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 中学生の学習のしかた by Toppo
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§11英語について思うこと VOL.3 new

 中1生の英語の勉強のしかたがメインテーマですが、特に前半の内容は、中2・3生についても重要なことに触れています。そのつもりでお読みください。

◎中1英語の勉強のしかた

【英語学習の基本】
 1.「頭の目」を開けて読むこと!
 2.声を出して読むこと、即ち耳を刺激すること!
 3.手で覚えること!
 4.基本構文を暗記すること!
 5.ノートを活用すること!
 6.復習して、自分の頭で考えること!

 VOL.2で書いたことをもう一度載せました。5はまだ中1生には難しいかもしれませんが、その他の項目はすべて当て嵌まります。再度確認して自分のまだ足りていない学習、気づいていない勉強方法があれば採り入れてみてください。

 前回(VOL.2)
――新しい文法に気をとられ、今までに習った基本の文法が疎かになってしまう。しっかり確実に載せていくことができないんです。基本の実力とは、このことを指しています。「前に習った基本に新しいことを載せていけばいい」だけです。――
 と述べました。これは、上記の学習がしっかりできていれば、まずあり得ないことなのです。

 しかし現実は、私の目が行き届いている公立中学生の場合、どれかの項目が不足している。いい加減な勉強では、いい加減な成績しかとれないのは当たり前です。成績を上げるためには、また実力をつけるためには、すぐに他者に頼らず、即ち、いい先生、いい塾、いい家庭教師にまかす前に(なかなかいませんよね、また見つけ難い)、これはという教材、問題集をもとに、まず自分自身が正しい勉強方法をきちんと身につけ、そして実行、継続することが一番大切であり、基本であると思います。

 まあそうは言ってもそれができないから、塾とか家庭教師に託しヘッジしたりするわけで、生徒の学力もさまざま、その目的も大雑把にいってレベルアップから補習まで、いろいろあるのが現状です。しかし、目先の問題を乗り越えることも大事ですが、目標が高校ならいざ知らず、もし大学にあるのなら、少なくとも中学生のあいだに正しい勉強の仕方とコツを会得すべしなのです。

 何故なら、高校入試までは他人の力を借りてでも或る程度、学習はカバーできるでしょうが、高校の勉強はそうはいかないからです。本人の力が95%を占めるのではないでしょうか?! 他人の、つまり、学校、先生、塾、予備校、家庭教師等が、本人の勉強に影響を及ぼせるのはたかだか5%ぐらいではないかと、究極的な意見ですがそう思います。

 例を引くとですね、ちょっと高いレベルで申し上げますが、次のようなことです。灘や開成など中高一貫教育の一部の私立超トップ高は例外として、その地区の公立トップ高の話です。まあクラスで一人がやっと行けるかいけないかの公立高校があるとします。バクッといいますと、3,4割は国公立の大学に進学、じゃ残りはすべて一流の私立大学に進んでるかといえば、そうではない。3,4割は合格してるわけですが、残り2,3割はえっ?という大学に進んでますね。

 なぜこういうことが起こるのか? 原因は様々でしょうがそのひとつに、上で書いた「中学生の間に正しい勉強の仕方とコツを会得していなかった」、多少頭がいいものだから、塾等の勉強をするだけで高校に受かってしまったというケースです。自分では何も考えず、与えられたものをすいすいとこなしただけ。集団のボートに乗って自分の櫓を漕いだだけ。自ら小さなボートを操って櫓を漕いでいないのです。少なくともその漕ぎ方を体で習得すればよかったのに。

 つまり、正しい勉強のしかた、術、コツを自分のものとして、高校で活かせなかった。そして活かす努力も、改善も、工夫も、実行もしなかったのではないでしょうか。これではたとえ塾に行っても成績は振るわないでしょう、5%の影響力しかないんですから。(しかし、成績上位者にとってはその5%はプラスαがありますね)

 かなり優秀な生徒でもこういう事態を招くわけですから、どうか中学の間に基本的な学習を、地に足が着いた英語の勉強のしかたを学び、実行してください。それもできるだけ早い中1のうちに。

 では、中2、3となると遅いのか? 遅い、が答えです。なぜなら、すでにぼこぼこ基本の穴があいてますから。目先の新しい文法がたとえわかっても、もっと易しいところで間違いますから。穴を塞がねば、そこから抜けてしまう。

 では気がつけば、どうすればいいのか? 「本当に」気がつけば、遅いことはありません。最初に書いた5つを地道にこなしていけば、じゅうぶん間に合います。なにも難しいことではない、特殊な勉強方法を書いてるわけではないのですから。要はやるかどうかでしょう。自分の足で歩く心構えが最低必要ですね。

 ここで中1の英語学習の進め方を述べます。既にあらかた重要なことはNO.1NO.2で述べてあります。<ご参照ください>

 角度を変えて書いてみます。よくある問題点から、その原因と対処のしかたを述べてみたい。

●問題点1→単語が正確に書けない!

