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 高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§666 定期テストの点と実力テストの点・第2弾(中2生対象)
<定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>

 中3生を想定した「定期テストの点と実力テストの点<定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>」というブログを、HPに載せてます。これはいいのかわるいのか自分でも判断しかねるのですが、390近いブログのなかでロングラン、一番多く読まれているようです。

 そこで今回、現時点中2生はどうなんだと、ターゲットを中2生だけにして、同じテーマを書くことにしました。生徒Aから生徒Eまで5人の成績をもとに、実力の推移をみていくことします。

 5人といっても成績のグループは3つに絞り、これに属さない生徒もいるでしょう。そもそも生徒の環境(授業とテストの難易度、部活や通塾の有無、その他)や資質、勉強に抱える時間によって成績の中身と実態もまちまちなわけですから、数値だけをみて判断することは適切でない面もあります。しかし、それを承知の上で、80%から90%当て嵌まることを一般化してみました。

 厳しい目線で書いていますが、成績を評価する際のひとつの尺度、あるいは先々実力との差が開かないようにするための注意点として、参考にしてもらえばと考えている次第です。

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      ○:1学期期末テスト
      □:2年最終実力テスト(あるいは中3初め実力テスト)
      ■:3年夏休み明け実力テスト
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1.生徒A ○ 465点(数学95点、英語97点、国語88点、理科94点、社会91点)
      □ 442点(数学94点、英語95点、国語83点、理科84点、社会88点)
      ■ 467点(数学95点、英語96点、国語87点、理科95点、社会94点)
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 定期テストの点、とてもよくとれています。2年末の実力テスト(あるいは中3初め)では20点すこし下げてしまいましたが、中3または夏休み終わりまでに、理科と社会の復習がきっちりできたのでしょう、定期テストとほぼ同じ点数まで見事盛り返しました。

 それも、数学と英語の実力がまず基盤に、しっかりにあったからですね。点数が一時的なものではなく、このことは2年末の実力テストでほとんど下がることなく、いい点数がとれていたことからもわかることです。そして、引き続き中3でも、実力をつける勉強がふだんのなかでしっかりできていることが覗えます。国語の力もまずまずですし、安定しています。

<定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>のケースに当て嵌まらない稀な例ではありますが、クラスに一人あるは学年で数人はいますので、知っておいてください。

 ただ、この点数だけではまだ計れないものが、ひとつあります。それは、数学の学力。ほかの4教科の入試での点数はおよそ類推できますが、数学だけは、この時期の実力テストと入試数学では、確実に落差・乖離が存在して、そのなかで、非常に重要な位置を占める図形力に関して、果たしてどの程度力があるのかは上記の点数だけでは掴めないのです。とても注意が必要です。くれぐれも図形の勉強だけは常に怠りなく、十二分に基礎と応用をやってください。

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2.生徒B ○ 458点(数学94点、英語95点、国語92点、理科90点、社会87点)
      □ 407点(数学85点、英語88点、国語85点、理科72点、社会77点)
      ■ 423点(数学88点、英語92点、国語84点、理科78点、社会81点)
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 さて、生徒B。本来なら430点前後の生徒を載せるべきなんですが、生徒Aと対比・検討できるように、あえて成績の近い生徒を書きました。

 見てのとおり、定期テストの点数はとてもよいのに実力テストとなると50点もダウンしました。

 こうした生徒はいるのか、ですって? はい、すくなくとも生徒Aよりは、数的にまた確率的に高いのではありませんか。

 定期テストの点数458点、ほんとよくとれています。真面目に頑張っているから、そして5教科万遍なく努力して勉強しているからとれる点数でしょう。数学94点、英語95点、国語92点、理科90点、社会87点。すごくいいと思います。ケチのつけようがありません。

 それなのに、2年間の学習範囲の実力テストでは、すべて点数を落としている。数学94点→85点、英語95点→88点、国語92点→85点、理科90点→72点、社会87点→77点。

