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§13英語について思うこと VOL5 new
<中3英語の勉強のしかた>
中3の勉強方法については、「中3学習のありかた VOL.1<改訂>、VOL.2、VOL.2(続)」で、数・英・理・社に関し個別的・具体的に、また1,2年の復習の大切さとそのありかたについて、詳しく述べています。よってここでは、スケジュールの面と実力テスト対策、入試対策の様子について書いてみることにします。
まずスケジュール的なものですが、細かいところまでは個別的なものになるので控えるとして、公立高校受験合格が志望の第一としますと、とても重要なのがまず内申です。
英語について絞る前にちょっと簡単に広げて考えますと、塾に行っておればその指示に従って、また既に兄や姉が高校、大学に進学しておれば大体のことはご承知のことかと思いますが、中3の2学期後半には内申が90%ほど決まりますね。中1・2の成績も入る県もありますが、大抵は3年の1,2学期の定期テスト、提出物、(実力テスト)などによる比率が高いでしょうか。5科目の重要性はいうに及ばずですが、意外とボディーブローのように効くのが、実技4教科ですね。これを軽視すると、まず志望校の受験は甚だ難しくなると考えておいたほうがいいです。何故か?は別の機会に書くとして、すべての科目が大切です。
ですから、1、2学期の学校での勉強に重点をおくのは当然なので、3年で習う新しい英語にまず集中することですね。すべての文法が、入試に直結しています。入試長文は特に、3年で習う文法の知識とその目で読まねば決してできません。
形的には、中3学習は年内の11月ぐらいには終えておきたいものです。学校では3学期の初めぐらいかかるのがふつうですから、一人で頑張ってる生徒は考慮しておいてください。(ご存じの方も多いかと思いますが、大手進学塾の一部特進クラスでは夏休みぐらいには、中3学習は一応完了してますね、あとは復習、そして実力アップ問題の演習、そして入試実践問題で更に力をつけていく。2学期まるまる、これらの勉強に余裕を持って当てられる。3学期の1.2月はさらにに取りこぼしを無くし、学力の完成へと進む。しかし、これに耐えられる生徒は、即ちこのスケジュールをほぼ完ぺきに吸収できるのは数少なく、公立中学生の3%前後ではないかなと捉えています。なにもこれがベストなわけではなく、各生徒の事情と学力伸長に合った勉強もあるのですから、ご安心を。)
次に、12月と1月を私立受験勉強にあてる。志望校の過去問を解くのはいうに及ばず、文法知識をどんどん広げなければなりません。しかし、これがなかなか要領えないというか吸収できない生徒が多いですから、注意してください。
次に、公立受験。約1ヶ月ほどあいだがあるでしょうか。英語の学力をイメージ的にいえば、横に膨らんだ知識を削って、縦に厚さを増さねばならない。脇を締め、ガードを固めることが肝心。つまり、ミスを減らす、単純なことを間違えない、文法的な受け答えを正確にする、英作表現力を磨く、リスニング演習をするなどです。
さて、時間を戻すとして、実力テスト対策が中3では頻繁にあります。定期テストの間と、休み明けにあるのが一般的。常々思っているところなのですが、実力テストに対する勉強が、生徒はよくやっていますが一週間やそこらでできるものなのでしょうか?! その勉強の中身が、生徒の実力と果たしてほんとうに結びいているのでしょうか?
どうもそう思えない。前にも何度か指摘してますが、もし真剣に行えば3週間から1ヶ月はかかるのではありませんか? なにしろ2年以上も費やしてきた5教科の勉強をするわけですから。こんなことを仮に3回でもすれば、自分の勉強が進まないどころか、大事な入試対策もおちおち時間がとれない可能性がある。では、一週間でできることとは何?
自分でするにしろ、塾で教わるにしろ、表面的なことしかできないのではないかな?・・・。せいぜい重点項目の確認くらい。
じゃあ、しないほうがいいと言ってるのか? いえ、そうではありません、必ず一度はどこかでしっかり時間かけてやるべきです。これに関しては、すでに英・数・理・社各科目、勉強の進め方を具体的に書いてあります(HPをご参照ください)。ただ、表面的な対策を3回、4回やっても効果が薄い、ということをここでは述べさせておきます。
ここで文法問題2例を出します。試しにトライしてみてください。
<所要時間1分>
(問1)Bill's father will come back ( ) two hours.
「ビルの父は2時間で戻ってくるでしょう」
<日本文に合うよう適する前置詞をいれよ>
(問2) Is it fine ?
<tomorrowを入れて未来形にせよ。ただし
be going to を用いて>
【解答】
・Bill's father will come back ( in )
two hours.
・Is it going to be fine tomorrow ?
(説明)
中2の未来形の復習です。問1の方は、for
にしてませんか?
