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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§10 英語について思うこと VOL.2 new
<英語学習の基本って、何だ?!>

 VOL.1では、英語学習の土台の国語力について述べました。今回は中学英語の学習の仕方全般(中1・2・3)について、またその具体的問題点について書きます。ほんの少しでも参考になればor役に立てば、嬉しく存じます。

 教えていて<目に見える>生徒の最大のウィークポイント(?)は何かといえば、「前に習ったことを忘れる!」ということです。これは何も英語に限ったことではありませんが、数学や理科、社会の単元ごとの学習と明らかに違う点は、「横」ではなく「縦」に積み重ねる科目ということです。

 大まかに言って、数学の「関数」が苦手とか、社会の「日本地理」が今ひとつわかっていないとか、理科の「星」がさっぱり分からないとか、いうのならば、その箇所に戻りもう一度復習してしっかり勉強し直せばよい。もし他の単元が分かってるのならば、その横に連なる単元の弱い部分をピックアップして補強すれば、まあいいわけです。

 それに対し、英語はそういうわけにはいかない! 確かに英語も、「現在形」「現在進行形」「過去形」「未来形」とか、「不定詞」「助動詞」「関係代名詞」「It…to〜構文」など様々な文法を中1、2,3と習っていくわけですが、前に習ったことに新しい文法を載せていくわけで、例えば過去形を習ったから現在形を忘れても仕方がないということにはならない。現在形がどうも苦手、という声は聞かない。

 しかし現実、たとえば今度のテストの範囲は過去形の文法としますと、生徒の答案は過去形のところはまあ出来てる。では間違いは? 現在形です! 現在形の部分が間違ってる場合が多い。具体的に書きますね。

 「彼は昨夜1時間、自分の部屋で勉強した。」<英作せよ。>
 He studied in his room for an hour last night .
 これは出来たとします。次です。
 「由美の母さんはメアリーと買い物に行きます。」<英作せよ。>
 Yumi's mother go shopping with Mary .(×)
 Yumi's mother goes shopping with Mary .(○)

 そうですね、3単現のs(es)のつけ忘れ! 多いんです、信じられないくらい。また例えば中1ではsomeとanyを習いますね。まず基本はsomeは肯定文、anyは否定文と疑問文で使う、と教えます。4,5問の演習では理解も暗記も出来ないから(本来は自分でしっかり覚えにゃ)、そこら辺の問題集の3、4倍訓練します。次の単元、文法に入っても、意識的に出題します。間違う生徒が出ます、訂正します。しかし、たまたま反復期間が2ヶ月も空いたとすると、かなり英語が出来る生徒でもうっかりミスをする。

 新しく習ってる文法が現在進行形としましょう。問題は次の通りです。
 Alice is making some cakes for us .<疑問文にせよ。>
 Is Alice making some cakes for us ? と、平気で書く。

 これが次の形式なら更に目も当てられません。
 Alice makes some cakes for us .《現在進行形の疑問文にせよ。》
 Is Alice making some cakes for us ? と、書けばまだいいほうです。他に
もっとひどい間違いが様々出ますから。

 疑問文だから、some でなくて any でしょう。しかし半数の生徒は確実に間違う。下の問題の方は90%ぐらいの生徒が何らかの間違いをします。
 つまり新しい文法に気を取られて、今までに習った当たり前の基本の文法が疎かになってしまう。しっかり確実に載せていくことが出来ないんです。基本の実力とは、このことを指しています。「前に習った基本に新しいことを載せていけばいい」だけです。 
 英語の場合、人から言われて「ああ、なるほど」とか「ああ、そうだった」というのは、わかっていないのに等しい。「わかっているのについミスをする」とよく耳にする言葉ですが、人間のことですからミス、失敗、間違いはつきものです。しかし、それを減らさねばならない。最小限に減らす努力、反省をしなければならない、と思います。わかることと、出来ることは違うんだから。

 もしミスをすれば、その間違いから学ばねばならない、失敗から学習せねば・・・ 今度は”同じ”ミスをしないように、と深く頭に刻み込むことです。けれども現実の生徒の学習の姿は、その間違ったところで立ち止まらない!直ぐに次へ進もうとするんです。1秒もありません、今度は間違えないように気をつけよう、という顔がない、表情をしていないんですね。つまり、立ち止まって「学習」していない。これでは何度もミスを繰り返します。そのつど、こ
らが訂正、指導する、まったく疲れます。ですから直ぐに次へ進もうとする生徒は、立ち止まらせます、「考えろ」と。

 上に書いた内容は、「縦」の積み重ねの学習のある局面について述べましたが、その本質は部分でもあり、全体にも通じます。

 では英語学習の基本、その進め方はどうしていくべきか? 中1、2,3年の全体についていえることを書きます。(各学年のより具体的な英語学習とその問題点、対策は、VOL.3〜5で展開します) 
 <ヒアリングについては、省きます>

 【英語学習の基本】
 1.「頭の目」を開けて読むこと!
 2.声を出して読むこと、即ち耳を刺激すること!
 3.手で覚えること!
 4.基本構文を暗記すること!
 5.ノートを活用すること!
 6.復習して、自分の頭で考えること!