 数学も英語も力は目減りしている。国語はこれでもいいかと思いますが、理科と社会は、はっきりと学力が落ちていることが見てとれます。 

 つまり、勉強の質と量に問題があるわけで、実力の定着がじゅうぶんできてない勉強の進め方をしていることが推測し得ます。では、どう勉強していくのがいいのかは、厖大な量のブログ(380以上)で言及、説明していますので、ここでは省きます。あくまで、成績をどうみるかの注意点として、ご参考にしてください。

 注意点といえば、ほかの生徒例にも共通していることですが、こうして成績の推移を俯瞰的に、また最終ではないですが結論から客観的に見ているわけです。当事者(生徒及びご父母方など)はいま現在に居るわけで、先のことがなかなかわからないのです。

 この勉強のしかたと量でいいと思い、また2学期も3学期も同じようないい点がとれました。で、中2最終の実力テストの結果です。

 しかし、これはオカシイ。というのも、80%前後の確率で、おそらく塾に行って勉強していることでしょう。5教科の模試があるではありませんか。そこに出る偏差値で5教科の自分の実力を、中2のあいだに5回以上掴んでいるはずですね。よって、先のことはなかなかわからない、と上で書きましたが、それ相当に認識できてるはずなのです。つまり、この定期テストと実力テストの落差を埋める勉強が、自分でできていないのですね。

 英・数の実力も微妙に減少しているのがわかりますし、理科と社会なんてあきらかに大きく落ち込んでいます。そしてなにより言いたいのは、中3になってからのリカバリーの勉強。夏休み明けの実力テストでは、前回の407点から423点とすこし上がったけれど、数学と英語はほんのすこしです。理科と社会は、どうしたんでしょう、復習がじゅうぶん実行されてはいませんね。

 もしこれで公立トップ高を志望しているとしたら、その可能性はぐんと低いのではないでしょうか。

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3.生徒C ○ 408点(数学94点、英語88点、国語73点、理科76点、社会75点)
      □ 350点(数学76点、英語80点、国語65点、理科62点、社会67点)
      ■ 348点(数学76点、英語85点、国語63点、理科58点、社会66点)
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 けっこう多くいるのが、この生徒Cのタイプです。定期テストも400点を超えています。クラストップの生徒にはまだまだ及びませんが、それでも数学と英語に関しては高い点数がとれていますし、おそらく塾に行って数・英の勉強を厚めに勉強していることでしょう。自信もあるかな・・・。

 もうちょっと頑張れば、もっと上の点数がとれると思っています。それにはやはり、70点台の国語と理科、社会の科目に問題があることは自覚しています。しかーし、思っていることとやることは別ですから、このやるほうがどうもいつも後回し、気持ちもついていかない。塾でこの科目の勉強があれば、それをするだけで、自分で他に勉強することはないまま。

 さて、実力テスト。なんと数学も英語も点数は下がっている。これは、わたしから観れば、当然といえば当然の姿であります。だって実力をもっと真摯に鍛える演習とくり返しの勉強が、ふだんのなかでまずできてないことが覗えるから。

 それにもまして、国・理・社の点数はどうだ? すべて60点台に落ち込んだ。生徒によっては50点台になる科目もあるかと思うけれど、なんと58点も下がって、合計は350点である。<定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>に当て嵌まる生徒が、このゾーンにも居るということを承知しておいてください。

 こうしたことにならないように、中2のあいだにもっと適切な勉強が必要だと思いますよ。それは英語と数学にもいえます。定期テストの点数が、実力と相関しているとは必ずしもいえないことをしっかり認識し、もっと違う角度からの豊富な演習をしてみてください。理科と社会は、言うまでないでしょう。

 では、中3に入ってからの勉強はどうだったのか? 定期テストのほうはこれまで同様、400点をすこし超えているとします。でも夏休み明けの実力テストの成績、ほとんど変化はありませんね。

 本人なりに真面目に勉強していることは認めます(エラそうな言い方で、すみません)。しかし、結局は、中2の勉強のしかたとまた塾など人に頼った勉強だけに終始し、自分でやればできる基本を鍛える勉強というものを、意識のなかにつねに置いて真剣に向き合うことができず、実践できなかったのでしょう。

