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 中学生の学習のしかた by Toppo
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§14英語について思うこと VOL6<中3英語の勉強のしかた<続>>

 まず勉強期間を見てみましょう。中3が4月から始まるとして年内9ヶ月、年明け1ヶ月の計10ヶ月で、私立入試(2月上旬)を迎えます。そして公立まで約1ヶ月です。これを長いと見るか、短いと感じるか。ところで公立入試の場合、入試科目は5教科です。都道府県によって中学の内申と高校入試の点数のつけ方、その比重はばらばらですね(これについてはまた後日触れます)。

 まず私立入試でみれば10ヶ月の期間。、雑な切り方でいえば、英語だけ勉強するわけではないので、他の科目を考えると、10÷5=2の2ヶ月。明けても暮れても英語だけ、という勉強に費やせるのは2ヶ月の60日間という勘定。その間に中3の新しい文法単元を学習し、中1,2年の学習も復習し、更に高校入試の問題に対応する力も蓄えねばならない。そう見ると大変ですね。

 もちろんこれは空理空論、詭弁で、現実はそんなことはない。しかし実質内容はそれくらいしかない、ということも知っておいて損はないでしょう。ここで言っておきたいのは、一つ一つを丁寧にしっかり深く覚えていくということ、今までのように忘れたら又繰り返せばいいや、という安易な気持ちでは時間が足りなくなる、ということです。

 そして中途半端な状態で、即ち十分な勉強を積むことなしで入試を迎えることになりかねません。やるだけのことはやった、という気持ちで入試に臨みたいものです。

 さて、《勉強方法そのもの》は今までに何度も述べてきましたので、ここでの反復はもう避けます。スケジュールの面と実力テスト対策、入試対策について少し触れたいと思います。

 まずスケジュール的なものですが、細かいところは差し置いて、志望の公立高校受験合格が第一としますと、とても重要なのが内申ですね。英語について絞りたいのですが、ちょっと簡単に広げますと、塾に行っておればその指示に従って、また既に兄や姉が高校、大学に進学しておれば大体のことはわかってられると思いますが、中3の2学期には内申が90%決まりますね。中2の成績も入る県もありますが大抵は3年の1,2学期の定期テスト、実力テスト、提出物、などによって決まります。5科目の重要性は言うに及ばずですが、意外とボディーブローを受けるのが実技4教科です。これを軽視すると、まず志望校の受験は甚だ難しいと思ってください。何故か? 別の機会に書きます。すべての科目が大切です。

 ですから、1.2学期の学校での勉強に重点をおくのは当たり前、3年で習う新しい英語に集中すること。すべての文法が入試に直結しています。そして入試長文は特に、3年で習う文法の目で読まねば出来ません。

 形的には中3学習は年内の11月ぐらいには終えておきたいものです。一人で頑張ってる生徒はその辺を考慮して置いてください。学校では3学期の初めぐらいかかるのが普通ですから。(参考に申しておきますと、大手の進学塾の一部の特進クラスでは夏休みぐらいで中3学習は一応完了してますね、あとは復習、そして実力アップ問題、そして入試実践問題で更に力をつけていく。2学期まるまる、これに余裕を持って当てられる。3学期の1.2月は更に取りこぼしを無くし、完成に達する。しかしこれに耐えられる、即ちこのスケジュールを吸収できるのは、本当には公立中学の生徒の3%ではないかな。ですからご安心を)

 次に12,1月を私立受験勉強にあてる。志望校の過去問を解くのは言うに及ばず、文法知識をどんどん広げねばならない。これがなかなか吸収できない生徒が多いから、注意して。次に、公立受験ですね。約1ヶ月あるわけで、イメージ的に言えば、横に膨らんだ知識を削って、縦に厚さを増さねばならない。ガードを固めて、ミスを減らす、単純なことを間違えない、文法的な受け答えを正確にする、英作表現力を磨く、ヒアリング演習をする、などです。傾向に合った勉強ですね。

 さて次に実力テスト対策ですが、これは言い換えれば今までの学習範囲の復習に相当する。これは今までさんざん述べてきたことがらです。定期テストの間や休み明けにあるのが一般的。私は常々思うのですが、一週間やそこらで実力テストに対する対策はあるのでしょうか、また出来るのでしょうか?! そしてそれが生徒の実力と結びつくのでしょうか。

 前も書きましたが、もし真剣に行えば3週間から1ヶ月はかかります。なにしろ2年以上もかかった5教科の勉強をするわけですから。そんなことを仮に3回でもすれば授業が進ないどころか、入試対策も出来なくなる。では一週間で出来ることとは? 自分でするにしろ、塾で教わるにしろ、表面的なことになるのではないかな? せいぜい確認程度。

 では、しない方がいいと言ってるのか? そうではありません、必ず一度はどこかでしっかり時間かけてすべきでしょう。ただ表面的な対策を3回、4回やっても効果が薄い、ということです。やるのなら弱点を徹底的にすることを心掛けて。

 ここで文法問題2例を出します。やってみてください、或いは生徒にさせてみてください。<所要時間1分>
(問1)Bill's father will come back ( ) two hours.
   「ビルの父は2時間で戻ってくるでしょう」
  <日本文に合うよう適する前置詞をいれよ>

(問2) Is it fine ?
 <tomorrowを入れて未来形にせよ。ただし be going to を用いて>

【解答】
  ・Bill's father will come back ( in ) two hours.
  ・Is it going to be fine tomorrow ?
(説明)
 中2の未来形の復習です。問1の方は、for にしてませんか?
 問2の方は、be が抜けてませんか?

