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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
NO.673 暗記のしかたの苦労について
<ワイオミング州>

 先日、テレビを適当に回していたら、ワイオミングが舞台の古いアメリカ映画をやっていた。あまり興味がなかったのか、あるいはほかの何かにたまたま気持ちが持っていかれたのか、1分くらいしか観ていなかったのだが、ワイオミングという地名に、どうしてか郷愁を覚えてしまった。もちろん住んだことも行った経験もありません。

 その時はそれで終わってしまたのですが、しかし半日ほどたった夜、ふとこの州が、アメリカのどこにあるのかが気になり始めた。というのも、昔、「大草原の小さな家」というテレビ映画をよく観たものですが、そのアメリカ西部開拓時代の舞台だったのかと思い、ちょっとネットで調べていると、主人公の少女ローラのインガルス一家は、ウィスコンシン州―カンザス州―ミネソタ州―サウスダコタ州と移り住んだとのことで、ワイオミングではありませんでした。

 ところが、ウィスコンシンもカンザスもミネソタもサウスダコタも名前の響きがいかにもアメリカっぽくていいではありませんか。いや、いいと思うのは、わたしの個人的感覚にすぎず、ほとんどの方はこれにまったく同感されないでしょうが。

 そこで地図帳を持ってきて、ワイオミングの位置を確認しました。ワイオミングの上にはけっこう大きなモンタナ州があって、その左にアイダホがあり、また左回りにユタ、コロラド、ネブラスカ、サウスダコタの各州が取り囲んでいます。

 モンタナを見るとけっこうでかく、テキサス、カリフォルニアに次いで3番目に大きい州なんだと判断、もうすこしモンタナ州について調べてみました。すると、面積がおよそ38万平方キロメートルとあり、つまりこれは、日本の面積とほぼ同じであり、驚かされました。しかもこの州に住んでいる人口はたった100万人ほどなんですから、日本のそれも人口がすくない県(例えば和歌山はいま、ほぼ100万人くらいなはずです)と変わりありません。

 まあカナダと国境が接する中西部北に位置する州なんですから、夢想するに冬は寒く、ロッキー山脈も左側にあって大半が山地、険しい自然に囲まれた田舎の州なんだなと思いましたが、でもあまりに人の少なさには、これもアメリカのひとつの姿なんだとなにか納得させられた次第。

 ところで、間違いがひとつ。モンタナ州について調べ合点がいかなかったのは、面積が4番目と書いてあること。うん、なんで?・・・。おかしい。しかし、おかしい場合のほとんどの原因は、自分の頭のほうあることはいまではよく承知しているので、もっとよく調べてみました。

 すると、判りました。わたしが見た地図帳はアメリカ合衆国を左右ページで表したもので、右下に州の構成が小さく載っていたものです。ここには、アラスカもハワイも表記されていなかった。それゆえ、この2州をつい漏らした考えてしまったのです。アメリカ合衆国の50州のなかで最も大きな面積を占める州は、アラスカなんですね。ですからモンタナは、テキサス、カリフォルニアに次いで4番目が正しい。

 さて、余談。アメリカのことについて書いているんですから、中学地理の知識として覚えておくべきことをワンポイント触れておきます。

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 高校入試の社会で、表の資料から読み取る問題として、人口や面積、一人当
たりの国民所得、ほかいろんな項目の統計が載ってる問題が、定番問題として
公立も私立にもあります。

 そのとき、正しい答えを速く確実に出すための手掛かりとして、ここでは次
の3つを書いておきます。

 1.アメリカ合衆国の人口は?
 2.アメリカ合衆国の面積は?
 3.アメリカ合衆国の人口密度は?