 定期テストで400点すこし、あるいはもうちょと頑張って430点くらいの力があれば行ける高校に、この生徒Cは進学できるか?と考えると、皆様はどう判断されますか。可能性はあるでしょうが、現実は大いに厳しい面があることを指摘しておきたいと思います。

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4.生徒D ○ 404点(数学83点、英語90点、国語80点、理科75点、社会76点)
      □ 374点(数学78点、英語85点、国語68点、理科72点、社会71点)
      ■ 398点(数学82点、英語87点、国語74点、理科80点、社会75点)
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 生徒Dは、生徒Cとの比較でみてください。

 定期テストの合計点数はほぼ同じです。厳密にいうと、数・英の点数が逆になっていますが、国語は生徒Dのほうがやや上、理・社はまったく同じといっていいくらい。

 中2が終わった段階の実力では、生徒Dは374点で生徒Cより24点上です。また定期テストよりの減少は30点でした。これは許容範囲かな?・・・、とも思います。

 注目すべきは、理科と社会の点数がそんなに下がっていないことです。定期テストの点数は75,6点といまいちのように感じますが、実力テストもそんなに変わっていない。平均点当たりの生徒なら2,30点はふつうに下がるのですがそんなことはなく、どうも理・社の地力はあるようです。逆にいえば、定期テストで気持ちを込めた勉強ができていないのかもしれません。

 さて、中3の夏休み明けの実力テストでは398点と盛り返しました。どの科目がぐんとよくなったとは言いにくいところですが、見てのとおり、実力テストでの比較では、すべてよくなっています。

 基本的なことですが実力テストというものは、中1、中2、中3となるにつれてその出題範囲は広がっていきます。まるで空気は膨張すると冷えるように(ただし、熱の出入りがまったくない状況下で)、学習範囲が広くなると、生徒がとる点数は下がります。(この譬えはどうもしっくりしないところもありますが、直観的にいえばそうです。)

 ですから、なにもしなければ大いに下がる、そこそこふつうに努力して現状維持、努力の方向性を間違わず、その度合いが深まるにつれて上がる、といえるかと思います。

 この生徒Dは、1.2年の復習もよくこなし、そのほかの勉強もしてきたことが推測されます。ただ勉強のしかたとその材料によっては、もっと成績と実力を上げることができるのではないか、とも想像します。

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5.生徒E ○ 350点(数学74点、英語75点、国語65点、理科63点、社会73点)
      □ 270点(数学56点、英語62点、国語55点、理科48点、社会49点)
      ■ 242点(数学48点、英語54点、国語48点、理科45点、社会47点)
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 さて、生徒Eですが、この成績は公立中学生の平均的姿を現しているといえるでしょう。

 中3の実力テストになると一般に、平均点が235点から250点になるのがふつうです。ですから、定期テストで350点をとっているのに242点と大きく下げてしまったのには、わたしからすれば、さほど驚くことではありません。とても多くの生徒が、このへんに居るということです。

 中2の1学期の定期テスト、合計点が350点。国・理は60点台ですが、数・英・社は70点の真ん中あたりをとっており、それほど悪くはないと思っている生徒、親御さんも多いかもしれません。

 たしかに73点や75点という点数は、見た目にもうちょっと頑張れば、80点以上に届きそうな感じですし、また実際そういうケースもなかにあるでしょう。

 しかし、その後の2学期、3学期も70点すこし(ときに60点台後半)の点数をとり続けていれば、どうでしょうか? この点数の集積の結果が、2学期最終(or中3初め)の実力テストの点数270点なのです。各科目の点数、数学は56点と下がり、英語も62点、国語は55点、理・社にいたっては50点を切ってしまいました。

 さらに、中3になってもいままでと同じような点数をとっているにもかかわらず、そして塾でも対策の勉強を受けて勉強しているのに、夏休み明け実力テストではほとんどが40点台という点数になってしまい、合計点でも242点と下げてしまいました。

