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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§362 中2生にとって、この冬期講習をどう使うべきか?
<チャーシューメンはいきなりたのむべからず>

「中2生にとって、この冬休みにすべきことは?」というテーマのもと、まあ簡潔にいってしまえば「うしろを振り向いた勉強をするのがとても大事」ということを、前回述べました。今回も、その関連で書いてみます。

 このメルマガの内容は主に、自立学習をしている生徒とそのご父母のかたに向けて書いている部分が多いのですが、もちろんお子様が通塾して勉強しているご父母のかたもけっこうおられます。この後者のあるお母様から中2問題集のご注文をいただいた際に、次のようなご質問を最後に受けました。

「塾の冬期講習も受けながらの勉強となりますが、この講習を受ける時の注意点がありましたら少しアドバイスをお願いします。」
 
 この生徒の偏差値は現在63くらいなので、そのあたりの生徒をとくに想定して書いてみます。

 塾の冬期講習会、その目的と中身が、生徒側の実情と塾側のそれが合致しておればいうことはないけれど、どれほどすばらしく評判のよい塾でも各生徒の抱えている課題や問題点をこの冬期講習でカバーすることは、まずできない。いいところ7割ぐらいではないか。残り3割は埋めれないものである。しかしこれでも、たいしたものなのです。ふつうはこの逆なのだから。

 たとえば1日8時間から10時間、3日間にわたり集中した勉強会をしたとしても、その内容は、3教科や5教科にまたがるものであるから、所詮すべての復習ができるはずもなく、塾の言い分でいえば単元を絞った内容、とくに中2学習の大事な部分だけをおさらいしたり、中3学習にもつながる知識をもう一度補強したり、あるいは入試レベルの問題を解く訓練をしたりと、まあそういった内容のものでしょう。

 この期間に限定すれば一見すごく勉強しているように見えますが、この塾の勉強だけで3教科ないし5教科の学力の用が足りる生徒というものはほんとにたいしたもので、「もともと日頃の勉強で各教科相当知識がすでに詰まっている生徒」であろう、とわたしはとらえざるをえません。いるにはいるのでしょうが如何せん、わたしはそのような生徒に出遭ったことがない。

 講習で各教科大事な単元や部分を復習したとしても、内実そのやる演習量はどうにもすくないものです。また再度理解した内容であっても、それがはたして自分のものに深くなっているのかなっていないのか、これまた再度自分の頭で考え、演習も含め自宅でもう一度復習することが肝心なのではないか?! それができてこそ塾の冬期講習の効果、また得られるものがあるかと思います。

 が、生徒の実相はどうか? もしふだんの授業でも帰って正しく復習をしていないのなら、そして授業で聞いたことや勉強したことがそのまま即自分の身になっているという疑似秀才的な感覚と態度でいるのなら、そしてそしてさらに、塾の勉強<自分の勉強、ではなく、塾の勉強=自分の勉強、という意識と行動であるなら、ふだんより濃密で集中した冬期の講習ならなおさら本人は、勉強した気になり復習を行わないであろう。これが、イケナイのである。(復習内容の復習は、そう時間はかからない。これがわかっているか。)

 こうした今までとあるいはふだんと同じ意識の土俵で冬期の講習を受けるなら、期待し望んでいるような成果はなかなか得られないことになりはしまいか?・・・。

 そもそもひとつ、憶いだしていただきたい。夏期講習はどうだったんでしょうか? 冬期のふつう3,4倍の期間がある(及びその金額も張る)わけですがその勉強の姿、なにより成績の成果はどうだったんでしょうか? 夏期をはさんでその前後、偏差値はぐんと上がったんでしょうか? いえいえ、ぐんとでなくてもいいですね、それなりにしっかりと成績として残ったもの、あるいはこの教科とあの教科は進歩がすこぶるあり自信がついたといえるものがあったでしょうか? それがあれば、心配はないであろうけれど、なければ不安が残る。

 人間、すんだことはすぐ忘れるもので、このわたしもほんとイヤになるくらい、すんだことは忘れます。それも痛い目にあった、もう次はおなじくり返しだけはやめておこうとおもった事でも、その反省と経験自体をすっかり失念していますからまた同じ間違いをしでかしたり痛い目を味わっています。しかしそれが二度、ときに三度も重なるとさすがに自分にかぎりない嫌悪感を覚えますから、三度目(or情けないことにときに四度目)はしないようにしています。

 ちょっと脱線します。たとえばラーメン屋です。わたしはそんなにラーメンが好きですきでたまらないというタイプではありません。また味音痴なのか、それほど旨いと感じたこともなく、まあそれでもときに、とても食べたくなることがあります。わたしの行動習性といいますか決まったパターンのなかに、
ある一軒のラーメン屋がありました。

 あるときそこで食ったわけですが、メニューをみてふつうのラーメンでは物足りなくチャーシューメンと餃子をたのみました。店を出ての感想。まずい、それに値段もほかの店よりいくぶん高い。すこし腹立たしい気分。なにがまずいかというと主役のチャーシューの味がしょぼいのである。しかも脂ぎって分厚く、ふつうのラーメンならチャーシュー1枚で済むが、チャーシューメンだから5,6枚ある。それを無理して食った。あー、もうこの店はやめておこう・・・。

 そして1年あまりだったか過ぎたある日、腹が減り、今日の昼はラーメンがいいなと思い、ある店に入った。メニューをみてふつうのラーメンでは物足りなくチャーシューメンと餃子をたのんだ。食べて店を出た。その感想。まずい、それに値段もほかの店よりいくぶん高い。なにより、チャーシューがうまくないのである。これではチャーシューメンにした意味がまったくない。ふつうのラーメンでよかったな。無理して全部食ったけど。あー、もうこの店はやめておこう。・・・。ふん?

