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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§245 問題集の選びかたをアドバイスしている情報について
<デタラメな指摘は実は多い>

 問題集の選びかたについては、すでにさまざなところで見聞してきているかと思います。下の内容はその一部で、よくある指摘、まあ一般的なものでしょうか。

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<問題集の選びかたに関するポイント>
・ 解答や解説が豊富でていねいな問題集を選びましょう!

 自分で解答合わせをした際、どうして間違えたのかを理解できるもの、詳し
 く説明してあるものを選びたい。解答編は別冊形式になっているほうが、チ
 ェックしやすい。

・そう厚くもなく少しやさしめの問題構成だなと思えるくらいが使いやすい問
 題集です!
 
 わかっていても実際やってみると、解けないということはよくあることです。
 やさしめに思える問題集を選んで、まずは1冊やりぬくことが大切です。
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 一般には、抵抗もなくすんなり耳に入る指摘でしょうか。しかし、わたしの場合、へそが曲がっているせいか、抵抗感があるはあるは、「ウソつくなよ、バカもいい加減にしろっ」と思ってしまいます。また「こ奴は、なんにも知らんな。成績のいい生徒からデキのほんとによくない生徒まで、実際に本格的に教えた経験がないんだろう」と、本能的に感じます。まともに読む気がしない、絵空事の文章です。「まずは1冊やりぬくことが大切です」の部分だけ、まともでしょうか。

 そもそもこの内容は誰に向かって書いているのだろうか? 中学生用に書かれているのは間違いないのですが、中1生かな、中2生かな、それとも中3生を対象としているのかな? さらに、大まかにいっても成績のいい生徒、中間の生徒、基礎もまったくなっいてない生徒と、その使う問題集は違ってきて当然だろう。さらにさらに、その使用目的、いままでの復習用なのか、日々の勉強用なのか、入試対策用なのか、また現実塾に通っておればそれなりの問題集も使っているだろうし、それとの併用も考えねばならないわけで、それらすべてひっくるめてのもうごちゃ混ぜ状態。焦点も定まらないところにポイントなんかないんだけどね。

 単に批判するだけならこんな内容にぐだぐだ付き合う気ことも書く気もまったくないのですが、この情報を鵜呑みにして、また軽く信じて問題集を選ぶ際、そんなものかと参考にされる一部の生徒やご父母の方がいないとも限りません。またこちらが当然と思っていることも、書かないでいると、それが当然でないことも度々あるものです。それゆえ、ぐだぐだ(?)もう少し、続けます。

「解答や解説が豊富でていねいな問題集を選ぶ」と書いてあります。これはほぼ絶対的真理(ちと言葉が大袈裟ですが)に思えそうなのですが、また誰も異論を挟むことはない、周知のことかもしれませんが、果たしてそうか?!

 教える側の視点からいえば、こういうことがあります。
 英語でも数学でもいい。それが基本でも応用でもいい。ある内容を教える。
それが生徒にとってほんのちょっとややこしい場合、説明を繰り返したり、ポイントを指摘したりするわけですが、理解を深めるために、あるいは前に習った事項との区別を明確にするために、当然言葉を余計に費やすことになりますが、つまり「解説が豊富でていねいな」教え方を行うことになりますが、それが単独唯一独立した知識であれば問題ないのだけど、多くは他と関連した知識であり、また英語などは基本があれば当然その例外もたくさんあるわけで、下手に説明の幅を広げれば、たとえその場での理解はできたとしても、あとになって整理整頓するのが勉強の基本なんだけれど、それを行う生徒なんて10%もいないのが現実ですから、説明の幅を広げた知識が却って徒となり肝心の覚えていなければならない事柄が混乱したまま身についていないことは、あきれるほど多いと言わねばなりません。

 つまり、シンプルに簡潔に教えること、ほんとうは理解を深めるために欲しいのだけどそれがあとになると却って邪魔になるがゆえ、余計な情報は入れない教え方というのも、実際上は必要なことであり、教える際の重要なテクニックのひとつともいえます。