 定期テスト70数点の実力の正体が、これでわかるかと思います。もちろんこれは、他の科目の点数との絡みで見なくてはなりませんし、一度っきりではなくその後の推移(あるいは過去の推移)で判断すべきなのですが、諸条件(テストの難易度、出題範囲など)があるにしても、それでもおよそこのような感じになるのが一般的です。

 この成績で、行ける公立高校はいっぱいあるかと思います。しかし、定期テストの成績からみて、もうちょっと上の公立高校に行けると、中2の現時点思っている場合、たとえ内申的に足りていても実力的に危うい、と判断されるケースが中3では多く、志望校の変更を余儀なくされることになるのがふつうでしょう。

 こうした指摘は耳に痛く、また不愉快に感じる方もおられるでしょう。学校も塾もネット上もアマイ言葉で満ち満ちています。それに抗うちいさな一石を投じる形になれば、と考えている次第です。

 中2生にとっては、まだ1年後です。じゅうぶんな期間があります。ここで一度立ち止まって、自分の勉強のしかたと中身を総点検、そして5教科の実力のつき方を観察、疑ってみることが、次のよりよい勉強に繋がることと考えています。

 以上です。

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 ちょっと補足。吾が問題集にすこし関心がある方だけに。

 問題集の説明はもうかなりいろんなところでしていますので、ここでは極力簡単に。

 定期テストでいい点数がとれるような問題集というのは、もちろんすばらしいのですが、それ以上に、定期テストでとった点数が実力テストでもしっかり維持でき反映するような、そんな作りの問題集が、ほんとうは最高にすばらしいだと考えています。それを目指し、あらゆるノウハウを駆使して作ったのが、トッポ先生オリジナル通年用数・英問題集と理科、社会の問題集です。 詳しくは、説明ページ
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 以下、ご参考まで(最新ブログ)
問題作成におけるコダワリとポリシー <どういう問題集がほんとうに生徒の実となり肉になるのか・・・を考えて>
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■ コダワリ1ー 生徒の目線で問題を作る!

 問題集で一枚一枚作っている最中に絶えず念頭にあり、目の前50センチの距離にあるのは、生徒の現実であり、問題をこなす風景です。どこでミスをするか、なにを忘れてしまったか、どのレベルで問題を難しく感じ、とまどい、思考をやめ、解らないと言うのか、などさまざまな問題点と課題を、長年の経験のもと思い想像しながらつくりました。

 よって、生徒がミスをする個所は、何度も何度も問題のなかに入れ、注意を促すよう仕向け、またもうそろそろ忘れそうになる問題は、新しい単元のなかに採り入れて記憶の曖昧さを無くすよう確認をさせる。基本の訓練として演習がたっぷり必要な部分はとことんスペースをとる。理解や定義の説明であまり重要でない個所はあっさり省く(そんなことしていいの?って ええ、いいんです。生徒はそれよりもっと重要なこと、覚えていなければ困ることを簡単に忘れてしまいますから(大事な公式ですら期間が経つと抜けてしまう生徒がいるんですから、それも何度も)。

 また、問題内容が画一的になるのをできるだけ防ぎました。超難問は避ける、ただし入試にとって必要な応用問題、応用知識は、どんどん関連個所で採り入れました。それがたとえ平均的な生徒の理解に余るものであっても(しかし、反復しますから、やがては覚えてくれるだろうと信じて)。

 生徒の目線で問題を作る、また問題を見るということは、なにも平均的な学力の生徒に合わせた問題作りという意味ではありません。市販の問題集、及び塾専用の問題集にしばしば書かれているように、子供たちの真の学力向上をテーマに、最も効果的に、効率的にとか、理解定着させ、発展させ、必ず学力アップさせますとか、科学的な分析と研究開発のもとに作成したとか、そういった上からみた、絵空事の発想は脇に置いて、あくまで生徒の学習と理解、暗記の現実を直視し、それを基盤にした問題集作りであり、決して生徒のレベルに迎合したり、妥協したりするもではありません。

 基本から応用までこれ一冊でOK! と少なからず自負するものでありますが、偏差値40の生徒は50に、50の生徒は60に、60の生徒は68に、そして68の生徒は73に伸ばすことを根本命題にして、とことん追求し作った問題集です。


■ コダワリ2ー反復・繰り返しを如何に問題のなかに採り入れるか!  