 二つとも難なく出来ていれば、注意力、実力はあると思います。しかし一方だけ、或いは両方出来ていなければ、上で書いた実力テスト対策は無意味に近いのではないか、また空回りするのではないか、と思います。あくまでプラスαを求めなければ。恐らくこのようなわかっていないことがあちこちで起こってると想像されます。それを簡単に取り除けるぐらいなら、むしろ既に出来ています。ですから一週間やそこらで実力補強できるなんて、現実の生徒を見れば、とても考えられない。

 やはり普段の勉強です。その中に課題は山ほどあるのです。3年の学習をしながらも、リーダー、問題集、先生から与えられたプリントをよく見れば、1、2年の復習は一杯あります。問題は生徒にその目があるかということでしょう。実力を蓄える元は、普段の学習の中にある、ということをしっかり考えて下さい。そしてもう一つ、夏休みなどに学校で指示された副教材というか、中1,2年の問題集の宿題をじっくりやることです。復習するにいい機会ですし、内容も大切なことばかりです。

 現実は、等閑にしてる生徒が9割以上でしょう。何故そういえるかといえば、2学期に入って基本のチェックをしても相変わらず間違える、同じミスを繰り返す、まだこんなことも頭に入っていないのか、という事態に頻繁に出会うからです。(ただし、私の作成した問題集は、入試を意識した問題なので、レベルが高い(?)といえますが、それでも生徒の平均偏差値60ぐらいのお話)一体何のために宿題をやってるのか? これが実力対策の基本中の基本です。
 自ら、自らの力で基本は復習できるものです!

 最後に入試対策について触れておきます。
 
 私立対策と公立対策がありますね。既に書きましたようにその問題内容と傾向は明らかに違います。また私立高校の問題レベルも受験する生徒のレベルによって、というより各高校の生徒への期待する学力レベルによって問題量も問う知識も差が出るのは当然です。ですから、過去問5年分を前もって解き、対応する力を養わねばならない。

 偏差値50ぐらいのA高と偏差値65ぐらいのB高とでは同じ50点でもその質は全然違いますが、だいたい大まかに言って、レベルの差関係なく60点以上と取れば合格でしょう。勿論他の科目も平均しての点ですから、弱い科目で40点もあれば得意とする科目で75点とかも出てくるでしょう。また専願、併願でも違うわけで、一概には言えないけど、一つの目安として60点以上は確保して欲しい。また特進クラスとなると70点以上は最低欲しいことになります。

 英語だけに絞って言いますが、例えば中3の学習をすべてやり終えて、12月はじめに過去問1ヵ年だけしたとします。偏差値50ぐらいの高校では十分対応できますが、仮に65ぐらいの高校としますと、48点ぐらい取るのが、いいところ56点ぐらい取るのが関の山ではないかな。案外取れないのです。普通の勉強だけしておれば。でも自信を失う必要はさらさらない。ここからでしょう、受験対策が始まるのは。

 塾とか業者の学力テストで英語の偏差値65ぐらいあるとしたら、十分補えるものです。ただそのやり方を間違えてはいけない。いたずらに連続して過去の4年をしても点数はあまり上がらない。しっかり反省をしなければ!! 自分が間違った、出来なかったところを吟味して、検討をすることです。仮に上の48点だとしても、ミスや勘違いで10点はある。また問題の解き順を変えたり(直ぐに出来るものから手をつけるのは鉄則、長文は後回しなど)、習ったことを十分吐き出せないでいるところが必ずあるもので、それらを低く見ても5,6点はある。計15点を足せば、63点ではないか?! この辺の課題をクリアして、次に臨むようにしなければ。

 それでも次の点は56点ぐらいかも知れない。しかしこれを繰り返せば、即ち常に反省し、考え、改善するならば、5ヵ年をやり終えたあとは67,8点には到達しているはずだ。また、自分の力を分析し、問題点を見つけ、長文を読みこなす力を磨いていけば、70点を超えることもそんなに難しいこととは思われない。力のある生徒は80点突破を目指して欲しい。

 次は公立対策ですね。期間は約1ヶ月。ここは一言でいうとガードを固めること! 私立対策でした力を温存しながら、更に長文問題に慣れ親しんでいくこと。過去問をするのはいうに及ばず、如何に1点、1点を大事に取っていくか、逆にいえば1点のミスを減らすかが重要。文法的にはややこしいところはないのだから。私立高校とは違い、100点満点でいえば、出来る生徒は90点以上を平気で取りますから。

 また公立入試では、ヒアリングの訓練も必要だし、更に表現力を磨かねばならない。新学力観に対応するためにも、自分の思うことを平易な文で表現する訓練が欠かせません。存外この力が生徒にはないから、他府県の問題にも数多くあたり、英作力の修練を積むことがキィーポイントですね。