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§143 公立トップ校を目指すについてVOL.1・改訂
<3科目は最低要る>
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下の子は男子で、ゲーム等やりたいことが山ほどある中、小6の後半から妹尾
先生の中1英語REVIEをやり、ほぼ全部終わらせて中学に入りました。
そのおかげで、中学での3回の実力テストは、100点偏差値68 →100点偏差値74
→97点偏差値75でした。
数学も3回目の実力テストは100点偏差値76でした。(夏休みに中1数学再学
習の、方程式の文章題をコピーして3回くらい、定期テスト対策問題も2、3回
繰り返したりしました。この使い方でいいのか?不安はあります)
先日購入しました、中2数学実力テスト対策は第1回目用を終わらせ、その
後に「図形教室」のAのみ全て終わらせました。本当はAをやって同じ分野のB
をやるのが良いのでしょうが、春休み中に図形全体を一通りやってしまいたか
ったからです。
数学はまあまあ好きなようですが、英語は好成績をおさめていてもそれ程好
きではないようです。英語教科書の音読は毎日必ずやりますが、先取りの貯金
も無くなったので、ここからどうなるか。ただ、この1年間(注:中1)の成績
は妹尾先生の問題集のおかげであることははっきり自覚していますので、中2も
コツコツ取り組んでいくよう、声をかけ応援していくつもりです。
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これは最近いただいたメールの一部でありますが、塾にも通わず自分でがっ
ばって勉強している生徒(今ではめっきり減って全体のごくごく一部でありま
しょうが)を想定して今回、公立トップ校を目指す上での注意点または参考に
なるかなと思うところを、すこし述べてみたいと思います。
さて、そうはいっても、具体的にこうすれば公立トップ校に行けるという明
確な方法や道は、在るようにみえてほんとうには確実にはないわけで、それぞ
れの持てる能力や資質、いまの学習内容の進捗状況や努力の具合、また塾に通
っている、あるいは自分の力だけで勉強している、といった環境も条件もさま
ざま違うであろうし、さらに公立入試に措いては決して軽んじらない内申点の
存在もあり、一概に論じることはできません。
ただそこに繋がるであろう凡その道は、思うほど多くはないわけで、またそ
の道のすべてを知り尽くしているとはまったく思っていませんが、そのなかの
太い道といいますか、基本的部分だけは経験上見えていますので、そのあたり
を述べてみます。
ご存知のように公立高校入試の場合、主要5科目ができればよい、というも
のではありません。実技4教科がヒドイと、それだけで内申点は、目に見えて
低くなります。まあそこそこはほしいところです。
つまり単純に言うと、主要5科目に努力し苦労し時間をかけても、実技の科
目の評価が低い場合、内申の総合点に大きく影響を及ぼしてしまうのですから、
それだけで公立トップ校に行ける基準に達しないというケースも出てきます。
よって、よくよく注意して、また得手不得手は当然あるのがまったく自然な
ことなのですが、そこは自分なりにできるだけ心込めて、自分なりの力を精一
杯発揮するよう心掛けるのが肝要かと思います。
さてここでは、話を主要5科目に戻します。要は、実力を磨くことです。こ
の実力の面でお話ししますが、では、5教科のうち何科目ができないと公立ト
ップ校を狙えないかについて――
「できる」とはどういう基準か、ちょっとここだけですが定義しておきます。
一部ハイレベルの学力評価テストを除き、公立主体の学力を測る評価テスト
(模試)で、公立トップ校の合格ラインの偏差値が68(しかし、ネット上の
それでは70から72くらいに相当とします。)とするなら、「できる」とはつ
まりこの偏差値68前後を指している、とここではとらえてください。
学校の定期テストで95点もとれば、それはかなり「できる」と思われがちで
す。確かに、その場合もありますが「実力」に対しては正確ではありません。
その生徒がとる学力評価の偏差値は、たとえば数学で58とか、英語で60に過ぎ
ない、というケースはざらにあるわけですから。これなどは「できる」とはと
ても言えません。
さて、厳しい基準でいいますが、このほんとうの実力を備える科目、即ち
「できる科目(偏差値68)」を公立トップ校を目指す場合、5教科すべてに必
要かといえば、そうでは決してありません。なかには、すべての科目この
「できる」生徒がいますが、そんな生徒はほんとごく稀です。わたしが20数年
直接教えた中学生のなかでも、このような生徒は指で数えられる程度でしかい
ませんでした。
またいたとしても、高校になって大丈夫であろうか?・・・と、要らぬ心配
をしたくなります。中学であまりにその学力的にバランスよく完成され過ぎて
いると、ともすると高校では、意外に伸びない生徒のケースがなかに少なから
ずあるからです。まあその原因を述べることはここでは避けておきます。何事
も光と影があるように、その影の部分をいま言及することは論旨から外れます
ので。
そういう特殊な事例はさておいて、ふつう何科目この「できる」科目が要る
のでしょうか? 経験則と現実的な観点でストレートに言いますと、それには
まず3科目はどうしても欲しいと思います。えっ、それでいいの?という方も
おられるでしょうし、いやあ、やっぱり3科目は要るのか、と思われる方もお
られるでしょう。
3科目でいいの、ではありません。3科目は最低要る、と捉えてください。当
然他の科目、つまり2科目の実力の度合いを見なくてはなりません。
これがたとえば61や63なら行けるわけです。ほんとうに「できる」から少し
力がまだ足りない状態と言っていい。それが、58とか60にも達していないのな
らば、最終、準トップ校になるのが実際の選択肢となるでしょう。ここがひと
つの微妙な、そして大きな違いになってしまいます。公立入試の場合はやはり、
5科目の総合力が物をいうのです。
英語と数学の2科目はできるのに、国語になるとさっぱりとか、理科がとん
でもなくひどいとか、社会の知識が殆ど抜けていて実力になると偏差値が50そ
こそこになってしまうとか、そういう生徒は案外いるんですね。
いくぶん露悪的に書きますが、英語と数学ができる、それが塾に通っていて
できているとした場合、それがいったいどうしたというんだ?!というのが、
わたしの学力判断における偽らぬ感覚です。
自分の力と自主自学の勉強だけでそれをものにしているのならいざ知らず、
他人のお世話になって(?)主力の2科目はできているとしても、他の3科目が
いまいちの状態、学力では、もともと本人に総合力という面ではあまりないの
ではありませんか。
高校になると話はまたまったく違います。が中学レベルの基礎の段階で、5
科目全体に力が割けないのであれは、また気持ちと時間が回らないであれば、
それは余力のない証左といっていい。数学と英語だけの力ならトップ高校に行
けるのだけど、5科目になるとどうもというのでは、志望校は下げざるを得な
いのが通例でしょう。
あるいは数・英・国の3科目はそこそこできるので、あとは苦手の理科と社
会を追い込んで勉強すればいい、と高を括っているような思惑で中3を進めて
いくと、それほどたいした結果にならないな、というのが予見されてしまう。
できる生徒はすでに、各時期各段階で、まだ完全ではなくともある程度は形
となってできているんですが。または、自らの力の弱点をある時期から気づき、
その対策の勉強と実践にとっかかっていますよね。
さて、この後半は次回に述べていきます。では、また。
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