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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§398 公立トップ高を志望するなら VOL.1
<内申:学力検査=3:7>

 公立高校の入試合否判定のシステムが、近年ずいぶん変わってきました。かつては、合否の半分以上は内申で決まる、といわれてきました。それで救われた生徒もいるだろうけれど、反対に泣かされた生徒もずいぶんいたものです。

 とりわけ、「できる生徒」にとっては、学校のテストでどれだけいい点をとっても、また実力が相当あるにもかかわらず、内申の評価が低くそれがため志望する公立トップ高受験ではそのハンデイをはね返せず、泣く泣く併願の私立に進んだ生徒も、ある一定の割合でいました。

 わたしの経験でいえば、さいわい塾生については公立トップ高校の受験生ではそういうことはありませんでしたが、準トップ高(または上位進学校)では数例出ました。いや、これは正確ではない。わが娘、息子も、ただという理由(授業料がかからない)で、大手の進学塾ではなく自分の塾で教えたのですが、娘のほうは無事公立トップ高校に進学したものの、息子のほうは、この内申の敷居に躓いたというか姉と同じトップ高に、みごと落っこちました。まことに痛恨の極み、まさかの事態でした。

 金はかかるわ、通学時間は3倍かかるわ、学習環境も都会の喧騒のなか生徒数も多く狭い校舎にぎゅうぎゅう詰めのような感じで、世間の評価とはだいぶ違いほとんど魅力のない私立進学校で、3年間過ごしたわけです。でもいい友達にも恵まれ、本人的にはそれなりにとくに痛痒も感ぜず過ごせたのはなによりでしたが。どちらも国立大学に進み、とくに弟のほうはまぐれとしか言いようはありませんが京都大学に入りました。

 まあなんでこうした個人的なことを、ともすると自慢気に聞こえ鼻持ちならないことを書いたかと申せば(はるか以前、これにまつわる内容を書いたことがありますので、一度はいいにしても、ニ度もくり返すのにはかなり苦痛を感じている次第で)、公立の高校入試における内申の重さとその重要性に触れておきたいがためです。

 そしてじゅうぶんご承知の方もいらっしゃるでしょうが、これとは真逆の、ここ最近の入試システムの改革の動きのなかで従来当たり前のように思えたことが、全国的にはまだ一部にしてもガラガラッと崩れてまったく通じない、実力本位の入試が公立トップ高校に復活したことを、情報としてしっかり押さえておいてほしいからです。

 さらにいえば、これから先、公立トップ高校を目指している生徒およびお父母の皆様にとって、実力本位の入試ではいったい何が求めらているのか、どんな力が大切なのか、そのためにはふだんどういうことを心がけておくのがよいのか、そのあたりをもう一度確認、あるいは考えて実践しておいてもらうひとつの材料になればと思うからです。

 さて、評定の記載方法は、大阪府では中3だけの成績に基づき「10段階の相対評価」を採っています。これは各都道府県が5段階の絶対評価を採っているの対し、非常に珍しいケースかと思います。<注:大阪府も5段階絶対評価に近年なりました> 息子が受験した時は、いまも教科により異なる倍率で計算する方式が多いようですがそれでも最終、調査書と学力検査の比重を同等にみなすのではなく、実技4教科の倍率が主要5教科より高いのがそのまま反映されるため、全体に占める内申比率が55%にもなりました。

 つまり、内申:学力検査=5.5:4.5で、これは当時どの高校も一律同じでしたから、いくら入試でまずまず高得点をとっても内申点が悪ければ、公立トップ高では挽回できないところがありました。絶対評価ならもうすこし違った結果になるとは想われますがなにぶん相対評価、実技4科目の評価が極度に悪いというわけでもありませんでしたが、他の受験生の信じられない(?)見事にいい評価(オール10とか、悪くても9とか)に較べたら大きく差をつけられていたことは事実でありました。結局は本人の能力が及ばなかったにすぎませんが、内申の怖さをそのとき、さらにふかく痛感した次第です。

 しかし、こうした個人的な経験は横におくとして、首都圏を中心に私立に押されぱなしの公立進学高校の長年の凋落にも、ここ近年ようやく歯止めがかかってきました。きわどい言い方になり、そしてある一面をみただけの現実的な表現になってしまいますが、学力優秀な生徒のパイは限られています。私立有名大学の小学校併設のラッシュはいうまでもなく、私立中堅高校の特待制度や公立の推薦入試もそうでしょう。そのほかにもパイの食いあい、囲い込みはい
ろいろとなされています。

 たんに学力が優秀ではあればいいわけでは決してありませんが、それにしても従来の内申に非常な重きをおいた入試制度では、中学側が成績優秀とみなす生徒と公立トップ高校側が求める生徒にはだいぶ誤差と歪があった。これを平易にいえば、ほんとうに実力のある、または高校で伸びる素質のある生徒と、そうではない生徒が入り混じって、公立トップ高校側では思い描くような大学進学実績がとれなくなったということですね。

