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 中学生の学習のしかた by Toppo
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§15社会について思うこと VOL1<社会は暗記科目か?!・・>

 社会は暗記科目なのかな? 確かに数学や英語、国語に比べ、理解しないと覚えられないというわけではない。数学は他の4教科に比較し、暗記の量は圧倒的に少なくその分、思考力、直観力が大いにものを言うが、応用問題になるとある程度、その解法パターンというものを暗記することも必要になってくる。

 高校になれば数学ですら基本、応用を問わず更に暗記力が「前提」になるわけだけど(これは意見が分かれるところ)、中学の場合、英・数・国の3教科に対し理・社は一般に暗記すればいい科目と見られがちで、その分やや意識的に勉強する時間や取り組み方に軽視する傾向が見受けられる。

 理科はもう少し厳密に言うと、生物や地学などの暗記系に対し、電流などの物理や化学などは理解がなければ暗記も出来ない分野もあるわけで、単純に暗記すればよいとは片付けられない。
 というと大まかな見方で言えば、純粋に暗記系の科目というのは「社会」1教科になるわけだけど(論理は多少矛盾しているがお許しいただいて)、ここで問題にしたいのは、その勉強の取り組み方と実力の内容である。

 話は少しずれるが本来、勉強とは自分でするもので、学校の授業をしっかり聞き、教科書とノート、それに若干の問題集、参考書があれば、復習を基盤にして十分出来るものである。それが自立学習であり、正しい勉強のあるべき姿だと思う。私立中学入試はこれでは対応できないのは周知のことだが、公立中学から公立高校へ進むのなら、上記の勉強方法で何ら支障はない。

 しかし現実は複雑怪奇、その動機、理由は様々だけど、半数以上は塾に通い、或いは家庭教師に習ったりしてる。細かい分析は他のものに任せるとして、その理由の第一は英語、数学の勉強方法がわからない、あるいは難しいからで、余分に塾や家庭教師について勉強してるのである。

 逆に言えば、その為に塾があり、家庭教師がいて、英語、数学、あるいは国語を教えている。英数だけ指導する塾はあっても、英数を教えていない塾、家庭教師は聞いたことがない。そしてこのことを見方を変えれば、理科、社会は自分で出来る科目ということに他ならない。中3ならわかるが、中1から理科、社会を指導してる塾はあまり聞かない(あるにはあるだろうが)。

 以上のような環境のもと、中1、2の社会(または理科も)は生徒本人の手に任せられる。当然だ。その結果どういうことになるかといえば、中3になるとはっきりする。中1の地理で91点取ったのが、中2の歴史で88点取ったのが本物かどうかが・・・<成績のいい例で書いてますが> 

 つまり中1,2で、定期テストで頑張って80点以上取ってる生徒の力が、果たして中3になって(本当は中1の最後、or 中2の最後でチェックすればわかりますが)、そのまま実力テストで80点から90点取れるかどうかが。

 私の過去の事例で申し上げれば(中3の社会も教えてます。即ち、中1の地理、中2の歴史<直列勉強>の復習、中3の公民、そして入試まで)、地理、歴史ともごく基本の問題からなる、知っていて当たり前の問題構成で、テストしますと、平均点で30点前後になります。勿論100点満点の話です。成績のよい生徒ですら、50点前後です(A 君としますか)。まったく唖然とします。そしてもう一人、78点取った生徒がいたとします(B 君とします)。

 何故こういう結果が起こるのでしょうか? 殆どの生徒は30点前後、まったく実力がありません。絶えず80点以上取っていた(時には90点前後)A 君ですら50点。本人も周りも恐らく、社会は得意で、優秀と思っているでしょう。この落とし穴に入らないように、そして本当の実力をつける勉強をするために、これを書いているのです。わかってください。

 A 君の50点と、B 君の78点の違いはどこから来るのでしょうか?! どちらも通常の定期テストでは、似たような点数を取っていました。しかし、実力の開きは歴然としています。私には悲しいことに、二人の最終の結果の実力点(入試間際)が見えてしまうのですが、それを申しますと、A 君はよくて75点、適当にすれば60点少しでしょう。B 君の方はうまくゆけば90点前後まで伸びるかと思います。