問2の方は、be が抜けてませんか?
ふたつとも難なくできていれば、ケアレスミスをしない注意力も実力もまああるかと思います。
しかし一方だけ、あるいは両方とも間違うようでは、厳しい指摘になりますが上で書いた実力テスト対策の勉強などやっても空回りして、その中身たるやスカスカになるだろう可能性大であることが予想されてしまいますね。こうした学力と勉強のしかたがダメだとしても、そうそう簡単に取り除ける方法なんてありはしません。一週間やそこらで実力補強できるなぞ、現実の生徒を見ればとても考えられないし、あまい観測はやめておきましょう。
やはり、ふだんの勉強なのです。そのなかに、課題は山ほどあるのです。3年の学習をしつつも、教科書、問題集、学校から与えられたプリント類をよく見れば、1、2年の復習はいっぱいあります。問題は、生徒にその目があるかということでしょう。実力を蓄えるもとは、ふだんの勉強のなかにある、ということをしっかり考えてください。そしてもうひとつ、夏休みなどに学校で指示された副教材というか、中1,2年の問題集の宿題をじっくりやることです。復習するにいい機会ですし、内容も大切なことばかりです。
しかし現実は、こうしたことを等閑にしてる生徒が大半でしょう。なぜなら、中3のなんと2学期に入っても、基本のチェックをすれば、相変わらず間違える、同じミスを繰り返す、わかっていて当然の知識が一部忘れてしまっている、なんて事態に頻繁に出遭いますから。いったい何のために宿題をやってるのだろうか? このふだんの勉強こそが、実力対策に向けた勉強の、基本中の基本であります。自らの力で、基本は復習できるものです!
次に、入試対策について触れておきます。
私立対策と公立対策がありますね。既に書きましたように、その問題内容と傾向は明らかに違います。また私立高校の問題レベルも受験する生徒のレベルによって、というより各高校の生徒への期待する学力レベルによって、問う知識の量とレベルに差が出るのは当然です。過去問は基本的に5年分を前もって解き、対応する力を養わねばなりません。
偏差値50ぐらいのA高と偏差値65ぐらいのB高とでは同じ50点でもその質は全然違います。が、だいたい大まかに言って、レベルの差関係なく最低60点以上とれれば合格でしょう。もちろん他の科目も平均しての点ですから、弱い科目で40点しかとれない場合があれば、得意とする科目で75点とることも出てくるでしょう。また専願、併願でも合格点は当然異なりますから一概にはいえませんが、ひとつつの目安として60点以上はすくなくとも確保していたい。また特進クラスとなると、70点以上は最低欲しいところでしょうか。
英語だけに絞って書きますが、たとえば中3の学習をすべてやり終えて、12月はじめに私立の過去問1ヵ年だけしたとします。偏差値50ぐらいの高校ではこれで対応できます。しかし、仮に65ぐらいの高校としますと、ふつうの勉強だけしておれば40点くらい、いいところ55点前後とるのが関の山ではないかな? 現実はきびしく案外とれないのです。でも自信を失う必要はさらさらない。ここからでしょう、受験対策が始まるのは。
塾とか業者の学力テストで英語の偏差値65ぐらいあるとしたら、じゅうぶん補えるものです。ただそのやり方を間違えてはいけない。いたずらに連続して過去の4年をしても点数はあまり上がらない。しっかり中身を分析、反省をしなければ! 自分が間違った、できなかったところを吟味して、検討をすることです。仮に上のテストで48点とすると、安易なミスと勘違いの点は10点はある。また問題の解き順を変えたり(直ぐにできるものから手をつけるのは鉄則、長文は後回しなど)、習ったことを十分吐き出せないでいるところが必ずあるもので、それらを低く見積もっても5,6点はある。計15点ほどを足せば、63点ではないか?! この辺の課題を1年目のテストでよく反省しクリアすれば、次に繋がりますね。
それでもなんか目減りして、次の点は56点ぐらいになるかもしれない。しかしこれを繰り返せば、即ちつねに反省し、考え、改善するならば、5ヵ年をやり終えたあとは67,8点には到達しているはずです。また、自分の力を分析し、問題点を見つけ、そしてなにより長文を読みこなす力を磨いていけば、70点を超えることも大いに可能性があるでしょう。力のある生徒なら、80点突破を目指してもらいたい。
次は公立対策です。期間は約1ヶ月。ここはひと言でいうと、ガードを固めること! 私立対策で勉強した力を温存しながら、さらに長文問題に慣れ親しんでいくこと、そして自由英作の問題に訓練を積むこと。過去問をするのはいうに及ばず、如何に1点、1点を大事にとっていくか、逆にいえば1点減のミスをしないことも大切。私立高校とは違い、文法的にはややこしいところはないのだから、英語が得意な生徒は90点以上はとりましょう。
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