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 中学生の学習のしかた by Toppo
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数・英問題集を使っての勉強の進め方VOL.3<中3の場合の数学について>

 中3数学の学習を、どのように進めていけばいいのか。それにはまず、中1と中2の数学の学習のしかたと明らかに違うことを、まず知って、いやはっきり知って、いやいや頭を二三発叩いて覚醒しておいて、違うんだ、という意識を入れ込んでおかねばなりませんね。えっ、しかし、何がどう違うんだ?・・・。

 それはまあどの教科にいえることですが、中3の場合、これから中3過程の学習をしていかなければならないのはもちろんのこと、中1と中2で習った内容の復習しなければならないわけです。また後半入試問題の対策とその傾向を過去問で掴み、応用力と思考力を磨く時間を確保しなければならない。大まかにいうと、この3つの作業があります。ねっ、違うでしょう?!
 
 しかし、そうだろうか? 数学は他の科目、社会や理科と明らかに違って、また英語とも異なって、覚えることはきわめて少ない科目でしょう? 公式や定理が多少あるだけで、それも中学ではほんとにしれている。中1,2年のいまの指導要領の中で、本格的な応用につながる問題は存在しない、といってもいい。あるとすれば、中2の後半の1次関数と図形の融合問題ぐらいで、それとて学校で習うことは通常まずない。

 従来、相似が中2の最後の学習にあり、そこから図形の応用、発展問題が形成されたのですが、いまは中3の後半に移行した。つまり、1年と2年の数学の学習は基本の集合で、その基本をしっかり理解、かつポイントをおさえている知識があり身についておれば、根本的に復習し直すことなんて殆ど必要ない科目なんです。関係ないことかもしれませんが私立の難関中学なら、この基本分野は1年で十分こなせる範囲でしょう。

 俯瞰的に観ればそれほどたいしたことがない単元、問題内容が、中1と中2の数学だといえます。また入試問題の視点から言ってもね。(これはずいぶん曲解されそうで、また語弊のあるいいかたですが。) では逆に、中学数学のレベルで、たいしたことがある(?!)単元、問題内容は、いったい何か、どこからかなんだといえば、それはやはり中3数学からだと思いますよ。

 因数分解、平方根、2次方程式の計算など、2次関数、そして相似と3平方の定理に始まる図形とその計量。但し、教科書の内容とそれに沿った基礎的な学習だけでは、たいした問題、発展的な問題に触れることはありませんが。(ここでちょっと宣伝。その隠れている、隠されている問題こそ、実はたいした問題なんですね。E-juku1stの中3数学問題集では、すべて隠さず、隠れようとしているものも無理にも引っ張り出しオープンにして、各単元問題構成しています。)

 要するに数学は、社会や理科のように中学3ヶ年を均等に割った内容ではないということ。社会でいえば、地理と歴史と公民を各学年で勉強しますね。ほぼ均等です。理科も同様。その合計なる力が、入試への本人の実力でしょう?数学の場合どうかといえば、ここではもちろん入試を見据えていってるわけですが、中1の内容が3割、中2の内容が3割、そして中3の内容が4割を占めているのか?ということですね。
 
「内容」を「力」と置き換えてもいいのですが、わたしの見方では、中1と中2の合計の内容で3割、中3の基本内容で3割、そして入試の応用と発展問題が4割となり、まったく根本的に異なります。一般的なイメージ、受け取り方とは大分差があるはずです。

 もちろんこれは公立高校とそれに見合う私立高校を指して、およそでいっていることで、公立トップ校を超える難関私立高校については、その偏りはもっときつくなるわけですが、例えば超難関某私立高校の入試数学の問題を見るに、全問(4問)すべて図形問題で構成なんてこともあるので、また公立といっても都道府県の問題構成も大問4問でじっくり解かせるところがあるかと思えば(まあこれが主流ですが)、時間数も少なく中レベルの問題を10問前後で構成する県も中にあったりで、一概にはいえないのですが、あくまで標準として。

 これを入試の点数でみますと、そのまま中1,2年の内容が30点、中3の基礎的内容が30点、そして入試の応用レベル的問題が40点という比率、構成です。もちろんそんなに明確に仕切ることはできないのですが、つまり中2の図形を土台にして中3の図形と知識が結びついたり、関数と融合したり、また応用レベルといっても公立の場合、その問題の作りは順次難しくなるわけで、小問の1番とか2番はある程度できるようになっていますね。

 ですから、普通に勉強していけば100点満点として、30点(中1,2年)+30点(中3の基礎)+10点(応用レベルの中の10点)の、計70点は取れることになります。でもそれは、一つのミスもなく、すべてわかって出来たとしての話。そして、中1と中2の数学のその基礎がまずがっちり入っており、中3数学の内容も基本的なことはすべておさえて出来ている生徒の力を表していますね。でも、実際、入試はその持てる能力の90%発揮できれば上等だと思っていますから、その分でいくと63点になります。

 入試数学の平均点を45点とすると、この点数はまずまずながら、他の4科目がしっかりしておれば公立2番手校には行けないことはないも、トップ校には甚だ無理がありますね。つまり最低でも70点を取る力をつけるとするならば、前もって80点近くは取る学力を、またはそれ以上養っておかなければならない。

 ここで留意しておきたいのは、入試結果63点の生徒も、70点の生徒も、はたまた85点も取る生徒も、定期テストの点数は93点や95点とあまり変わらないということです。実力テストではその差は微妙に開くものの、顕著な差はあまり出ないこともある。そのあたりの力の見極めが実は重要なのだが、この差の原因はもうおわかりかと思うのですが、入試の応用レベル的問題40点への対応力、吸収力、そして実力では補完しえない本人の潜在的に持っている数学の能力そのものにあるんですね。これを鍛えることは時間もかかるし、ほんとに難しい。

 ここではそれに言及し掘り下げることは避けますが、入試を見た場合の実力の養成という視点では、単純に中1,2年の復習をし、中3の学習をおさえ、最後に入試対策にすればいいという段取りでは、なかなか本番の試験ではいい点が取れない、また取れるものでもないということが、そしてその学習の比重のかけ方、進め方が、どうも一般的には矛盾していることが、おわかりいただけたでしょうか。

 また公立高校受験の場合、内申の比重もかなりあるわけですから、それとのバランスや齟齬もあり、何より生徒の現実を視るに、こうして平面的には語れない、もっと立体的でさまざまな問題点があるんで、本来はもっと単純だと思えるんですけど、説明すればするほど、分析すればするほど複雑になる印象は避けることができません。

 目線を鷹の目から、蟻の目に移して、次回、もう一度、大多数の生徒の現実に沿った学習の進め方、その問題点について、触れたいと思います。

 一つ問題を出しておきます。中3生ならできる筈です。いや、解く条件、知識は学習済みです。次回、これを踏まえて説明していきます。

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<問題> 
・適当な用紙に適当な3角形を描いて下さい。(適当な3角形ということは、2
 等辺3角形でも、正3角形でもありません) 
・△ABCとします。(上の頂点がA 、左回りにB 、C)
・AB を1辺とする正3角形を、その外側に描き、D とする。同様に、AC を1辺
とする正3角形を描き、E とする。D とC, E とB を結び、DC とEB の交点を
 P とする。

◎問題:∠BPC は何度か、求めよ。<制限時間5分>

<答え>120度