E-juku1st.Comの中学数・英問題集 中学生の学習のしかた  
        中学生の学習のしかた E-juku1st.Comの中学数・英問題集

中学オリジナル各問題集 ご利用者の声 問題集の価格 中学生の学習のしか お問い合わせ ご注文

 HOME 算数の図形教室<B>  入試図形問題の攻略Version4 <新版>入試理科の攻略


  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§288 高校入試の過去問対策について
<何のためにするのか?> 

 高校入試の過去問対策に関して、その勉強のしかたと注意点がいろいろと書かれているのをみます。またこの最終段階、受験生の多くは、塾に通ってその指導の下、いちいち自分で考える必要もなく(?)過去問に取り組んで、その勉強のしかたと注意点を教えられているかとも思います。

 よって、いまさらといいますかここで、わたしが同じようなことを指摘しても、役に立つこともほとんどないようには思っています。そして、また実際には、具体的問題を通して事細かに説明や注意点を指摘するなかで、それも幾度となく繰り返して注意喚起する場面で、大事なことが生徒にじわじわと伝わってゆくものなので、そのへんの機微はこうしたメルマガでは表出しにくいのですが、それでもとにかくほんの少し確認の意味で、スポット的観点で書いてみることにします。

 何のために高校入試の過去問をするのか?――

 この目的がはっきりわかっておかねばなりませんね。

 それは、「出題傾向を知り」、「自分が各教科何点なら取れるかを感じとり」、「目指す高校の合格圏内に入るためには現状自分に何が足りていて、あと何がまだ足りていないのかそれを掴むこと」、とでもいえばいいでしょうか。

 つまりこれは、ゴールではない。自分の力の結論でもない。結論は、入試本番の試験で決まる。よって、この過去問を通しての勉強の持って行き方が大切なのだが、大半の生徒を観ていると、どうもそこが中途半端に映るし、ほんとうにはわかっていないのだな、とも思う。

「出題傾向を知る」とは、公立入試、私立入試を問わず、入試問題には自分の都道府県の公立入試、また受験する私立高校には独自の出題傾向と癖があるからで、それは過去問をすればわかるということです。ただし、1年分ではわかるはずもなく、2年、3年分と解いてゆくなかで、各教科毎年似た出題形式であることに気づき、応用問題の難易度とその含まれ方の度合いもみえてきます(理想的に書けばね)。ふつう5年分をすることになりますね。

 この5ヵ年の勉強で何を第一義とすべきかは、わかりきったこと。自分の獲得しえる点数を過去問を進めていくなかで、じわじわと上げていくことででしょう。もちろん年度によって問題の難度の差は出てくるので、調子よく上げていけるとは限らず、なかには下がってしまう年度もあるのだが。それでもね、簡単に書けば、1ヵ年分をすればその反省点がじゅうぶんあるだろう(?)から、上げることはできなくても下がるような事態を禦げるのだけど・・・。5年の過去問の成績が、伸びを見せるどころか漫然と同じような点数が続いているようでは、いったい何を考えて過去問をしたのか?!となる。こうは、ならないように。

 次に、「自分が各教科何点なら取れるかを感じとる」とは、己の力を知る+テストの受け方の要領を会得する、ということか。この対策の時期を入試まで残り1ヶ月とここでは仮定するが、高校入試の過去問を5ヵ年もすれば、自ずと5科目の最終の自分の力はわかるというものだ。それは、これまでの中学の2年と10ヶ月近くの学習、及び入試勉強の結果であって、どういうふうにこれまで勉強してきたか、努力をしてきたかの成果の結実であって、もう、いささかも弁解も向後の甘えた観測も許されはしない、最終の学力の自己認識と捉えるべきだ、と考えている。

 こう書くと、上述した「ゴールではない。自分の力の結論でもない」と矛盾しているではないか?となるが、たしかに矛盾しているみかたである。それは現実が矛盾しているからである。多くの生徒の入試勉強の現実の姿と入試結果を観た場合、その理想的な勉強の進め方とのギャップといってもいい。

 たとえば数学の場合、平均点前後しか大抵とれない生徒なら、図形を中心とした応用問題をいくら説明をよく受けたり、あるいは解答をよく見て仮に理解したとしても、結局のところそれは、本人に身についていないことが圧倒的に多いのだ。では、計算を中心とした基本的な問題をすべて完全にできているのかという視点でいえば、この過去問の最終の対策のなかでも、へたすりゃあ2,3問はミスっているわけですから、それをなくすことに全力投球するのが、まずもって第一の対策でしょう。つまり「己の力を知る+テストの受け方の要領を会得する」の後者「テストの受け方の要領を会得する」ことに、もっと気持も比重もかけ磨くのが、より正しい勉強ということになる。これは数学だけでなく英語も国語にもいえることだし、理科や社会にも当て嵌まる。

 三つ目の「目指す高校の合格圏内に入るためには現状自分に何が足りていて、あと何がまだ足りていないのかそれを掴むこと」とは、説明するまでもないことですね。念押しみたいなもので、この言わんとすることは、すでに上で述べています。特に「あと何がまだ足りていないのかそれを掴むこと」は、生徒それぞれの成績や実力によって違うわけですから、その後の具体的対策も異なるのが当然。ここを、高校入試の過去問対策に関する記述や情報を読んで参考にする際に、ぜひ注意してもらいたいと思います。

 さらに科目によっても、もうこの段階、時間も限られており、できることもあればあきらかにできないこともあるのですから、できないことをできるようにするなんて努力と行為は、これまでにすでに黙々としておくべきものであって、そうではなく自分の能力でまだできることを見つけ、しっかりそれをさらに固めることが、この最終段階の勉強のあり方というものでしょう。

 今回はあえて抽象的にしか書いていませんが、受験対策の「方向性」でひとつのヒントになるところがあればさいわいです。