 ローマ字的に書いたりすることが多いですね。英語の感覚に慣れていない。「手で覚えること!」の学習の基本が、まったくできていないわけです。見ているだけでは頭に入らない、覚えているつもりはやめましょう。ノート等にどんどん書いて、練習することです。5回ぐらいで記憶できるスペルもあれば、30回ぐらい書かねば入らないのもあります。後は反復です。そして無意識にすらすらかけるようになれば覚えたということです。それを1年ぐらい続ければ、大体わかってきます。注意する箇所や覚え方のコツみたいのが。そこまで来ればあとは、比較的楽に覚えられるようになります。つまり、中1の1年間かかるということ。

 この地道な勉強と継続する気持ちがなくて、英語ができるようになりますか?! 

 新しいレッスンに出てくる単語はすべて覚えること! 書いて書いて、手で覚えること。熟語も同様です。あと単語に必要なのは、発音とアクセント。慣れてくれば、そちらも意識して同時に暗記してゆくように。

●問題点2→英作文が間違う! 

 この例で多いのが、自分で英作を書こうとしている生徒ですね。何も入っていない頭から英作ができるはずがない。テストでは習った範囲から出題される。それも覚えていてほしい重要表現、代表的な英文がほとんど。

 つまり、レールになる英文です。線と面でいえば、中学の英作は線、面の上に走ってるレールです。(高校は面になります。レールから一歩外れると実はとても難しい!) ということは、レールの英文、「基本構文を暗記する
 こと!」を、徹底して行うことです。そして忘れないように、徐々に溜めて
 いくことです。

<具体例>「あなたの家族の中で、誰が早く起きますか」「母です」
 Who gets up in your family ? →Mother does .《暗記構文》
 テストでは仮に、「メアリーの家族では誰が早く寝ますか」「トムです」と、変わるだけでしょう。
 Who goes to bed in Mary's family ? →Tom does .

 暗記してる英文の中の、一部が変わるだけすね。つまり、土台になる英文を確実に頭の中に入れ、自由自在に出すこと!

●問題点3→文法ミスをどうしてもしてしまう!

 「わかっているのに単純なミスをする」 もしこう考えているのならば、それは認識不足! 単純なミス、ケアレスミスというものは、なんのことはない、君の負の実力。それ以上でもないし、それ以下でもない。結局しっかりわかっていないからミスをするのであって、注意力もないのである。

 ではミスを極力なくし、注意力をつけるには? そんな薬はどこにも売っていない! 日々の勉強の中で目を光らせること。即ち、「「頭の目」を開けて読むこと!」と「声を出して読むこと」の、このふたつが大切です。

 ふだんの学習の中で、見てるようで見ていない、見えてるようで見えていない!のが、その実態ではないか? ほんとうに問題と英文が見えていれば、先生の指摘以前に、重要な箇所、注意するところ、また何度も確認すべきポイントなどは、自分でわかるはずなのだ! わかっていないから、テストで間違うのである。

 じゃあ、どうすれば見えるようになるの? それは簡単! ただ一つの視点でよい、「いま目にしてる英文が書けるか?」という視点だ。和訳にしろ、適語補充にしろ、書き換えにしろ、英作にしろ、絶えず全文が英作できるか?という疑問を持つことだ。その目で見れば、主語は気になるし、時制は見るし、前置詞は押さえねばならないし、文法事項はすべて考えねばならないことになる。
 
 とても頭の中は忙しいのである。ぼんやり見てる暇はないよ。そしてそのバックアップは音読なんだね。耳からも刺激して、頭に記憶するように。
 
●問題点4→前に習ったことを忘れる!

 これはほんとに多い! あきれるほど生徒は、忘れる。その種類は文法の基礎事項から単語、イディオム、構文、などさまざま。教える側は何度も反復するわけだけど、やはり二度忘れたら三度目は自分で責任もって覚えてもらいたいものだ。(現実はもっと多く反復してるが) 

 他人任せでなく、習ったことは宿題だけに済まさず、自分でもう一度「復習して、自分の頭で考えること!」。これができれば、忘れる量はぐーんと減るのである。