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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§312 先行学習について VOL.2 
<中1・2生及び小学生に>

 どんどん先行学習を進めていくこと自体に、わたしはなんら反対する者ではありません。むしろ、それができる生徒は、どんどんやるべきだと思っています。理由はいろいろある。しかしここでは、誰もがすぐ浮かぶものやもっともらしいのは省かせてもらい、見落としがち(?)な基礎事実をひとつ挙げておきます。

 それは学習量そのものである。学修指導内容の量は、1980年から始まった「ゆとりカリキュラム」から漸次減少し、そしてよくご存知のように、「ゆとり教育」という美名の響きのもとになされた2002年からの劣悪で悪名高き改訂(3割減)により、一気に学力の空洞化とみるに耐えない深刻な学力低下、また私立中学との学力格差をさらに拡大するという事態を招いたわけですが、いま公立中学で学習している内容量は1980年以前と較べて、実質6割前後(?)になっているのではないでしょうか。

 つまり、単純に比較したとして、昔の公立中学生が2年で学んだことを、いまの生徒は3年も費やして勉強している、ともいえます。それは外見からでもすこしわかることで、いまの教科書のあまりの薄さに驚かれているお母様もけっこうおられるでしょう。超難関私立の授業は別にして、いわゆる私立中学の進度の速さというものは、上のことを認識しておくなら、なんでもないふつうのことと思います。厭きることなくひとつのことを追求でき、あるいは逆に、多方面になんでも貪欲に吸収しえる成長期に、間延びした勉強は、ある一定の生徒にはいたずらな知識の停滞、学力伸張の歯止めを生みかねません。

 それゆえ、だけでもありませんが、先行学習ができる生徒は、どんどんやればいいと思っています。ただし、です。先行学習ができるといっても、その中身が確かについてこなければなんら意味はなく、甚だ意味はなく、その成果の及ぼすところも期待できません。それどころか通常の基礎で足をすくわれることにもなりかねません。このことは頭のなかの観念ではなく、20数年の現実の生徒指導のなかで肌でもって実感してきた認識です。よって「止まる」ことを知らない生徒は、決してやらないほうがいい。この「止まる」の意は、VOL.1で書きました。

 新しい学習内容に臨んで、理解もはやく、その場の勉強の作業もスムーズな生徒がいます。定期テストなんかもそこそこいい点数です。しかし、実力テストなると、どうしたわけか(?と、本人が思っているだけで、その原因は簡明、何度も指摘しているが)点数を大いに下げてしまう、即ち実力が伴わない生徒がいます。これがいまの公立中学の、比較的よくできる生徒といわれるなかのよくある典型のひとつでしょうか。過去の蓄積がうまくできないのに、どうして未来が蓄積できようか。こうした生徒の場合、先行学習は極力避けるべきです。

 中学レベルの5教科は、まずまんべんなくできることが大切です。いや、できている者はできているのであり、それがそう簡単にはできなくなるのが高校であるのは、皆様よくご承知のことかと思います。あくまでまだどの教科も基礎で、高度でもなく、専門的でもなく、抽象的でもなく、しかも学習の領域は限られている。きちんと隔てなく5教科すべてに怠りなく取り組めば、それほど成績にむらが出るはずはないのです。

 然るに、たとえば数学と英語はできるけれど、社会と国語が苦手だとか、国・社などはいいが理数の科目は弱いとか、3教科はまあまだが5教科になると偏差値が途端に低くなるとか、そんなことを言っていてどうするんだ?!と思いますね。先行学習する時間があれば、それを苦手な科目に回すことが先決ではないか。「嫌(けん)を避くる者は、皆内(うち)足らざるなり」である。

 5科目にどれも取り立てて欠点や弱点がなく、また実力もそれ相応にある。これが先行学習していける生徒の必要条件ではないかな。それが満たせている生徒の場合、自分の好きな科目や得意とする科目に対して、といってもふつうは、数学と英語のどちらかあるいは両方になるでしょうが、どんどん先の勉強していってもいいのではというのが、わたしの基本となるアドバイスです。

 しかし、これではあまりに常識的すぎる。また、実につまらない意見でもある。オモシロクない。そこで、世間にはいろいろ優秀な生徒がいるものだなあというものをひとつ、書かせていただきます。

 或る女の子です。中学3ヵ年の英語をすべてやり終えました。小学6年生にまだならない、5年生の3学期にです。(わたしなんか、ようやく自我におぼろげながら目覚めてきて、自分の頭のデキの状態と勉強のしかたに目がすこし届くようになってきた時期で、いやはや、我が身に置き換えてみれば、なんともすごい・・・。)

 そのお母様の話では、概略次のようになります。
「兄が中学で英語の勉強をしているのを見て、自分もやりたいとしつこく言うので、どうせ続かないだろうと思いながら、ローマ字から始めて、気がついたら、中学の文法範囲が終了するまでになっていました。兄の教材を使い、気長に超スローペースで進めていましたが、小学校のうちにここまでくるとは思ってもいなくて、この先どうしようか迷っていたところに、先生の『英文解釈問題集』が出来上がり、飛びついた次第です。」

