転換したならすぐに約分するのが基本だがそれをしないため分母子が大きくなったまま計算したり、四則混合の計算ルール、その進め方を知らなかったり、( )がついた(小・中・大括弧)式の計算方法を知らずぎこちなく計算したりと、これらはまだごく一部に過ぎないけれど、小学校のあいだにもっと基本を身につけておけよ、という計算力の底が浅さが目立つ生徒は、いまの公立中学生には多い。

 これはひとえに、小学校での生ぬるく中途半端な量の計算演習と、やさしく単純なレベルの計算しかしない、それ以上高度な計算問題にまったく触れない学習の結果だと考えますが、平均的な生徒がもっている計算の基本の幅と深さが、一昔前とくらべて、あまりにもお粗末だということを認識しておいたほうがいいかと思います。

 そのような計算力の状態だから、中学になって数学の正負の計算、文字式の単元では、通分、約分、乗除先行のルールほか多数、土台の土台である計算のきまりの半分はまだ身についていないものとして教えてゆかねばならない。よくあるでしょう、マイナスをつけるのを忘れることが多いのは、わかっていて当然の、土台の計算の決まりそのものの身につけている力が弱いからで、新しい正負の計算ルールへの注意力が散漫になるからです。

 つぎの1次方程式になると、移項でのミスが多くなりますがそれらを含めて、とにかくどうすればいいかというと、「ミスを防ぐために、マイナスのミスが多い人は、問題を解くときに「マイナスに気をつけよう」と思いながら問題を解いてください。そうすれば、プラス5点くらい簡単です。」
 なんてアドバイスは、わたしからいうと口が裂けてもいえないわけで、「マイナスに気をつけよう」と思いながら問題を解くようではとても演習量が足りなく、「気をつけよう」なんて意識はすり切れてなくなるまで、ほぼ無意識の状態でも「気をつけている」感覚になるまで、とことん演習し、吐いてもうあげそうになるまで演習し、わかったからもう勘弁してくれというまで、ふだんの勉強のなかで演習することです。小学校でこれがすでに実践できている生徒は格別要りませんが、そうでない生徒は、これをやって、もともと欠如している計算力をカバー、回復してみてください。

2.<計算式を乱雑に書いて起こすミス>

 これは多そうにイメージするかと思いますが、どの生徒も字自体は比較的ていねいに書いていますし、そう多くはありません。ただ問題にしたいのは、数学の成績がいい生徒にこの計算式が乱雑である生徒がいることです。

 いまはいいですよ、計算中心のテストでいい点数がとれていれば。それがやがて文章題での計算で、そして関数や図形問題での計算で、自ら計算式を乱雑に書いたためにミスを引き起こしたなら、テストの点数をぐっと下げてしまうことになります。それでもまだふだんのテストぐらいでは、複雑な計算式や何回も式を書いて求めなければならい問題にはまず出くわさないので、そこそこ自分流儀の馴れた乱雑な計算式でも正解にたどりつくことができるかもしれない。

 しかし、それが通じなくなるのは、あるいは致命的なミスを起こす確率を高くするのは、入試問題のなかの応用レベルにぶつかってから、ということになります。そのときになってからでは遅すぎる。なぜなら、基本から逸脱した自分の計算のやりかたというものは、ほぼ本能的に記憶しており身についているものですから、修正は不可能に近い。鉄は熱いうちに打て、とはよくいったもで、中1ならまだしも中3ではとっくに冷めて固まっています。固まっているのを無理に直そうとすると、割れるのがオチです。

 さて、その中1も実は、小学5,6年からの延長で、計算式を乱雑に書いて答えを出そうとする、ワルい習慣が固まりつつある生徒もいますから、どうか注意していただきたい。

 では、計算式を乱雑に書いて起こすミスがなぜいけないのか? これはわかりきっていることではないかと思いますが、念のため書いておきます。

 それは、ひと言でいうと、訂正ができないからですね。あるいは訂正個所を見つけるのに異常に時間がかかったり、見つけづらいからですね。計算ミスはなにも計算問題だけでなく、いやそれ以上に上でも述べたように文章題、関数、図形問題のなかでも出てきます。これを防ぎきることは、どの生徒にもまずあり得ない。

 問題を解き、出てきた数値のおかしさに、これは途中式のどこかで間違ったなと気づくことがありますが、その場合、基本どおりに式を書いていると、あるいは自分の計算パターンをしっかり確立し持っていると、間違いの個所を見つけ、修正するのにそれほど手間取りませんね。計算式が乱雑ではこうはいかない。へたすれば、一からやり直しです。ときに、時間が思わぬほど経ってしまい、他の問題に費やす時間が足りなくなったり、焦ってしまい集中力と思考が乱されて、解ける問題も解けなくなる可能性もあります。

 ですから、計算問題のなかで基本を徹底して身につけておくことです。そして、自分はどのようなときに間違えるのかをつねに探求し続け、自分のよく間違いを起こす個所を判っておくことです。

3.<不注意で起こるうっかりミス>

 これは一般によく使われる言葉のケアレスミスってヤツですが、ここではあえて「不注意で起こるうっかりミス」としました。このほうが本質をしっかり掴めるようで、またほかの2つと区別がはっきりするように思えます。

 しかし、計算でのケアレスミスって言葉を生徒が使うとき、ほんとうにそうなのか、じつは1や2が間違いの原因ではないのか、よーく見る必要があります。そして実際半分以上は、1や2が原因であります。

 さて、純粋な(?)ケアレスミス、たんなるケアレスミスと呼べるのは、何から何まですべてわかっていて、ふだんは間違えるはずがない、テストでもまず完璧に近いほどできる力あるのに、なんの因果か「不注意で起こしてしまううっかりミス」と限定してもいいかもしれません。

 うっかり起こすミスの原因は、すでに説明のなかに含まれているとおり、不注意だからでしょう。この不注意による計算上のミスにはいろいろあると思われるけれど、まずはじめに浮かぶのは、「マイナスのつけ忘れ」がありますね。

 しかし、これはすでに1で言及していますが、「不注意で起こるうっかりミス」ではなく、あきらかに「計算方法をきちんと知っていないために起きてるミス」なのです。マイナスのつけ忘れなんて、そもそもあり得ないのです。なぜなら、正負の数の計算にしろ文字式の計算にしろ、加法でも減法でも乗除混合でもまずマイナスかどうかを決めて、計算するからです。もしマイナスならまず−の符号を書いておき、そのあとで計算に入るわけですから、マイナスのつけ忘れがあるはずがないのです。そのあるはずがないことをするということは、不注意で起こるミスというより、基本の基本の計算ルールの土台そのものがまだ身についていない証拠といえます。

 では、「不注意で起こしてしまううっかりミス」にはどのようなものがあるのでしょうか? これを科学し、分析し、すべて整理する力は残念ながらわたしにはありませんが、思いつくのは、計算過程での記号や数値の転記ミス、約分のし忘れ、計算が終わって正しい答えが出ているのに解答欄に書くときの転記ミスや単位のつけ間違い、などがあります。そしてあと信じられないことに、たとえば頭では8とかいているつもりなのに手は3を書いていたりと、集中力が欠けてという大袈裟なものではなく、なにかほかのことを考えて混じったり、そんな、理屈ではわりきれない間違いもあるかと思います。

 まあよそ事を考えて計算してはいけないということですが、この最後の例は別にして、不注意で起こるミスもそのほとんどは、豊富な演習のなかで自己意識のもとに努力すれば直せていけるわけで、1から3のいったいどれによって子供は間違いをしているのかを、じっくり観察し、改善指導していってやればいいかなと考えています。