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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§42 塾の選び方についてVOL.2 
<大手進学塾について>

 塾を選ぶに際し、前回のVOL.1では「その塾に行って効果があるかどうか?!」という視点で、その効果の実態について書きました。そして一つの結論として、本人の力なりに、実力を上げてくれる塾こそが、本当にいい塾と言えるのではないでしょうか、と述べました。

 実力が上がるということは、当然成績が上がった結果の集合です。その逆に、成績が上がったからといって即、実力が上がるわけではない、また必ずしも比例の関係ではない、とも説明しました。

 しかしこれらのことは、既に兄弟or姉妹がその塾に行っていて、成績と実力の推移がわかっていたり、高校に受かってたり、また先生の人柄とか指導の仕方をある程度理解してる場合はいいものの、大抵は外部からはわからないものですね。でもですね、塾を見る判断の基準の、一番重要な要素だと思ってください。

 次に、ちょっと視点を変えて、あまり好ましくない見方・判断ではなかろうか、また現実に多い事例を書き、その問題点からいいの塾(?)の手がかりを、少し捜して見たいと思います。

 塾を選ぶに際し、その情報源は大別するとチラシ等の宣伝(or DM、電話勧誘)か、お母様達の口コミないし噂等の耳から入る情報ですね。まず前者のチラシですが、一時より効果が薄れたというもののまだまだ宣伝の主流です。よくご存知のようにその紙面は、高校合格の実績と生徒の合格体験記をこれでもかと載せ(すみません、小さいながらもわたしの塾も載せます)、指導内容についても素晴らしいことが書いてあります。

 資金の潤沢にある大手進学塾は立派な印刷をして、そのチラシを撒く回数も半端じゃない(これはマーケッティング戦略の洗脳効果の基本ですが)。お母さん達の目を惹きつけるのは、その地区のトップ高校と2番手高校の合格人数。うちの息子も或いは娘も頑張れば、ひょっとして行けるんじゃないか、と思いますよね。

 当然大手の塾は、生徒数が多いから成績に依るクラス別けがあり、一部の優秀な生徒が特訓クラスに入る。その中でも更に規模によりますが、細かく別けられてる場合がある。私立高校も特進クラスがよくありますが、ほぼ同様で、大雑把な言い方で申し訳ありませんが、特進クラスにいる生徒の中でもせいぜい多くて半数くらいが、チラシに載ってる高校に行けるのではなかろか。

 つまり、仮にもし特進のクラスに入れたとしても、その半数は希望のトップ高校に行くのは厳しいということを、承知していた方がいいと思います。なぜ、そうなるのか? 理由は簡単です。営業戦略です。詳しいことは省きますが、公立高校のトップ高の偏差値を68とすると、特進クラスと名のついてるクラスに所属してる生徒の偏差値は63くらいから上ではないでしょうか。(誤解しないで頂きたいのですが、これはあくまで一般的なケースです。実情は塾によってさまざまですから)

 63の生徒が68の高校を受験できませんよね、そういうことです。そして大部分の生徒はそんな高い偏差値、実力を持ってるわけは決してなく、各々の力に沿ったクラスに所属することになります。成績がよくなれば上のクラスに上がれるわけですが、そんなのは数パーセントでしょう。

 ここからが問題です。大手進学塾へ行くのならば、特進クラスに入れる力のある生徒はメリットはある。豊富な進学資料は揃ってるし、優秀な講師陣のもと熱心な指導、高密度な授業が展開されることが多いから。しかしそうでない場合、そうでないことが多いのではないだろうか。つまり、特殊な、ハイレベルな生徒に絞って教えてる極めて一部の塾でない限り、この大手の進学塾のその大多数(80%〜90%)の生徒は、まあ塾に行っていてそれなりの勉強と成績を取っているに過ぎない、という現状か・・・。

