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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§163 数学の問題集を作りながら思ったことVOL.2
<中学数学/ミスと弱点を減らす問題集>

「中学数学ミスと弱点を減らす問題集」という、ちょっと変なネーミングですが、数学の新しい問題集を独特な視点の切り口で作り、完成しましたので、今回それをご紹介させていただきます。

 この問題集は、公立中学の3年生を対象の中心としています。また2年生も多くの生徒が不得手、弱点とする「1次関数」「図形の合同証明」などを勉強する上で、貴重なアドバイスとコツ・重要な知識が含まれているので、計算と併せその範囲のご利用においては、十分役立つ内容になっているかと思っています。

 内容の概略ですが、「計算」と「関数」と「図形の証明」、この3つ分野に絞込み、また焦点をあて問題を構成しました。入試問題には傾向と法則があります。それと同様に、生徒にも傾向と法則が歴としてあります。

 その生徒の傾向とは、中3課程も済ませた最終段階、入試対策に入ったまさにその時点でも依然として、計算上の誤った方法とそれに伴うミスを直せないでいたり、因数分解など乗法公式の運用のミス、やや応用的な因数分解のしかたを忘れてしまっている生徒など、毎年多数いるわけです。

 また1次関数、2次関数の関数問題においても、ごく基本的なところでミスをしでかす問題があります。それはしてはならないのですが、最初は教えたすぐにミスをやらかし、それを直し、定期テスト前にはまたまた、「基本に忠実に」そのものを忘れてしまい、ミスをやらかし、それを改めさせ、最終の公立入試の過去問に出てきた段階でも、またまた不注意この上なくミスをしでかす生徒が2,3割います。

 またその部分とは違い、関数の基本的知識としてこのくらいは解けて当たり前、知っていて当然すらすら問題処理をするレベルで、実にまだきちっと理解ができていなかったのか、そして他の問題でも同様にこなす力が身についていなかったのか、空白を残し、容易に解けないでいる生徒がいる。

 さらに図形問題。これは奥が深い。数学の能力とセンスが赤裸々に問われる分野である。応用段階の問題を見てみても、そのレベルはピンからきりまである。しかし、いま問題とするのはそれではない。もっと基本である。図形には平面図形と立体図形の問題が2つ出題されることが多いが、その平面図形で「証明」は、公立入試において必ずといっていいほど出される。

 配点は当然高い。これは難解な証明で生徒にはちょっと無理だな、とわたしが感じたものは過去20数年のなかで2,3例しかない。大抵は平凡で、多少のテクニックを知っていれば容易に証明できるレベルのものばかりだ。しかし生徒は、これを苦手としている。中2や中3で束の間身につけた証明は、その問題内容そのものが固定していたり、また穴埋などのやさしい出題形式が多いため、定期テストでたとえ出来ていても、ほんとうに「証明」という論理と表現を完全習得している生徒は、10人に1人もいない、といっていい。

 毎年、生徒の入試問題での証明、つまり10行前後の作文(?)を聞くわけだが、論理は通っておらなかったり、強引な説明であったり、舌足らずな表現であったり、証明上の約束事、筋道と説明のしかたの基本がなっていない生徒、さらにもっとひどいのは、どういうふうに証明すればいいのか、その入り口ですらわかっていない生徒がいるのには唖然とする。

 証明があるということは、そのあとに続く問題が2,3問当然あり、次第に難しくなるのがこれまた公立入試の数学の基本形式だが、その解法の流れは証明の結果を必ず2番の小問に使うのも基本である。3番くらいからガクンと壁なるものが存在する、つまり思考力が試される問題の構成が一般的かといえる。確実に解きたいのは最後の問題(偏差値68〜70以上の生徒)を除いた、1番の証明とその結果を使う小問である。問題は、そこが出来ないのだ。

 生徒の傾向をざっと書きましたが、では法則なるのもはどういうことかといえば、一口で言うならば、それを経験としてなんら活かさないということです。過去の問題は解いたが、その対策と反省、つまりミスと弱点の追求は等閑になっているのが一般的な生徒の姿です。それは結果から観ればよくわかることです。毎年の数学の入試問題の平均点なるものは、50点もないのが普通ですからね。

 生徒が受験の数学に臨んで、「まさにこれくらいは出来なければならない、ミスをしてはいけない」という大事なポイントがある。それは計算問題におけるミスを排除すること、関数問題の基本がかっちり出来ること、そして図形の証明が出来ること、まずはこの3点です。しかし、数多くの生徒が受験対策とその勉強をこなしても、意外と力をつけられないまま入試に臨でしまいがちな
のもまた、この部分である。

 この3つのゾーンで10点確実に上げることが(上で指摘したことすべてを吸収できれば20点前後は上がるのですが、控え目に書いております)、合格への確かな足固めとなるかと考えています。他の問題集には絶対ないその視点で、この問題集は創りあげました。また中2生が勉強するに措いても特に、「1次関数と証明問題」は、学習上のこれからの強力なバックアップになることは間違いない!

 B4プリントサイズで、問題プリント枚数は40枚、再学習用確認プリントは18枚、解答は同枚数、計116枚で構成されています。いままでにないほど徹底して詳しく説明、また適切な問題を厳選して作り上げました。