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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§328 5科目の成績をみる目について VOL.2
<学力の実相を見誤らない>

 今回のVOL.2でもひき続き、5科目の成績をみる目について、学校の5段階評価の成績表(絶対評価!)をもとに書いてみます。成績表をみて、これが5科目の学力だと素直に推し量ることはできない、と前回書きました。その捉える価値は半分もなく(語弊のある表現ですが)、できるだけ学力の判断の読み違えをしないように一例をもって示しました。今回もできればその目でお読みください。

 5段階評価の成績数値はよくご存知のように、公立入試の調査書点としてその算出方法は学力検査の比重も含め都道府県によってまちまちながら、合否に一定の影響を及ぼすもので、とても大切です。この場合、5科目だけでなく9科目なのですから、そして一般に実技4科目のほうが採点評価(倍率)が高いのですから、そのことも踏まえ、内申点のことを考えておくのは当然かと思います。そんなことは重々わかった上でなおかつ5科目の成績表に過度に依存しない感覚というかその見る目を、より確かにしておくことが必要じゃないかと思うのです。

 さて、成績を見た場合、たとえば英語(5)・数学(5)・国語(5)・理科(4)・社会(5)なんて、もしみたとすると、ああ良いねえ、がんばってるねえとは思うけれど、はっきりしたことはまだわからない、と考えている。はっきりしたこととは、うわべの力ではないほんとうの学力、である。(ただし、直接数ヶ月も教えれば痛いほどはっきりわかるけれど、それは除いて。)

 それに対し、たとえば英語(5)・数学(5)・国語(3)・理科(4)・社会(3)なんて、もしみたとすると、はっきりしたことはすぐわかる。だれの目にもはっきりわかるでしょう。ただ、わかっても、それを深刻に受け止めなかったり、いいや、あとでそのうちになんとかするからと思ったり、中3の受験勉強を本格的に始めたときに弱い科目を一生懸命勉強するからと決め込んだり、あるいは、わかっていてもその改善と努力を怠っているなら、結局なにもわかっていないのと同じレベルに止まっているといえる。

 つまり、いいことはまだはっきりわからないけれど、悪いことははっきり見えていますよ、というのがわたしの意見です。ところが世間には、生徒も親も数・英が5などを取りできているからいいんだとか、国語の出来のよくないのに目を瞑ったり、理科や社会を軽んじていたり、しかしそれでも目標は高く上位の学校を目指していたりと、まったく何を考えているんだかといいたくなる
ことも結構ありますね。

 そんななかで特に、これから中1になる生徒やご父母の方に、また中2や中3になる生徒やご父母の方にもあらためて、5科目の力の有様を見る目で過たないように(とエラそうなことは、あまりいえた義理ではありませんが、そこはなにとぞご勘弁いただくとして)、そして対象全体を漠然と想定して書くと無意味に陥るので、ゆくゆく公立トップ校を強い意志で目指している生徒とご父母の方を対象に、注意点なるところを4つほど書いてみます。個々の科目の具体的対策や実行の問題点などは、いままでのメルマガでもう飽きるほどほど書いていますので、あくまでその指摘に留めます。参考になる視点、学習行動のなかでなんらかのひとつのキッカケになるところがあればさいわいです。

1.国語

 5から4、あるいは4から3へ下がることは多少あっても、3から4、4から5へ上がることはない。と書いたらエライことになるが、まあ他の科目ほど多くないし、上げるに難しい科目が、この国語でしょう。ただ、数・英が5を取れているなら国語の力はある程度あるわけで、またなければ数・英がそれほどできないというか、理解と注意力も弱い傾向にあるから、国語の3ってことはまずないでしょう。

 しかし、塾に通って数・英を5にしてもらっているといえばずいぶん語弊のある言い方であるけれど、本来学ぶって事は、自分で新しい内容をよく咀嚼したり、深く理解したり、ポイントをしっかり押さえたり、そしてよく演習して覚えるべきことは確実に覚えていくのが基本だと思うが、それらのすべてまたは一部を要領よくしかも噛み砕いて教えてもらんだから、つまり、ここにこそ自分の国語力の重要な力を使うべきところを他人に補助してもらっている形になっているんだから、それほど国語の力が大したことがなくともふつう以上であれば、中学においてはそこそこやっていけるんで、そうした生徒もなかにけっこういるってことを知っておきたいと思うんですね。

 つまり、学習することにおいての吸収力はあっても自分で咀嚼する力がない生徒は、ほんとうの意味での自立学習ができていないので、それでも通塾など中学では成績優秀で公立トップ校に進学できたとしても、高校での自立した勉強に欠かせない咀嚼する力、すなわち国語の力が備わっていないと、成績は低迷することになる。ならば国語力があれば、高校の各科目の勉強は大丈夫かといえば決してそうではなく、そんなものは最低持っていて当然でしょう、ということです。

 いまの公立中学生の、学習以前の国語力の有無がよく話題となるなか、絶対評価なる5段階の3が果たして如何ほどの正体であるのか、この論証はしませんが、4や5でもその中身と学力の実態は、ごく一部の生徒を除いて、すこぶる危ういものだと思っている。「そんなものは最低持っていて当然でしょう」という基準を、たとえ5を取っている生徒に当て嵌めてみても、存外達していないといいますか、深みも幅も足りない生徒が多いように感じますので、満足し停滞するのではなく、国語力をもっと上げるあらゆる努力を積んでほしいと思います。

 とかく生徒も親も一般的に数・英にばかり関心が行きますが、国語はだいじょうぶなんでしょうか? 学校の授業や教書だけで国語の勉強が終わっているとしたなら、またそのレベルで国語力が形成されているとしたなら、わたしなどは信じられない気持になりますが、さてそのへん、どうなんでしょうか?