 市販の文法および長文の問題集と、わたしのHPの英語(メルマガ発行)のプリントをコピーしたものを中3(私立入試対策の前)まで、すでにこの時期、クリアされていました。次に私立・公立入試対策のプリントと「トップ校合格への英文法問題集(兄の時、購入)」に入ろうと思っていますが、内容は、兄が勉強していたときに見ていたので,ちょっとまだ難しいかなと思い、その前に、英文解釈問題集をやったほうが良いのではないか、というご質問を受けました。

 ほんとに冷静にかつ正しくお子様の学習状況とその中身の実態を観ておられるお母様です。わたしの詳しいご返答は端折りますが、とにかく申し上げたのは、「ここは我慢、先に進むな」「止まれ」ということを書かかせていただきました。英文解釈に入る前に、すべきことがある。また「トップ校合格への英文法問題集」なるものは、実力テストの英語ではつねに98点前後をとっている
ような生徒、または中学3ヵ年の英語の文法をほぼ完璧に身につけており、もうなんか物足りない、何かもっと手ごたえのある問題集をやりたいという生徒用のもので、高校英語にも一部踏み込んだ内容になっています。

 そこで「中3英語実力テスト対策&入試対策<A>問題集」を、まず先にするようお勧めすることにしました。この時点でも中3英語のメルマガで平均して80点台はつねにを取れてましたから、「中3の偏差値」でも68くらいに相当する力はあったでしょうか。

 それから半年後。つまり、小6の夏ごろ――。

1.「中3英語実力テスト対策&入試対策<A>問題集」
 第二回まで順調に進み、第三回は二回繰り返しました。
 第三回のテストが88点で、本人も「先に進みたい」とのことだったので、第
 四回に入りました。第四回に入ったとたん「難しい。知らないことばっかり」
 と苦戦していましたが、何とか終了。

2.「英文解釈問題集」
 中三実力対策と並行して長期休暇や土日を中心にやりました。本人任せです
 が、最後まで終了しました。

3.○○県公立高校過去問<5ヵ年>
(筆者注:正答率88%ほど。しかし、あと半年ほどで、95%くらいにはまず
 なるでしょうか。)

4.英検3級合格<7月>

5.「トップ校合格への英文法」
 現在NO.36(筆者注:全部で43枚)まで進んでいて、ほとんど本人任せです。
 ほぼ毎日一枚ずつやり、自分で答えあわせをしています。
 間違えた問題は○をつけておいて、単元ごとにもう一度やり直しています。
 ○がついた問題はできるまで何回もやっています。

 なお今後の予定は、トップ高の英文法が最後までいったら、もう一度「中3
 英語実力対策問題集」の第四回、「トップ校合格への英文法」をもう一度最
 初からやり直す予定でいます。
 それが、ある程度できるようになったら「大学入試合格英文法問題集」(筆
 者注:これは高1&高2生向けの問題集です)に入ろうと思っています。順調
 にいっても、中学入学くらいの時期を考えています。

 ふーむ・・・、深い溜息が出ますね。
 まるまる3年、いや正確にいえば3年半、先を進んでいます。しかも、ほんとうの実力をつけて。小6の終わりまで勉強したとして、中3のしかも最終段階の偏差値で測ると仮定すれば、おそらく73から75くらいには到達しているでしょうか。

 恐るべき勉学意欲。そして実行力。いたく感心するのは当然として、見落としてはならないのは、勉強のしかたの基本をよく守っている、ということでしょうか。そして「止まる」学習が、見事に実践されています。

 しっかり身についているところは軽く流し、ややこしいところ、まだ理解と定着にやや不安があるところは、繰り返しの学習をきちんとしています。なんでもかんでもすべて基礎から、そして平均してもう一度やり直すのは愚の骨頂で、勉強にはこの強弱のメリハリがとても大事です。また、お母様の、本人任せもいいですね。要所要所きっちり視ておられますが、過干渉にならないよう細部にはあまり立ち入らないように意識的にされている。

 英語が好きでこのような勉強しているのかといえばそうではなく、むしろ算数や数学のほうがより好きなようで、英語ほどではないにしてもある程度先行学習をしています。しかしこの話は、英語だけに止めましょう。英和辞書を引くこともすでに習得しているなど、いまの公立中学生ではなかなか身につけていない学習上のいい美質も備えているのですが、これ以上続けるとなにやら野暮になるのでやめておきます。

 先行学習はどんどんやるべきだといい、やめておけともいい、そして実際に先行学習とはかくあるべきもの、という実例を書きました。そのポイントはただ一つ、「止まる」ことを知っているか、にあります。


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 この内容は、あくまで中1・2生及び小学生を想定して書いたもので、中3生の場合、このような余裕のあるまた悠長なことは言っておられません。大いに中1と中2の復習をし、また数・英などは先行学習をしないと、とても応用レベルの問題への対策とまた入試対策にも間に合いませんから、その予定でお進めください。