 ここで、ハタとわかった。いや、事ここに至ってはじめて、わが愚鈍さに気づいた。前にもおまえ、同じことをたしかやったぞ、と(気づくのが異常に遅いっ!)。まあふだんねじが巻けてないときはこんなもんで(ねじが巻けてるときもたいしたことはないんですが)、つまりバカバカしいお話で。バカバカしいついでにここから得た教訓は、はじめての店ではチャーシューメンをいきなりたのむな、ラーメンがおいしいとわかってからたのめ、ということであります。

 これはあらたまっていうのもなんなんですが、失敗から学べとよくいわれるけれど、アンテナをしっかり張っていないと、一度の失敗からはなかなか学べないところがあるのもまた人間であるようです。

 ただ目的がはっきりしているとき、あるいはそれぞれが本分としている活動のなかでは、ねじが巻けていなければならないだろうし、アンテナ張って失敗からつねに学びとる姿勢は堅持しておくのが、まず基本であろう。

 そのあたりがふだんの生徒の学習をみていると、どうもねじが巻けていなかったり、アンテナがじゅうぶん張れていなかったりで、小さなミスや失敗なら、三度四度はあっさり素通りして、十度でも二十度でも懲りないケースもしばしばあり、なかには歯止めがきかない生徒もいます。

 こうした小さなミスや失敗はさすがに偏差値60あたりを超えている生徒には少ない(or少なくなっている)ですが、それでもたとえば、夏期講習の前後で偏差値がほとんど変化がなかったり、学校の成績から考えてもうすこし偏差値があってもおかしくないのにと思っていたり、中1からずっと塾に通って真面目に勉強しているのにある一定の偏差値で停滞していたりするならば、別にその原因を決めつけるわけでもないのですが、またいろいろ個人的事情が複雑に絡まっているかと想われますが、その要因の大きなひとつに、自分でやらねばならない復習の不徹底さがどうもあるように思います。

 10習えば9や10のことが理解でき、その場の演習ではでき、限られた範囲のテストでは成績もいい。しかし時間が経つと、10の知識が8になる。簡単にいうと、偏差値が63くらい(or60から65の範囲)の生徒は、これでしょう。やや詳しくいうと、数・英と理・社の学力のつき方は違うわけで、つまり積み上げの知識か並列の知識かでその全体力をみるとすれば、積み上げの数・英は、10の知識が9や8になり、並列の理・社は、10の知識が7や6になる。(国語は省いていますが、まあ8くらいとして)

 10習ったことがそのまま、時間が経っても9くらいの知識(なかに10や8もある)がついたままなら、偏差値は当然68(〜70)くらいはあるわけで、なぜそこまでないかといえば、上のような力の状態であるからです。数・英は1,2取りこぼし、理・社は3,4取りこぼしてるんですね。(もちろんこれは各生徒によってそのバランスは変わることでしょうが、あくまで一般傾向として。)

 では、なぜ取りこぼすような力であるんだ、といえば、10習えば10の知識を完全吸収するまでのしつこい演習量の不足、忘れる知識をくい止める繰り返し学習の実践が要所要所でおろそかになっている点、そして「ふだんの復習の不徹底さ」が挙げられるかと思います。

 こうしたいままでの自分の学習上の問題点と、また夏期講習の結果などを振り返ってみて、自分なりにひとつでもふたつでも深い反省を加え、そのあと、冬期講習にどのように臨むのがベターなのかを自分で前もって考えてみる機会をもつこと、これをできればお勧めしたい。

 その際には、冬期講習での、重点項目や単元の復習、強化ということは、重点ではないところはすべてわかっているものとして抜けている(?)わけで、たとえば、不注意なミスが出るのはなにも重点学習の範囲にとどまらずあらゆる範囲に散らばっており、それは講習では拾えきれないことは知っておきたいし、またひとつの科目全体の学力でいえば基礎とはいえまだ弱い部分が、各個人にこの冬勉強する塾の内容以外にもおそらく在ることも認識していたほうがいい。

 復習にも、短期的にとらえて行える勉強と、長期的にみなければできない勉強のふたつがあります。ここでいう短期とは、この冬休みとかの10日や2週間くらいの期間、長期とは、2,3ヶ月くらいは最低かかる期間、という意味で使っていますが、自分の現在抱えている5科目それぞれの学力上の問題点がいったい奈辺にありや、それは塾の冬期内容と指導にそのまま乗っかって短期的にいいものもあれば、いやそれではとても片づかない、自分でもっと長期的に取り組まねば形にならないものもあるでしょう。そこんところを各教科区分けして、この冬休み、取り組んでいくことが大切であろうと考えます。