2.社会と理科の3とか4

 数・英が5なのに理科と社会が3とか4である生徒がよくいる。これはふだん数・英ほど勉強に時間をかけていないからとか、興味がないからといった個人的理由とともに、塾で数・英2科目に比重をかけてたっぷり勉強しているからといった理由が挙げられるだろうが、よくない。

 5科目すべてまんべんなくできていて欲しいし、またできるのが中学の内容でしょう。高校に入ったら、こんな贅沢なこと(?)、あつかましいことは言っておれないけれど、中学レベルの5科目は、好きだキライだなんて甘ったれた気持や考えを持たないで、すべて同等にきちんと勉強し、努力をすべきである。

 努力しても時間をかけても撥ね返っされたり壁にぶち当たるのが高校の各教科だと思うけれど、中学の場合、努力に見合った成果がまず得られるわけで、中学で好き嫌いや得手不得手などの感覚と勉強姿勢を持ち込むようでは先が知れているよ、といいたい。

 次の視点は意見が別れるところであろうが、わたしは、少なくとも公立中学の場合、理科と社会が抜群にできている生徒が優秀な生徒であると思っている。そうした生徒は、数学も英語もできているからね。ですから理科と社会への勉強の意識をつねにしっかり抱いて、また時間もじゅうぶん割いて取り組んでもらいたいと望んでいます。

3.数学

 1学期の数学の点数や評価は各学年、概ねいいものです。学習する内容が計算中心の単元であるからです。それが2学期後半や3学期になると、関数や図形問題になるわけですから、平均点は下がってきます。この理由がおかしいでしょう? なぜ関数や図形問題になると、点数が下がってしまうのか。この理由などはすでにメルマガで詳しく書いていますので省きますが、要するに大半の生徒は、関数と図形に対する感覚と思考力が弱く、苦手としているからです。

 まだ教科書レベルの基本段階でこれですから、応用的問題や入試問題になると、評価5をもらっている生徒でもまったく歯が立たないことはざらにあります。中1ではそうした問題にぶつかることはまだまだ少なく、中2の後半部分と中3の後半部分の内容からそれらは出題されるので、このふたつの時期の勉強がとくに大切になります。しかも学校の授業レベルではふつう、基本的な知識とその問題しかしませんから応用的問題や入試問題を解く力はまず身につきませんし、まったく不可能だと書いておきます。それゆえ、その対策の勉強が必要となります。

 こうした目で数学という科目の、中学3ヵ年の評価の背景にあるものを捉えておくことも、そして学習をどのように進めていくかの上でも大事なことかと思われますので、できればご留意なさってください。

4.英語
 
 中1英語の1学期の4や5ほど信用ならないものはない。と書けば、配慮にあまりに欠ける表現だけれども、でもそれくらいの目で見ていてちょうどいいのではないか、とわたしは思っている。たしかにそうした評価で大半の生徒は自信にもなるだろうし、気持もいいだろう。しかし、2学期がまるまる過ぎれば、どういう生徒の現実が待っているか?! その英語の理解の中身と覚えている量をもし知れば、1学期、2学期の英語の成績の判断を、5段階評価でたんに見ているだけではとても危ういことに気づくだろう。

 このことはすでに、経験済みの今度中2に、あるいは中3になる生徒やご父母の方にはわかっているかもしれません。いや、わかって対策を打っている生徒はまだいいのですが、実際まだ自分の英語の力がどのくらいあるのか、その足りなさに気づいていない生徒は、評価5の生徒も含めて恐ろしいほどたくさんいるのが、毎年繰り返される現実の姿といえます。今度新中1になる生徒とそのご父母の方は、成績表ではみえない力の真の所在にくれぐれも用心しつつ英語の勉強を進めてほしいと思っています。これは、新中2生も中3生も同様です。

 英語は簡単になりましたが書くと限が無いので、このへんにしておきます。

 成績表というものは、1科目でも上がっていればうれしいものだし、逆に1でも下がっている科目があれば、なんでだ、一体どこがいけないだ?!と腹が立つものです。それはそれでいいとして、また一方、絶対評価の成績表を違った角度で見たりその価値を捉えておくことも、学力の実相を見誤らないためにはきわめて重要なことかと思いますので、その点で今回の4つの指摘のなか、いずれかひとつでも役だつところがあれば、さいわいに思う次第です。