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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§183 中1数学・再学習問題集について 
<中1英語REVIEWの数学版>

 今回はまた新作の問題集、「中1数学・再学習問題集」について勝手ながら説明をさせていただきます。

 ここ最近、中3生対象の英語の問題集、「トップ校合格への英文法 by Toppo」・「入試英語・長文読解の攻略 by Toppo」など、中学英語の‘完成領域’の問題集の作成が続いたのですが、今回はぐっと180度転換、中1生のための数学、それも基礎の土台分野に目を向けて編纂しました。内容的には、中1英語REVIEWの数学版といえるかも知れません。

 なぜ作ったかといいますと、中1数学がいまいちわからなくなったり、定期テストでの点数も勉強している割(?)には振るわなくなって、結果もついて来なくなってくる、また、どうも基本のところで理解が不十分、安易なミスも目立つ、というような症状が出て来るのが、そしてその原因を、当人もお母様もそこそこ掴めてくるのが2学期の後半から、というケースが多く、その場合、通年用の数学問題集をご利用いただいていたのですが、なにぶん日々の学習を地道にコツコツ、また入試に必要な中1の土台と実力を磨くことを目的に作ってありますのでそこそこ分量も多く、最初から使うには適しているのですが、途中からになりますと逆に負担が大きく、さらに、やや応用的なもの、生徒が難しいと感じる問題は除外して、あくまで弱い基本部分と理解が足りない箇所を重点的に補うなら、そして復習という観点であくまで勉強するなら、また違勉強の段取りも在るわけで、それに対応することは大切だと考えたからです。

 中1の場合、理解が不十分、わからなくなる単元はご承知のごとく、「1次方程式の文章題と正比例・反比例の関数、また平面・空間図形の問題」になります。ではそこをしっかりすればいいかというと、もちろんそうなのですが、計算も実は、途中式を書かない、自己流の乱雑な計算をしている、ミスをよくしている箇所の確認とそれを防ぐ反省点の作業をしているのかといえば実は怪し
い、怠っているなど、改めねばならないところがありますね。

「正負の数」の乗除先行のルールや( )のついた式、累乗計算、文字式の計算、代入など、基本を守れているか、理解して計算しているか、再度チェックする必要があります。

 また、文章題では、読めばすぐに式が作れる簡単な問題はできても、少し捻ると途端に出きなくなる、条件を式にどう転換するのか要領を得ない、そんな国語力の貧弱さに起因する現象の他に、そもそも前の単元の、「文字式」の意味と表現方法そのもですら十分呑み込めていない、使いこなせていない、といった問題を抱えていることが多いのである。これも細かく直してゆかねばなりません。

 ですが、直していくのは、再度理解と確認をするのは、もちろん本人です。それが一体どこかなのか(うーん、これが、職業柄たまらなく、また幻滅(?)して知りたくもないと思うほどに知悉しているわけで)を指し示し、吸収するのが不十分、もやっとしいて不透明な部分、理解が足りないであろう箇所を問題を通して明示し、知らしめる。どうしても押さえておかねばならない中1数学の、あくまでそのポイントと勉強の材料を提起する問題集です。

 そのような視座で把えた場合、中1の文章題と関数と図形の単元を、どこまで扱うのがいいのか。つまり、何をどの程度学んで、理解し、できるようになっておけばいいのか。少なくとも中2の勉強に入って、土台になる中1の学力が不足していることによる躓きを最低限防ぐために、何を習熟して身につけておかねばならないのか――。

 要らないものは取り上げない。また復習ですから、問題をするのにあたり、その基礎となる知識を最初から丁寧に解説しても意味はあまりない。問題はその運用のしかたであり、出来るようになるための生徒の後半部分の詰めの甘さ、考える力の不足にあるので、そこに焦点を中てる。どうしても必要なものだけを訓練し、かつ理解し易いようにできるだけパターン化する。(作る前に、考えたことです。)

 文章題は、代金の基本となる問題、割合問題、距離問題、食塩問題、過不足問題の5つに絞り込みました。例えば距離。A地からB地まで行きが時速4キロ、帰りが時速6キロで往復に5時間かかった、A地からB地まで何キロか、といった問題は、読めばすぐに立式とその意味するものが浮かばねばならい。そして同時に、もちろん基本通りに、何をXとするかを書き、次に線分図を描くなどの解法の手順を守らねばならないのですが、まあ習った当初はいいとしても、こんなレベルでも中2になると、一般には軽く半数も正解が出ない始末であり、そして当然の如く(?)、何をXとするかも書かず線分図も描いて考えようともしないのが、文章題が苦手とただ口だけでいっている生徒の現実の姿といえます。こういったことはすべて直さねばなりません。基本とは何かを、再度学習し直し、そして必ず身につけることです。

