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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§285 小学から中学へ・・・
<二段階の力の差>

 勉強を進めていくということは、その途中にさまざまなトラブルを抱えたり、出くわしたくないややこしい事態にぶつかったりするものです。

 数あるそんな場面のなかのひとつ、自分で問題集をするときの心構えと注意点について、今回述べてみたいと思います。

 問題集をする場合の「内容」ですがおおまかにいって、学校の授業進度にそって並行的にする勉強が、まずあるかと思います。次に、授業内容より先行した勉強、つまり予習的に使う場合があります。そして三つ目に、習った範囲の内容を総復習する勉強に使う場合があります。

 しかし、まあこれは、学校の授業を基準にした問題集の利用と別け方であり、もし入試が絡むなら、そこで問われる知識や力には、学校の授業内容だけではとても足りないものが私立中学入試を考えてもらえばすぐわかるかと思いますし、また高校入試(公立入試でも、です)でもそれなりに多々あるのが現実です。よって入試問題を攻略する専門の問題集も、上記三つの区別以外にあるといえます。
 
 さらに問題集をするということは「内容」だけではなく、そこに「目的」というものが伴いますから、何のためにやるのか、どうしてやらねばならないのかといった動機も大切なものになり、それが明確に持てる持てないでは結果、大きく違ってくるかと思います。

 ただし、こうしゃちこばって書くと、事実は枉げられることもあり、またすべてのケースを蔽うことに無理がでます。つまり、自分自身の拙い経験に照らしていえば、いちいちこの問題集をやる「目的」はなんだとか、何のためにやるのかとか、そんなこと考えもせず、まるでそのときの気の向くまま気分にまかせるまま出遭いがしらに取り組んだ問題集というものもあるんですね。

 そこには動機もあったのでしょうが、よほどの大きな動機なら別ですが、ふつうそんなものは勉強してゆけばすぐにどこかに消えてしまうもので、また「目的」なるものも、絶えず意識しているわけにはいかないものです。

 あきらかな動機、または明確な目的をもって臨んだ問題集が、結果うまくゆかなかったり、その逆に、単なる出遭いがしらに取り組んだ問題集がけっこううまく馴染んでよかったりと、そのようなこともなかにあるので、目的とか動機とかを固く考え過ぎないでもいいのかな、とも思います。それよりもむしろ、もっともっと大事にすべきなのは、よほど馴染まないのは別にして、やりかけたら最後まで、コツコツと継続してやりぬくことではないでしょうか。

 と、ここで、ひとつの具体例を引いてみます。
 上の内容からの区分、「習った範囲の内容を総復習する勉強に問題集使う場合」の事例として、長野県ご在住の、或るお母様からいただいたメール(ご承諾をいただけて感謝しております。)の内容をできるだけそのまま、下に載せてみます。

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お世話になっております。
早速の発送ありがとうございました。

この「力のある社会 by Toppo問題集」ができたということを先週の木曜日に
知り、6年生の娘にそのことを話しましたら、やってみたいということでした。
普段、娘は市販の問題集を使って勉強をやっていますが、どの程度身に付いて
いるのかさっぱりわかりません。

小学校の社会のテストは100点を取ってきたり、90点以上取ってきたりし
ていますが、小学校のテストでは正直当てになりません。
娘が中学生になるまであと4ヶ月程しかありませんが、このToppo先生の問題
集で小学生で必要な社会の知識を詰め込めるだけ詰め込んで進学してほしいと
思います。

それから、今年の3月に「力のある算数」を送っていただき娘は算数を勉強し
ています。
今、二回目の三分の二が終わりました。
やり始めた頃は、「こんなのやったことない」とか「もう嫌だ」とか、とにか
くめんどくさがってなかなか進みませんでした。私も「がんばれ」と励ました
り、「これくらいできないと中学行って困るよ」と脅かしたりもう大変でした。
娘は算数が好きで、自分でも少しはできると思っていたようですが、それが
Toppo先生のプリントを前にしてなかなか進まないことで自分の力が少しはわ
かったのか、観念したようでした。
二回目ということもありますが、最近は算数のプリントをやるのに何も文句を
言わなくなり、又プリントをやるのが当たり前になったようです。私もガミガ
ミ言う必要がなくなりました。