 生徒個々人の勉強の場に戻しても、「自分で解答合わせをした際、どうして間違えたのか(+なぜできなかったのか、もつけ加えておきます)を理解できるもの、詳しく説明してあるもの」と書いてありますが、ではその解説や詳しい説明をどれだけ隅々まで読んで勉強しているか、そして自分の頭で考え、理解し、覚えこんでいるのか? この当然の作業が正しくできている中学生の割
合は、一般に非常に低い。詳しすぎて読むのも大儀な生徒、さらっと読んだだけで理解ができていると勘違いしている生徒、そんなものは端から眼中にない生徒・・・、ばかりではもちろんないが、半数は超えて7,8割はいるのだろう(経験上)。

 よって「解答や解説が豊富でていねいな問題集を選ぶ」という視点は、高校生なら当然としても中学生の場合は、それを実際どのように使うかがとても重要な問題でかつ生徒の課題なのであり、またその使用目的によっては、必ずしも豊富でなくても的を得たコンパクトな説明があれば用は足りるということも、認識のなかのひとつに加えておいてもいいのではないかと思います。

「解答編は別冊形式になっているほうが、チェックしやすい。 」
 これはくだらない。今の時代、解答が別冊形式になっていない問題集を捜すほうが難しいでしょう。靴を履くとき靴下も履きましょう、といっているようなものだ。

 さてもうひとつ、
「そう厚くもなく少しやさしめの問題構成だなと思えるくらいが使いやすい問題集です! わかっていても実際やってみると、解けないということはよくあることです。やさしめに思える問題集を選んで、まずは1冊やりぬくことが大切です。」

 たしかに厚い問題集は、たとえ内容が良くても敬遠されがちだし、やりぬく意欲が希薄なら、手をつけることはどうかと思う。参考書や社会、理科の辞典、また国語や英語の辞書などがキレイにカバーが掛けられたまま、本棚にすました顔で整然と並んでいるのを観ただけで、それらは単に飾り物に過ぎずこの生徒はまったく使ってないのだなということが残念ながら判る。活用していれば、でこぼこに雑然と並んでいるものだ。辞書もケースには収まっていないだろうし、なかにはしょっちゅう引くのに邪魔なカバーも外されていたりするものである。その姿との比較で、できるかどうかは判断できるだろう。

 さて、「少しやさしめの問題構成だなと思えるくらいが使いやすい問題集です! わかっていても実際やってみると、解けないということはよくあることです」とは、どういうことか? 使いやすいという基準は、問題集選択の付帯条件に入るだろうが、主なるポイントにするのは的外れであろう。それもやさしめが使いやすいとは、その使う目的や条件を設定せず、大雑把もいいところ
だな。

「わかっていても実際やってみると解けない問題がある」ため、あくまでその基礎・土台として、やさしめの問題集で十分演習するなら、わかる。またそれは大切である。この労を厭っても軽視してもいけない。しかしこの助言は、目的になっているのだ。実際やってみて解けない問題のレベルを公立入試に置きその形成を図るなら、根本的にこの指摘は間違いである。やさしい問題を解く力をいくら集めても難しい問題を解く力は形成されない。それなりの学習が必要だ。

 しかし、もういいだろう、この問題集の選びかたのデタラメなポイントに付き合うのは。その先にある勉強と問題集の選び方こそが大切なわけだが、そのことは、各学年、各科目、また学習目的にそって別け細かく今までに述べてきている。よって言及しません。

 ここまで書いても、今回のわたしの主張の論旨は明確になっていない。それは、誤った情報に付き合えば、こういうことになるとわかってもらえばそれでいい。このことは、問題をバリバリ解くレベルにある生徒ならばどんな問題集を選ぼうとも関係ないけれど、その域に達していないほとんどの生徒は、もしこのような情報に惑わされれば、とんでもない目に遭うことと符合しているの
だが。