 一度生徒にこれを訊いて、地理の知識がどの程度あるのか確認してみてくだ
さい。せめて1番くらいは知っておけよ、という問いなんですが、3分の1くら
いの生徒は知らないでしょう。2と3ができる生徒は、5%未満かと推定します。
中1,2生のなかで社会の定期テストが90点以上とれていて社会を得意にしてい
る生徒なら、これくらいの知識は持っていていてほしいものですが、さてどう
でしょうか? できない場合、その実力は、まだ知識の幅は狭く、深さも足り
ないなと判断できます。入試では確実に役立つ知識なのでぜひ覚えておくとと
もに、資料や統計の数値をもっと暗記していく勉強をやってみてください。
 
 <答え>
 1.アメリカ合衆国の人口は?→約3億2000万人
 2.アメリカ合衆国の面積は?→約963万平方キロメートル
 3.アメリカ合衆国の人口密度は?→1平方キロメートル当たり約31人
 <備考>
 1.人口でいえば、次に国の人口も知っておくのが基本。<約は省く>
 中国〜14億人弱 インド〜13億人(ほんの数年前なら中国13億人と言われて
 いたが、いまや13億8000万人くらいになっているから14億人とする。
 インドネシア〜2億5000万人 ブラジル〜2億人 なんと日本(1億2600万人)
 はメキシコに抜かれて世界11位になってしまったらしい。あとフィリピンが
 1億人だということもできれば知っておく。
 そして、ドイツ〜8200万人 イギリス〜6400万人 フランス〜6700万人 
 イタリア〜6100万人 (この3か国の人口は、10年前なら5800万くらいでほぼ
 同じであったので覚えやすかった。でも、すこし差がついてしまった。移民
 や難民で人口が増加したことも一因としてあるだろうね。でも3か国約6000
 万強で、つまり日本の半分くらいの人口かと暗記しておけば、テストでは事
 足れりかと思います。)

 2.なぜアメリカ合衆国の面積を約963万平方キロメートルとしたのか? 

 それは、中国の面積が約960万平方キロメートルとほぼ同じだからです。峻
 別できなければなりません。しかし、アメリカは9・6・3の数字だから覚
 えやすいと思います。
 ほか、ロシアが1位(1700万)、カナダが2位(1000万)なんだけれども、フ
 ランスが55万(スペインが50万)であることを覚えておくと役立つことが多
 いです。ついでにインドは330万。日本の面積が約38万平方キロメートルで
 あるのは常識レベル。

 3.人口密度は、日本は現在、1平方キロメートル当たり337人。

 あとよくテストで出るのは、次の2か国。オーストラリアが3.1人 カナダが
 3.6人。以前は、オーストラリアが2人 カナダが3人と覚えやすかったのだ
 けど、どちらの国も人口が増えたからね。(因みにこの2か国の人口密度だ
 けは記憶ではなく、最新のを確かめたくて調べて書きました。)

 <ここで、宣伝をすこし書かせてください。>
 こうした知識、入試に向けた実践力のある知識は、わたしの「実力をつける
 地理と歴史」・「入試社会の攻略」問題集には載せてあります。興味のある
 方は一度ご参照ください。
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 閑話休題。

 今回のテーマである「暗記のしかたの苦労について」まだ触れていません。

 ワイオミング州の位置を地図で確認しました。そしてその周りにある州についてもこの際、5,6個覚えてしまえと頭のなかで何回も思い描き刻み込みました。

 ところが、どうしたことでしょう。次の朝、昨日暗記した州を思い浮かべてみました。モンタナ州は浮かんだのですが、その隣にあるアイダホが出てきません。ユタ、コロラド、ネブラスカ、サウスダコタは浮かんで、これは大丈夫。

 しかし、肝心要のワイオミングが、どうしても出てこなかった・・・。うーん、なんてこった・・・。この州の位置を知りたかったのがそもそもの動機だったのに、その目的が蒸発している。横道に逸れたモンタナだけがいやに鮮明に頭に残っている状態。これではいけないと4,5分憶い出そうと試みるも、どうしても浮かびませんでした。

「覚えている」ってことは、イメージしたとき、瞬間に頭に浮かぶんですね。また、1,2分唸って考えれば、頭に浮かぶ場合もけっこうあるかと思います。しかし、数分考えても頭のなかは真っ白、なんら浮かばない。どこでどう切断されたのか、思考の経路やとっかかりがさっぱり見つからないことがあります。

