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公立入試数学の問題について <相似と補助線>
今回は「<新版>公立入試数学の攻略」という問題集のなかの図形問題編を
作り替えていてる最中に、まあつくづく思ったこと、そのなかでも特に入試図
形問題を解く、これが入試数学で自分がとりたい目標点をぼろぼろにしないと
いうか失敗しないですむ最大のポイントになりますが、そのときのコツについ
て書いてみようと思います。
しかし、そのことをこうした文面で伝えることは、ほんとに難しい。95%以
上伝わらないことはいとも簡単に予想できるし、これをお読みいただいている
方はそもそも生徒自身ではなくその御父母の方が大半であるでしょうから、中
学時代の数学なんてそれも高校入試に関わる数学問題の図形の話なんて、いま
さら興味も湧かないだろうし、頭が痛くなるだけの最も敬遠したい話題になる
可能性が大なんですから・・・。
また、いまはまだほとんどの生徒は中3数学の課程を勉強してる最中で、そ
れら全部を終えてからでないと、入試問題とりわけ図形に関する問題が解ける
わけでは決してなく、タイムリーな話題ではまったくないということです。
そして具体的でなければなんでもイメージしにくいし、解りづらいところが
あるものですが、この場合も、特にその具体的な例を示し説明することは無謀
に近いことであり、せっかくお読みいただく方もこちらのほうも実にややこし
い点があります。でも、それを承知の上で、ほんの2例(入試図形の平面問題
と空間問題)ですが下に示してみます。
<問題1〜空間図形>
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/mathjituryoku5indx-mondai1.htm
★<解答1〜空間図形>
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/mathjituryoku5indx-kaitou1.htm
<問題3〜平面図形>
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/math-nyusi/nyushimath-zukei1-mondai.html
★<解答3〜平面図形>
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/math-nyusi/nyushimath-zukei1-ans.html
問題を具体的に見てもわかりづらく、いまは★印の解答のほうだけをご覧い
ただければいいのですが、それでもなんのことかピンとこない方がほとんどか
も(?)しれません・・・。私なんぞも数学者が解いている難問の解答式を見
て、なーんのことかさっぱりわかりませんから、それとよく似た感じかも・・
・(もし失礼なことを書いているならご容赦ください)。
ただ解答は詳しく説明、途中式もできるだけ飛ばさず書いており、またなん
で次にこういう式があるのか、その意味もかなり載せて書いていますので、問
題に切り込んでいく取っ掛かりが見えるかもしれません。
〜問題集のほうではすべて、式だけでなく1問ずつ「解法とポイント」を載
せてあり、また考え方やヒントなども必要に応じて詳しく明記してありますの
で、豊富な問題を積んでいくなかで、そして繰り返し似た応用問題を解き進め
るなかで、重要な解法テクニックをじわじわと身につけていける構成にしてい
ること、宣伝になりますがここで書かせていただいておきます。〜
さて、前置きが長くなりました。今回新たに数学の入試図形問題を編集、実
際にひとつひとつ問題を解いていくなかでつくづく思ったことについて、がテ
ーマ、別に大きなテーマではないのですが、それを書かねばなりません。
そのために図形問題を用意し、特に解答をご覧いただいた(?)わけですが、
つまりそれは、一言でいうと、「応用問題を解く際のコツ」をいくらかでも伝
えることができれば、いや少しでも知っておけば入試数学の勉強を実際進めて
いく段階で、それもうーん、なんでこんなにも難しんだ、入試図形の応用レベ
ルの問題となると解くのはちょっと無理なんではないかな?・・・と肌身でひ
しひし感じたり、後ろ向きな気持ちになって引いてしまう場面になったときに、
いやこういうふうに考えてごらん、こういう切口で図形を見てごらん、といっ
たひとつのノウハウ・コツを示しておくのもある種意味があるだろうと思った
からです。
そのコツをひと言で大きくいうと、「相似と補助線」にあります。
相似をどう使いこなすか、というより、どう使いこなせるか、ですね。あと
は、補助線を的確に引けるか、が勝負です。この二つが問題に切り込んで解答
に結びついていく道の上を進んでいけるかどうかのポイントになりますね。応
用の中級レベルと上級レベルの問題になると、特にこのふたつを使いこなせる
力が要求されます。高校入試における数学の図形力とは、このふたつを使いこ
なせる力を指す、といってもいいくらいです
教科書や学校の授業で習う相似は、もちろん基礎として大事なのですが、そ