 塾を決める場合、その動機は勉強以外に、友達がその塾に行ってるからというのがとても多いし(特に女子)、お母様同士の情報交換も大きく影響するし、また他の様々な要因が絡んで単純なわけではないけど、上の例の中で、二つ問題にしたいと思う。

 わたしの塾なんかまさにそうなのだけど、初めから偏差値が68(全体の3%)もある生徒なんかやって来ません。そんな生徒はほっといても出来るのであり、10を教えれば8から9は吸収するでしょう。そして駅前にある有名な大手進学塾に行くのが普通です。次に偏差値が63〜65の生徒(全体の5%)も同様です。

 即ち、せいぜいよくて60ぐらいの生徒が、そして下は偏差値レベル40ぐらいの生徒がやってきます(中には事情があって、それ以下もたまに)。今年の例で言えば、優秀な子で中1より中3までかかっていますが、偏差値50から最後には70まで上がりましたし、別の生徒は入塾時53ぐらいなのを68までもっていきました。まあ、40ぐらいの生徒は平均して50、よくなると55ぐらいですか。

 平均して10〜15アップです。中には上記のように20も上がっちゃう生徒もいますし、5ぐらいしか伸びない生徒もいます。更に、ハードな勉強について来れずに途中ギブアップする生徒も10%はいるかと思います。数字で書くとなんか直ぐ上がるような錯覚に陥るけど、こつこつ勉強と宿題をやり、3年間を費やしての結果なんですね。

 つまり、大手の進学塾に通ったから成績が、実力が上がるというわけではなく、その反対にさっぱり伸びない場合も往々にしてあるわけで、また、中小の塾でもしっかり学習の基礎と受験を教えるところは捜せばある、ということを知っておくのも、選択肢の一つとして役に立つのではないかと考えます。(こんなこと、わかってる人には当たり前なんですけど、世間の目は案外蒙いとい
うか、わかっていないというか――)

 次にもう一つ、成績下位の生徒の場合です。これは正直言って書くのが苦しい。いくら教えても成績が一向に伸びず、停滞したままの生徒がいるからです。偏差値で言えば40以下で、このままじゃあ公立高校にとても行けない生徒。しかし経験上、二つのタイプに分かれますね。真剣にやる子とだらしない子(表現がよくはありませんが)です。

 授業の飲み込みはあまりよくないのだけど、宿題はしっかりやるし、休むこともない。塾を信頼してるのか、その性格もある程度真面目。時間はかかりますが、少しずつ伸び、やがて50には到達できずとも、47くらいにはなって公立高校に行ける。

 他方、宿題は杜撰だし、暗記しろと言ったテストも適当な点しか取らない。その他の問題もありますが、1年経っても学力偏差値がさっぱり上がらない生徒も極々たまにいるのです。厳しいようですがわたしの場合は、もっと個人的な塾、個別指導の塾へ、また家庭教師等を提案してやめてもらいます。だらしないところは成績に関係なく、とことん直していくのですが、直らない生徒もいるのが現実です。

 ここから何がいえるかと言えば、成績がかなり低い場合でも、その生徒の勉強への姿勢、性格が良ければ、預かってしっかり指導してくれる塾や、個別指導の塾によっては、その生徒の力なりに成績も伸びるということ。1年も同じ偏差値というか、或いは徐々に下がっていったり、学校のテストもこれと言って変化がなかったり、今後どうも成績の向上が望めそうにないと考えるならば、よく研究して別の塾を検討するのも必要かと思います。

 最後に一言、中学の場合、もし塾に行くのなら生徒の力が80%、塾の力は20%。(高校になると、本人の力が95%、残りが塾、予備校の力ではないかな) 出来るならば本人の力だけで100%がいい。まあ、こんな感じではないでしょうか。

 生徒の力が80%なら、どこの塾に行っても本人次第とも言えますし、逆に20%もパワーアップしてくれるのか、とも考えられます。そしてどこへ行こうともただ漫然と勉強すれば、よくて5%くらいの効果しかないのも事実ですね。それではあまりにお金と時間がもったいないですね。