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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§261 答案の書き方について<改訂>
<外側に見える部分>

 わたしは字がへたである。これはもう直らないとあきらめている。ペン習
字などをやっていくらかでも少し見映えのする、そして人にもいい印象をもっ
てもらえるよう(これは俗に、賢そうにみえるという単純な意味で)ちょっと
は足掻いてみればいいんだが、どうにもその気が起こらない。努力する気がて
んで湧いてこない。いまさらかしこくも、かしこそうにもなれないと、ほとん
ど醒めてひらき直っているからか。自分のことながら、まったくタチが悪い。

 それゆえ、パソコンでこうやって字が書けるのは、情けなくもとてもありが
たいことである。しかし、さわいいながら、一方では、なにかしらひけ目を感
じている。

 たとえば夏目漱石は二千通以上の手紙を残したそうです。わずか27歳で夭折
した石川啄木もなんと五百通もの手紙が現存しているというし、いまではすこ
しマニアックになってしまうのだろうか、正岡子規の弟子で『アララギ』の中
心人物、そして小説『土』を書いた長塚節もすごい。かれの手紙を読んだら、
うーんと深く唸ってしまうほど美しく、格調がたかい。まったく明治の人は、
なんて凄まじい量と高い質の手紙を書いたんだろうかと、ただただ畏れ入るば
かりであります。

 現在の人間の視力は、太古の時代から較べて大幅に落ちている。こうしてパ
ソコンで字を打ったり、携帯電話で短文ばかり書いているようでは、今後ます
ます、まともな文章が書ける人は減っていくであろう。エントロピーの法則で
もないが、進歩すれば必ずその反面、負の現象と遺産も増えていくものであろ
う。

 なにやら頭のほうがカタイほうにいっちゃって、このままでは今回のテーマ
「答案の書き方」になかなか結びついていかないので、ここらで本題に。

 まあいいたい趣旨は、字がへたでもね、それなりにしっかりていねいに書け
よ、ということなんですが。

 テストの答案を見ると、とんでもなくひどい字を書いている生徒がいます。
まったくなげやりなもの、あるいは答案になんでもいいから適当に埋めている
のか、と疑いたくなる書き方、その気分などが字にもろに現れていて、乱暴に
書きなぐった字や数式に出遭うと、採点するこちらの気分もなにやら暗くいや
なものになって、修正や助言をていねいに書きこむ気など起こらなくなること
がある。これは採点者の心象がとてもわるくなるから、絶対にやめたほうがい
い。

 また数学などで、途中の式をまったく書かなかったり、書き間違えたところ
を消しゴムを使わずそのまま上から塗りつぶしてたり、消し方が不十分なため
あらたな字と交じり合って読むのに紛らわしくなったりと、こういうのもとき
に減点の対象となる場合が出てくるので、よくない。

 英語もあります。たとえばブロック体のhとn、rとvなど、乱暴にあらく書け
ばどうしても似てしまうのだけど(また現実、似て書いている生徒が多い)、
基本どおりていねいに書かなきゃ区別が難しいものには、とくに注意して書か
ないといけないでしょう。というか、習ったはじめにきちんと書く癖がついて
おれば、あるいはつけておれば、注意なんか必要ないことです。

 さらに、小さすぎる字、うす過ぎる字もよくはありません。それは、採点す
る側が非常に読みづらいからですね。これも含め上記の事例に措いて、答案は
他人が見るものであるという、この物理的単純な事実、そして他人に自分の書
いたものをできるかぎり正しく読んでもらうという意識、これらはすくなくと
も中学生ならば、もうじゅうぶんわかっていて持っていなければならないでし
ょう。

 ところが、わかっていない生徒がいる。意外と多くいる。小学校のあいだに
適切に指導されてこなかったのか、さらにひどければ中学生になっても学校や
塾で注意、指導され、直してこなかったのか、最終の高校入試の段階になって
もなお、高校側の先生の答案の書き方の注意事項のなかでまだ指摘されている
んだから、いい加減甘えた独りよがりな答案の書き方だけは、気づいたらすぐ
にもやめるべきだ、とつよく助言したい。

 これは字が上手い、下手とはまったく関係ない。テストでは、それがいかな
るテストであろうと採点者に読みやすくていねいな字を心こめて書けばいいだ
けのことである。公立・私立を問わず高校受験では、同じくらいの得点力を持
った受験生が、同じくらいのレベルの高校を受験するのだから、1点でも2点で
も多く、または点数を減らさないように答案を書くことが大切なのはいうまで
もないことでしょう。

 こうした基本的なことは、基本的であるがゆえなおの事、急にあらためるこ
とが難しいのである。それゆえ、もしこれに該当する生徒は、ふだんの勉強の
なかで絶えず注意して直していくべきであろう。平常は多少字が乱雑になるの
はしかたがないとしても、せめて定期テストのレベルでは、意識して「よそゆ
きの字」を書く感覚を身につけることが望まれます。