中学まであと少し、娘(のんびり屋)より私の方が焦っています。
Toppo先生にはこれからもっとお世話になると思いますが、宜しくお願いいた
します。
                              ○○
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 我が問題集の宣伝のようになって恐縮ですが、そこはできたら自分の問題集に置き換えてお読みいただければと思います。小学生(とそのお母様)が問題集を利用して勉強する姿と、そしてそこに起こるトラブル、またはややこしい(?)事態を見事に乗り越えている点で、特に参考になるのでは、と考えた次第です。

 この問題集をすればこうなる、と結果だけをまず先に想像することが多いわけですが、途中で出るのは結果ではなく、あれこれ障害です。結果は最後まで仕上げて出るものでしょう。すんなりなんの問題もなく最後までいく生徒は10人中1人もいればいいところで、あとはそれを如何に乗り越えるか、我慢をし、へばる自分の気持を宥めつつコツコツ進めるか、そこがポイントなんだろうと思います。なかんずく「習った範囲の内容を総復習する勉強に使う」問題集の場合にはね。このことは一般にわかっているようで、実はそんなにわかってないようにも感じます。とにかく一度、最後までやりぬくことです。

 また、もし時間があって二度目をする場合は、一度目では見えなかったところ、よく自分のものにできなかった知識が必ず存在するわけで、そこを埋めていけるようになりますね。そしてなにより、上の生徒の姿にあるように、やり遂げた余裕から生まれた、目に見えぬ自信がついていますから、「文句を言わなくなり、又プリントをやるのが当たり前になった」勉強ができるものと想われます。

 さて、もうひとつ指摘。
「娘は算数が好きで、自分でも少しはできると思っていたようですが、それがToppo先生のプリントを前にしてなかなか進まないことで自分の力が少しはわかったのか、観念したようでした。」

 これは簡単に山の高さで、無理やり(?)喩えてみますね。
 いまの小学校の授業と教科書、そしてそれに準拠した問題集の内容とレベルが、300メールの高さの山とします。ゆとり教育よりもっと前、20数年前は500メートルぐらいありました。それに対し、私立中学受験のレベルはピンからキリまであるわけですから、ここでは最難関は置いておいていわゆる難関、高校では公立トップ高校とほぼ並ぶような私立中学で、800メートルの山となりましょうか。

 「力のある算数」問題集は600メートルの山です。ただしこう書くと誤解を招くのですが、あくまで問題として一番難度が高いところをイメージしていますので、そして基本のなかにももっと拡げておきたい知識や力というものもあり、入試問題の高い山の連続性とは単純に比較できないところはご理解ください。なんだ、その程度か、と思われるかもしれませんし、学校の授業レベルの2倍もの高さがあるのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただこの程度の高さの山はしっかり押さえて登れるようにしておかないと、公立トップ高校に通じる800メートルの山にまず登れないといえるでしょうか。その基盤を、しっかり整える問題集です。(余談ながら、「算数の図形教室」問題集は、700メートル(〜800メートル)ぐらいの高さになります。)

 自分の力相当なものをやっても、それ以上の力はまずつきません。一段上の問題に揉まれ、思考し、解けるようになり、そして慣れてふつうの感覚になれば、それは最早自分のものになったということでしょう。この女の子には、それがしっかりついた、と予測できるのです。

 現実は、自分の力相等なものをやったとしても、その力が相等なものに達しておらず、あるいは目減りしていてワンランク下の学力しか伴っていない生徒があまりにも多い、ということを指摘させていただいておきます。自分の力が少しはわかった生徒と見誤っている生徒のあいだには、二段階の力の差がついてしまいますね。