 ご存知のように、入試は5教科です。数学の点も社会の点も公立高校の入試では同じ比重です。1点の重みを大切にしましょう。社会だけ見ても、二人の差は100点満点で見ますと、15点からひどければ30点も差がつくことになります。これでは勝負ありですね。

 どこがA 君に間違いというか、足りなさがあったのでしょうか? ある程度おわかりですね。そうです、一つは勉強の浅さ、一夜漬けのテスト対策でやってきたのでしょう。多少暗記力がいいものだから(?)、狭いテスト範囲はそれで対応できたわけです。ですが、地理の全分野、歴史の全分野から出題される実力テストなると、とても対応できない。覚えるのも早いが忘れるのも早い典型です。この種のタイプは案外多いので、気をつけましょう。

 そして二つ目は、社会に対する日頃の勉強時間が少ないのではないでしょうか。じっくり時間をかけ、手間隙かけて覚えたものは、そう簡単にはどんどん抜けないものです。(このあたりの勉強の仕方を次回より述べたいとは思いますが)更に付け加えるならば、社会に対する雑学がないのでしょう。

 雑学は人から教えてもらうものではない。あくまで本人の興味の範囲です。ですから、部分的に結構詳しいことまで自由勝手に知ってるものです。それが知識の裏打ちをするもので、更に記憶を支える一つになるんですね。知識の厚みがB 君にはないのでしょう。これはB 君だけではなく今の生徒全般にいえることですが。一歩線路からはみ出したことを聞くと、知らないことが多すぎる!

 あくまで「勉強の中だけの知識」では忘れるのも当然、実力がないのも無理はない話になりますね。このことは社会にとどまらず理科にも言えることです。こう見てくると、社会を単に暗記科目と片付けて、また適当な勉強時間だけで狭い知識の範囲で学習していると、実力がさっぱりつかないことがお解りいただけたかと思います。

 同じ勉強をするのなら、実力の伴う勉強を心掛けましょう。そのあたりのアドバイスを、次回より書いていきます。

 最後に、問題を簡単に作って見ましょうか。本当は地図や文章があればいいのですが、テキストファイルなので質問文だけにします。実力チェックの一つの参考になれば。

 A <新中2生へ> 地理 
 1.日本とイギリスの時差は何時間か。

2.ロシアではこの山脈の東側より極東を大きくシベリアと呼んでる。この山脈名を答えよ。

3.アフリカで一番人口が多く、また中央部に位置し、石油を産出し、らっかせいの栽培も盛んな国といえばどこか。

4.アルゼンチンで小麦が栽培されてる地帯を何というか。

5.ヨーロッパで人口約5800万、北部の工業に対し、南部は農業が盛んで、その貧富の差が大きい国といえばどこか。

 6.アメリカの農業は適地適作と大農法である。カナダとアメリカにまたがる地帯では何が栽培されているか。

7.ぶどうと桃の生産が日本一の県の名は。

8.北海道で製紙、パルプ工業が盛んで、掘り込み式人工港のある都市は。

 9.日本海を北上して流れる暖流名。

10.かつては岡山平野、現在は熊本平野、八代平野で作られてる畳表の材料になるものといえば何か。

 B <新中3生へ> 地理と歴史

1.日本がオーストラリア、ブラジル、インドの順で輸入している鉱産資源はといえば何か。

2.日本の秋田、北京、イタリアのローマ近く、イベリア半島の中央を通ってる緯線は北緯何度か。

3.インドネシアで信仰されている宗教は何か。

4.地中海式農業で営まれてる農産物を3つ言え。

5.大和時代の政治制度を何というか。

6.672年、天武天皇が勝利した乱を何というか。

7.1159年、平清盛が実権を握った乱の名は何か。

8.宗教改革でスイスのジュネーブで布教した人は誰か。

9.18世紀後半、イギリスで産業革命が起こったが、何工業から始まったか。

10.1392年、李氏朝鮮を建国した人は誰か。
 
 【Aの解答】
1.9時間  2.ウラル山脈  3.ナイジェリア  4.パンパ地帯 5.イタリア  6.春小麦  7.山梨県  8.苫小牧  9.対馬海流 10.い草

 【Bの解答】 
  1.鉄鉱石  2.北緯40度  3.イスラム教  4.小麦、オリーブ、オレンジ、ぶどう、より3つ  5.氏姓制度  6.壬申の乱 7.平治の乱  8.カルビン  9.綿工業  10.李成桂