 今回のケースはこれ。記憶力の低下は紛れもない事実としても、それに加え、モンタナのちょっと深掘りでワイオミングがきれいさっぱり消されてしまった感じ。だからというわけではありませんが、開き直って、アメリカ50州の位置を全部覚えてしまえ、ということになりました。

 こういった場合、暗記するために、まずはじめになにをするのがいいのかは、知っています。それは、手を使うことです。直接すぐ覚えようとするのではなく、遠回りのようですが、まずは1枚の紙にアメリカの地図と州を手書きで写し、州名は隅っこに小さく書く。こうした覚えるための第一段階が大事なのです。なぜかといえば、この作業のなかに、暗記をより深めるための要素と刺戟があちこち隠れているからです。それから、何度も繰り返し覚えていく。

 それがわかっていながら、今回はずぼらしてやらなかった。地図帳から拡大コピーした用紙で直接、暗記した。それゆえ、倍の時間を要したように思う。

 その結果を書くと、以下のとおり。<州の表記は省く>
======================================================================
1.ワシントン 2.オレゴン 3.カリフォルニア
4.アイダホ 5.ネバダ 6.ユタ 7.アリゾナ
8.モンタナ 9.ワイオミング 10.コロラド 11.ニューメキシコ
12.ノースダコタ 13.サウスダコタ 14.ネブラスカ 15.カンザス 16.オクラホマ
17.テキサス
18.ミネソタ 19.アイオワ 20.ミズーリ 21.アーカンソー 22.ルイジアナ
23.ウィスコンシン 24.イリノイ 25.ミシガン 26.インディアナ 27.オハイオ
28.ケンタッキー 29.テネシー
30.ジョージア 31アラバマ. 32.ミシシッピ 33.フロリダ
34ノースカロライナ 35.サウスカロライナ
36.メーン 37.バーモント 38.ニューハンプシャー 39.マサチューセッツ
40.ニューヨーク 41.コネティカット 42.ロードアイランド 43.ニュージャージー
44.ペンシルべニア 45. デラウェア46.メリーランド 47.ウエストバージニア
48.バージニア
49.ハワイ 50.アラスカ
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 並び方としてはずいぶん変な印象を与えるのですが、わたしの頭のなかにある地図で書けば、こうなってしまいます。アメリカ合衆国の州は、横より縦方向(南北)でみたほうが捉えやすく、また東部より西部のほうが州面積が大きくずっとわかりやすいので、上のように覚えました。

 この作業を通して、いまさらながらわかったのか、というものがふたつあります。

 ひとつは、ニューヨーク州がとても大きかったとうこと。

 ニューヨークといえば、州のイメージなんてほとんど持つことなく、ニューヨーク市しか想定しないわけですが、しかし実際は、ニューヨーク州はカナダまで接しており、その面積は約14万平方キロメートルとのことで、これは日本の北海道(約8万)と九州(4万弱)を合わせた面積よりまだ大きいのですから、これにはびっくりした次第。

 あとひとつは、アメリカ国旗の赤・白横線13本が指す東部13州について。

 イギリスとの独立戦争(1775年から1783年)で戦った独立十三州というのは、東部の一番北から数えて13個の州、即ち上で書いた36のメーン州から48のバージニアまでだなと判断していたのですが、調べてみたらこれはとんでもない間違いでありました。

 メーン州とバーモント州はその当時はまだなく、バージニア州も現代ではふたつに別れているも当時はひとつの州であって、つまり、38のニューハンプシャーから48のバージニア(47は除く)までの10州に、ノースカロライナとサウスカロライナとジョージアの3州を加えたのが、独立当時の13州でありました。

 最後に、ワイオミング州の面積はイギリスとほぼ同じくらいあるのに、人口は50州のなかで一番下で、たった約56万人なんです。これは鳥取県とほぼ同じです。アメリカを構成している州のひとつの姿が垣間見えるような気がします。

 以上、長々お読みいただき、また興味のないであろう話題にお付き合いいただき、どうもありがとうございました。