★1.「頭の目」を開けて読むこと!
  
 勉強してるとき、顔についてる目は開けてますが、頭の目もはっきり開けて
英文を見ることです。実は見てるようで見ていない、見えてるようで見えてな
いことが、意外と多いのです。その見ていない、見えていないところがミスを
するのであり、英作ともなると、はてどうだったかなと考えてしまうところな
のである。ふだんから「頭の目」をしっかり使って、英文を見る習慣をつける
ことです。

 具体的にいうと、考える視点はひとつ。教科書や問題集やプリントの英文が
すべて、自分にとって間違いなしに英作できるかどうか?!を考えて、見るこ
とです。その目で見れば、ぼーっと英文を見てる暇はない。主語はどれ、時制
は何? 文の形は何? 熟語はこれか、この場合、名詞は複数か、前置詞の確
認等など。目を光らせて、即ち「頭の目」を開けて読んだり見たりしなければ
ならないことになる。

 最初は大変そうだけど、なんでも同じで慣れれば別にたいしたことではない。
この目は誰からも与えられません。自分で身につけることです。

★2.声を出して読むこと、即ち耳を刺激すること!
  
 誰もふだんの勉強のなかで、数学を声出して読むものはいません。しかし、
英語は語学である。語学の勉強方法の一つは昔から音読です。耳からも入れる
のである。リスニングのときだけそうするものではない。中1はまだしも、中2、
中3になるにつれ、静かな勉強になるのはどうしたことか? 学校でも家でも、
また塾でも、声を出して読む機会が減る。これはおかしな事だ。

 目から入る頭の勉強に重点が置かれていまい、耳から入る勉強が不足してる。
即ち、耳を通して脳を刺激していないんですね。この直接目に見えない勉強
(音読)が実はとても大切なんです。

 このことは、例えば次のことと似ている。運動部でいいますと、ランニング
ですね。好きな人はあまりいないと思うけれど、テニス部でも野球部でもどん
なクラブでもいいんだけど、必ずしんどいランニングをしますね。下半身を鍛
えるため。いきなり試合をしても、足腰が弱いとすぐへばるし、またうまくな
れない。英語学習も同じでしょう。音読はランニングです。音読をして、足腰
を鍛えるべしです。(これは上のことでいえば、つねに海馬を刺激して重要な
情報なんだ、だからすぐに消さないでくれ、と訴えている状態かな)

 英語ができないまたは苦手な生徒、あるいは学校の英語成績はまあまあでも
実力がいまひとつ伴っていない生徒に英文を読ませますと、ほぼ決まってすら
すら読むことができません。どこかぎこちなく、また英単語を一つ一つ区切っ
て読んだり、切ってはいけないところで切って読んだりします。ふだん音読し
ていないことがありありとわかります。それに比例して、英語の実力がありま
せん。

「読書百遍、意自ずから通ず」といいますように、そこまでいかなくても、何
遍も読んでるうちに、英文が次第に「見えて」きますし、大事な部分も徐々に
自分でわかってくるものです。ミスしていけないポイントや注意する文法など
も自分で考えられるようになります。こうした上に、文法演習をじゅうぶんこ
なしていけば、知識は強固になりますね。

 では、何を使って音読すればよいのか? それはもちろん教科書ですね。自
分の学んでるリーダー(ニュー・クラウン、ニュー・ホライズンなど)を、学
校の授業の進度に合わせてLessonごと読み進めていく。例えば30回くらい読む
と決めて、一日5回(10分程度)、毎日読んで6日で終了。読み足らねばさらに
読めばいいし、読みたくなければ読まないでよい。自分でとにかくノルマを決
めて、実行する。ただし、すぐに効果が出るものではない。個人差がある。ま
あ3ヶ月くらいはかかるかもしれない。次第に英文を考えずとも口から出るよ
うになれば、本物です。あとは継続です。
 
★3.手で覚えること!

「手で覚える」ということの意味するところは。

 まず一つは、間違った問題はノートに各3〜5回、繰り返して覚えるというこ
と。更に赤鉛筆などで間違いの部分をチェックして、しっかり記憶に焼きつく
よう念押しをする。

 二つ目は、テストや問題演習の解答チェックの際、答えの○×や単なる直し
だけの浅い勉強ではなく、常に赤ペンを持って大事なところ、注意する箇所を
マークして覚えるということ。

 三つ目は少し意味が違いますが、その場その場の表面的な暗記ではなく、習
ったことは決して忘れない深い覚え方をするということ。即ち、目だけで覚え
るのではなく、体の中まで入れ込んでしまう、という意味です。

「あなたに会えるのを楽しみにしています」<中2レベル>
 I'm looking forward to seeing you. 間違うのはseeing のところですね。
体の芯まで入っていれば、see になるはずがありません。いちいち考えずとも
すらすら書けるところまで覚えてしまう! つまり「手で覚える」ことを学習
の基本とすべし、です。

★4.基本構文を暗記すること!