 自ら公立高校の入試制度の改悪と崩壊を招いておいて、その愚をようやく悟りいまさら入試改革なんて言葉を用いるのはまことにもって笑止千万、どうかと思うが、それでもすこしずつまともな感覚になったきたのだろう。学区を撤廃したり、内申と学力検査の比率が、6:4,5:5,4:6のいずれかを高校側が採れるようになったり(注:これはまだすべての県に当てはまるわけではありませんね)、ここ大阪でも上位校は、以前の内申:学力検査=5.5:4.5から4:6にと、実力重視の評価方法に大きく変わりました。

 これを実際点数にするとさらに明瞭にわかるのですが、細かくなるので省くとして、さらに来年度から、進学指導特色校という名のもと公立トップ高校および上位進学校の一部に、特進クラス的な意味合いの文理学科が設置されることになりました。学力検査360点満点(英数国3科と小論文)と調査書165点満点(内申)の合計に基づいて合格者を選抜する制度です。この比率は、内申:学力検査=3:7になる、ということで、さらに一歩ふみこんだ実力重視型の入試制度に変わることを意味しています。これでは内申点が低く、2,30点のハンディがあったとしても、ほんとに力のある生徒ならじゅうぶんはね返せて合格できるわけで、高校側も従来いたずらに獲りこぼしていた優秀な生徒を確保できることになります。

 しかし、この大阪府の公立高校入試改革の取り組み方の本気さも、東京都の公立高校の大胆な入試改革制度にはまだ及ばないなと感じています。

 学区撤廃での自由競争化による、各高校のあらゆる校内改革とその特色化が進んだのはもちろん、都立上位進学校の入試では、まさに実力よって決まる色合いがとても鮮明になってきました。

 内申比率が大きく下がり、多くの都立進学校が内申:学力検査=3:7になったこと(大阪府ではトップ高のなかの文理科コースのみ。ふつうは4:6)。また、都立上位校ではご存じのように自校作成問題(英・数・国)を実施。日比谷、西、国立などの都立トップ校の入試問題の難易度は、とても高い。つまり平均点は低くなり、とくに3教科では質の高い実力があるかどうか、それで差がつく。得点差がはっきり出る。内申は大切だが、それでは絶対測れないもっと上の学力をみている。

 しかしここまでなら、ああそうかとすこし身構えて納得するくらい。ほかの府県でもけっこう難レベルの問題がありますからね。そうではなく、もうひとつあるんですね。それは特別選考枠の存在。合格定員人数の10%、しかし実際はその倍以上(20%以上の水増し合格)を、「内申をまったく考慮せず」入試得点の高い順に合格とする枠を設けている。これは、都立トップ(および上位)進学校へ合格するためには、もし実力さえじゅうぶんあるのならこれまでのように内申点の障壁に邪魔されることはなく、または過度に気にする必要はまったくなくなった、ということを意味していますね。推薦に基づく選抜も加え、ちょうどいいバランス(or苦肉の策)をとっているようで。

 さまざまな専門形態と特色がある公立高校において、その目的や社会的役割から高い大学を目指す公立トップ高校(および進学校)の受験では、学力試験一本おおいに善し、と思っています。ちなみに私のころは、内申なんてものはなかった。まあでも、中庸の精神(?)でなにもかも勘案していえば、内申:学力試験=3:7あたりがちょうど公平に落ち着く位置と思えるのだが、どうだろうか?

 さて、でも現在、入試の選抜方法は、県によってさまざまなのが実情ですし、合否判定は、調査書(内申)と学力検査の比重がいまでもまだ同等とか、ほぼ同等とか、同等を基本としながらも判定方法は学力重視とか、そして調査書の記載方法や算出方法もまちまちであり、学力検査も科目よって傾斜配点があったり、その中身はほんとに細かく複雑ですね。

 よって、自分の都道府県の高校入試選抜方法の具体的中身をまずしっかり確認(いまではネット上でさまざまなことがわかるはずですが)、あらかじめ知識としてしっかりもって、内申上の不利をできるだけ招かないような勉強の進め方をすることがまず第一かと思われますが、しかし、その結果の「内申的学力」とでもいいますかその力と、塾などの受験勉強で身につけた力だけでは、どうもまだ足りないのではないか(ただし、トップレベルの話)・・・。

 これはすでに上で書きました、「中学側が成績優秀とみなす生徒と公立トップ高校側が求める生徒にはだいぶ誤差と歪があった」の、「ほんとうに実力のある、または高校で伸びる素質のある生徒」というより「そうではない生徒」になる可能性の確率が高い(?)のでは、と老婆心ながら指摘したい。

 やはり、入試の学力検査に強い実力を鍛えねば――。
 それもたとえば都立上位進学校の独自問題とか、道府県の公立高校の特進的クラス(理数科、文理科など)の入試問題にそこそこ勝負でき対応できる学力を、公立トップ高を志望する生徒なら、できるだけ身につけておくことが望まれるかと思います。

 この続きは次回で。→公立トップ高を志望するなら VOL.2<実力には3つの力が>