 次に、正比例・反比例。生徒の立場から離れていうけれども、ここは、はっきりいって、たいした単元ではない。入試問題からまた関数全体の問題から瞰た位置づけであるが、額に皺寄せてあれこれ思考する内容なんてまったくない。それは中2の1次関数から始まるわけで、あくまで基礎になる部分(グラフの読み取り)と以後の実力テストで出る定番問題ができればよし、あとはやや応用に見えて実は簡単な問題(型に嵌っているのですが)を押さえておけば足りる。

 最後の単元、平面・空間図形について。これは上と逆に、かなりの問題にあたり、時間をかけて勉強しておくべき単元である。しかしそれは、いまのカスカスの内容の教科書や学校での授業をしっかりやっておけばいい、また基礎は事足りるということではない。そんな程度でいまの公立中学生の多くが、図形の基礎を習得できているとは、まず考えられない。そもそも図形を視る初歩的な目と解くセンスそのものが、備わっていないし形成されていないのだから。

 それを基本から本格的に養う、また高度な図形解法の処理能力とセンスを磨く問題集として「算数の図形教室(中学生用<B>)」を用意してありますが、それはさて措いて、とにかく次に繋がる、以後の実力テストや入試にも出る中1図形の知識、学んで最低押さえておかねばならない問題だけを、選りすぐってこの問題集に取り入れてあります。

 やや具体的にいいますと、基本的な平面&立体の図形の求積(便利な公式も)・作図・多面体の切り口・立体の高さを知る、などです。実践的な問題です。つまり、基本の知識を仮に知っていても、それを使いこなせなければ意味がない。例えば作図。

 長方形ABCDがある(普通に見かける長方形を、適当な長さで書いてください。そしてぐるっABCDの頂点を書いてください。これは別に、デタラメな形の四角形を指定しても同様です)。頂点Aを頂点Cに来るように折り曲げた。そのとき、折り目の線を作図せよ。ほぼどんな問題でも作図では、コンパスと定規だけを用いるのは常識ですから。さて、すぐに、すっと作図できるでしょうか? 制限時間2分。中1生だけでなく中2生もできますから、よければ確認を。
(恐らくできる生徒は4分の1もいない・・・)

 基本の知識は垂直2等分線です。この垂直2等分線の意味することが、まずわかっていないはずです。だから、できない。垂直2等分線とは、2点から等距離にある点の集合です。この言葉は暗記しておかねば。ある線分の垂直2等分線を単に作図できても、それは学んだとはいえない。「頂点Aを頂点Cに来る」という条件で、すぐに2点という条件を掴んでおく必要がある。その2点を結ぶ線分に対し折り目の線は、ちょうど垂直2等分線にあたりますね。

 こんなのは基本レベルの問題です。ところが現実は、もっとひどいことがさまざまにありますね。コンパスがまともに使えない?!って、生徒がいるんですね。これはいまや、10人に1人どころではないでしょう。知識以前の作業の問題。尖った針のほうに力をやや加えて、ゆっくりていねいに鉛筆の芯のほうを回す。それがどうにも不器用にできない。何度コツを教えても、上手くなれない。目が点になるというか、唖然とします。おいおい、小学校でこんなことも満足に習っていないのか、と。

 まあ、少し話しが逸れましたが、図形に関しても学んで押さえておかねばならない知識や作業、また問題点は数々あります。それらの中で、最低身につけておかねばならないものを重点的に、構成編集して作りました。

 問題集は<A>と<B>に別れ、各18枚の計36枚で構成。<A>の詳しい説明(左側)を確認し、問題(右側)をしたあと、さらに<B>の問題集で演習を積み、理解深めるような形式になっています。これに通年用の中1数学の「定期テスト対策」(21枚)をセットした形で販売。<A>と<B>につきましては、いまからですと短期間(1ヶ月以内)で集中して行えるはずです。

 これまでの学習で、中1数学の基本がいまいち身につけていない(平均点や50,60点しか取れていない)生徒用に、また、理解して暗記しておかねばならない文章題の解法の知識や、関数、図形の問題で、押さえておいて当たり前のポイントなどを再度チェックして中2に備えておきたい生徒用に、少しでも役立てばさいわいです。