 これも英語学習の基本中の基本ですね。
  
 たとえば中1でしたら、
 How do you go to the station ? (あなたはどうやって駅へ行きますか)
 I go there by bus. (バスでいきます)

 たとえば中2でしたら、
 She runs faster than any other girl in her class.
 (彼女はクラスのほかのどんな女の子よりも速く走ります)

 たとえば中3でしたら、
 This tea is so hot that I can't drink it.
  =This tea is too hot for me to drink.
 (このお茶はとても熱いので私は飲めません)

 ランダムにただ思いつくまま書いたのですが、実際の生徒は、もし上の日本
文を英作せよと出題されれば、その場で考えて(?)て書きます。なぜ考える
のでしょう? それは基本構文、重要な英文を覚えていないからです。

 中1の文で見ますと、その間違いの一つ。
 I go to there by bus. と書きます。there に変えれば to は要らない。
基本をきっちり覚えておらず、その場で考えるから間違えるのです。

 中2の文では、習った当初はだいぶ書けますが、2カ月後にテストしたとしま
す。まったく書けない生徒が3割、書いてもさまざまなミスをする生徒が6割ぐ
らいいるかと思います。残り1割くらいの生徒が書けるかどうかです。(つまり
正答率は10%前後)

 たとえば、暗記した文例が、
 Lake Biwa is larger than any other river in Japan.
 なら、その英文をもとにして書けばいい。原因は土台になる基本構文を、そ
もそもまったく暗記していないか、忘れてしまったかです。

 中3の文は比較的書きやすい、入試にもよく出る書き換え問題です。しかし、
ほんとにわかってるのかな?という視点で問題を作ると、it の有無で相当の生
徒がミスをおかします。

 教科書、問題集、その他プリントなどで繰り返し出てくる文は最低暗記して
いくのが、英語学習の基本です! 

★5.ノートを活用すること!

 やはり勉強はノートではないかな。いくらすばらしい先生についても、価値
の高い問題集や参考書を利用しても、学んで吸収するのは自分自身。たくさん
問題演習するのも一つの大切な勉強のしかたであるけれども、その中で何を理
解したのか、何を暗記するのか、覚えるのかを追及するために、自分オリジナ
ルのノートを用意したい。

 それは、学校や塾での先生の説明を写したノート、間違い練習のノートとい
った受身的なものではなく、積極的、能動的な「まとめのノート」である。結
局は自分の頭に入ってることしかできてない、と生徒の姿を見て、つくづく思
う。ひらめきや直感は、何もないところから生まれるのではなく、頭に蓄積さ
れた知識、情報、また体験から出てくるものである。(これは特に、数学につ
いていることだが)

 そこまでゆかなくても、自分の目、頭で考え、ノートにまとめたことは、そ
う簡単に忘れるものではない。もし忘れたとしてもノートの記憶の作業を辿れ
ば、すぐに想い出すことができる。それに反して、人から言われた大切なこと
はいとも簡単に忘れる。たとえ多めに問題を解いても同じ。自分のものに本当
にはなっていないことが多いから。

 学力テスト(模試)の偏差値でいうと、公立中学の場合、習ったことの基本
(難しい応用ではない)を80%覚えていて、その90%ができれば、偏差値で上
限65くらいにはいく、と経験則では申し上げられる。ただし、これは中3の1学
期の段階まで。中1・2年の英語、数学、国語、理科、社会の5教科、2年間の集
積であり、全分野について。

 定期テストの狭い範囲ではなくその集合であるわけだから、習った基本のど
れだけが確実に覚えているかが実力の根底になければならない。その根底を着
実に埋めていく、積み重ねていくのには、「まとめノート」の勉強が有効とな
る。 
 
★6.復習して、自分の頭で考えること!

 これは<5>の言い換えでもある。そこで一つ追加するにとどめます。

 英語も数学と同様、授業の説明を聞いて「わかった」ことと「できる」こと
とは違う!ということを、はっきり知ること、また自覚することが、大事であ
る。つまり、このことを認識していれば必然的に「復習をしなければいけない」
という勉強の基本につねに至ります。

 ところが、現実の生徒を見ていると、その大部分が実はどうもわかっていな
いなあと感じること、しばしばであります。もちろんその場合、復習の大切さ
とそのしかたを質問したり、例をあげて説明したりさまざま試みるのですが、
それでも本当にはわかって実践していないな、と感じることが往々にしてあり
ます。

 なぜこんなわかりきった当たり前のことを、わざわざ書かざる得ないのか? 

 それは「わかった」から「できる」へと復習して自分のものにしている生徒
が、あまりにも少ないからです。宿題が復習と思ってる生徒もずいぶんいます
ね。自分の頭で考えたこと、整理し直したことが、ほんとうの復習でしょう。
「わかった」ことを再度確認、「いまひとつわからないこと」を「わかるよう
にする」こと、そしてそれらすべて自分で「できるようにする」ことが、正し
い復習の姿でしょう。

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<補足>
※この1から6のうち、2の「声を出して読むこと、即ち耳を刺激すること!」
はできませんが、ほか5つの英語学習の基本をしっかり想定して作ってあるの
が、「中1・2・3(通年用)英語問題集」です。ぜひ利用してみてください。


 
 次回、VOL.3では中1の英語の取り組み方を書きます。