の問題をやった、理解もじゅうぶんした、テストでもできた、という段階の力
は、あえて基準をぐんとてっぺんまで上げたところで書きますが、まだ30%か
らよくて50%くらいにしか到達していないかなと考えています。
入試数学の図形に関する応用問題(ここでは大問のなかの小問1・2・3・4の
構成。1は証明、2は4問構成ならふつうやさしいでは(3問構成なら、2は結構
難しい)。そして3と4です。これが応用レベルの問題になりますね)、1と2が
できても、3と4は30%から50%くらいの力なら当然歯が立ちません。
一般にイメージとして、基礎とその周辺の問題を演習しテストでも85点とか
90点以上をとっていれば、80%くらいの力は身についていて、あとは過去問な
ど入試問題やその他の応用問題をやれば、入試に向けた応用力はそこそこつい
ていくだろう、と思われている方が多いかと思います。
しかし、実態はそうではないのがふつうです。上で書いた基本の勉強で仮に
50%ほどの力があったとしても、せめて80%くらいの力がついていなければ、
3の問題はできません。この30%ほどの差を埋めていくのが入試勉強の核心に
なります。
それには相当時間がかかる。また、かなり多くの図形問題を解いていかねば
なりません。わたしの感覚でいえば、150問から200問くらいはすくなくとも問
題演習してほしい。このなかで、「相似と補助線」をいかに使わなければ解け
ないか、またいくら考えても使えずに解法に結局至らないかの場面に、たびた
び遭遇するはずです。
相似のなにを使って、そして補助線(平行な補助線・二つの線分を延長する・
垂線を下す<これが一番多く9割くらい>)をどこで引くか、などたくさんの、
ほんとうにたくさんの問題にぶつかって学び、吸収しなければなりません。
(その具体例が、上記URLの問題解答のページなのですが。)
このことを知っていてほしいと思います。学び吸収するのは自分の頭で、で
す。塾の講義を聞いてできなかった問題の解法を理解した、あるいは問題の解
答をじっくり見てよくわかった、という段階では、まだほんとうには自分の力
でできるようにはなっていませんから、自分の頭でしっかり考え、またできる
ようになる勉強の追及(つまり復習)がぜひ必要です。
こうした勉強がないと、あるいは中途半端であると、30%ほどの差を埋めて
いくことはまったくできないのです。このことは数学の入試平均点をみただけ
でも、よくわかることです。平均点の45点(ふつうはこれくらい)というのは、
中学3カ年で習った基礎と基本ができていればとれる点数で、逆にいえば、入
試の応用問題レベルはまったくできていない学力です。
そうではなく、成績上位の生徒に戻しますが、30%ほどの差を受験対策をし
て半分ほど埋めたとしても、3の問題は、まだ入試本番ではできないでしょう。
そんなもんです。「相似と補助線」をこなせる力はまだじゅうぶんではありま
せん。自分の頭で考える力、図形と設問に隠されている意図をつかみとる力、
さまざまな解法テクニックやノウハウを的確に運用する力などを自分のなかに
溜め込み深く身につけなければなりません。そのためには、もっと問題演習量
を増やすことでしょうし、解答に至る大事なポイントを自分で見つけ出し、そ
の要点など暗記する訓練が必要でしょう。これらができて、80%です。そして
とても重要な目標です。
では、4の問題(3問構成なら3番)ができる力とは、どういうものなんでし
ょうか? 90%とかそれ以上の力が要るんでしょうか?
これははっきり言って机上の空論に近く、数学的才能や直感力の部類も入っ
てくるので、説明するのがむずかしい。偏差値的に言えば70を軽く超えていま
すし、80%の力で4の問題ができることもあれば、90%ほどの力がもしあった
としても4の問題(そのレベルのなかでも特に高いもの)ができないことが、入
試の環境下ではあるんですから。
ですので、数学が得意な生徒はまず、80%の力をつける勉強を目指してほし
いですし、またそれはなかなか困難であることも予め知っていて勉強を進めて
いってほしいと思います。
E-juku1st.Comから上記学習に対しお勧めしたい問題集は、下の3つ。
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※「<新版>入試図形問題の攻略Version5<247問>」
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/mathjituryoku6indx.htm
※「<新版>公立入試数学の攻略 by Toppo」
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/mathjituryoku5indx.htm
※「算数の図形教室問題集」【小学生用&中学生用】
http://www.e-juku1st.com/referencebooks/sansuu1.htm
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