 勉強の基本は昔も今も変わりありません、特に中学生までは。学校であるいは塾で習った事の復習です。新しく学んだことのなかで、大切な事をもう一度自分の頭で整理、記憶する。特に間違ったところ、できなかったところは再度考え、正しく覚えればよい。先生から何度も言われ、耳にした言葉です。誰でも知っている。

 しかしですね、20数年教えてきたなかで、このなんでもない学習の基本を正しく実践した生徒は1割にも達しないのではないでしょうか。不思議なことです。言葉にもなりません。宿題をする事が、復習であると思ってるみたいです。どんなに説明してもダメです。正しい復習をしない生徒のこの現実に、いったいどう対処すべきか?
     
 それはもう繰り返し問題集のなかで、やるしかありません。そういうふうに、問題構成を作り上げるわけです。意外なことにこの発想で作られた問題集はないのです。ですから、自ら創らざるを得なかったわけです。


■ コダワリ3ー常に高校入試を意識した問題作り!

 基本は学校の教科書にあるのは言うまでもありません。ただ、通常の定期テストの問題と入試の問題については、特に数学・英語の場合、その中身、質など空気感がまったく変わります。公立高校と私立高校に間でも違います。

(ところで話は少し脱線しますが、公立高校と私立高校の入試問題では、どちらが好きですか? わたしは個人的に私立です。ーーなぜなら、問題が素直というか、出題の意図とそのコンセプトがある程度決まっていて統一感があるからです。レベル的な難しさはあるにしても、そこそこテスト形式が決まっているので、それに対応した勉強をすればいいことになります。できなければ、自分の知識と努力が足りないだけです。出題者の顔が見えないのもなぜかいい。

 それに対し公立入試の場合、問題内容は年度によって変わることもありますし、思考力、表現力がどうも昔に比べて低下している生徒多いにもかかわらず、逆に思考力、表現力を要求する問題を反比例するかのように増加しています。上からの思惑と好き勝手な問題作りに、出題者の顔がチラチラ見えるようで、個人的にはどうも好きになれない。

 話を戻します。問題作成にあたり、基礎と基本の徹底と、その繰り返しを根本に置いていることは言うまでもありませんが、それだけでは入試に対応できません。学校の基礎学習を終え、それではさあ次に私立対策、公立対策の問題集をやりましょう、では簡単に入試への実力がつくわけがありません! すこしは入試問題に慣れるでしょうが、慣れる事と実力をつけることとは違います。ではどうすれば、入試問題への対応力、解法力がつくのでしょうか? これは教えたこのある人ならおわかりでしょうが、ほんとに難しい課題です。口でいうのは簡単ですが・・・。

 結論。ふだんの勉強と問題のなかで、取り組むことです。ここまでが基礎、ここからが応用、そしてここからが入試問題、と一般の問題集は別けていますが、その垣根を取っ払うことです。もちろん問題の段階、生徒の知識レベルを見ながらですが、いまの力で入試問題の何ができるか、いま習っていることが入試ではどう出題されるか、またどう発展して問題に組み込まれるかなど、絶えず生徒に意識させ、考えさせ、慣れさせることです。首尾一貫、中一より中二、中三と、いま習ってる単元と入試問題を絶えずリンクして採り入れ、生徒に解かしてみる。やさしいものも難しいものもどんどん問題作成のなかに組み込み、質の違い、空気感の違いに慣れさせ、自信をもたせる。また反対に、標準レベルの問題、学校のテストで95点とって自分はできると慢心している生徒には刺激を与え、次なる思考の訓練を課す。

 以上のような視点で、英語・数学の問題集を作成してあります。(理科や社会の問題集もほぼ同様の視点です。)

■ さらにコダワリ4ーB4Pt. 書き込みにこだわる! 
 
 B4プリントにこだわりたい。A4では問題数、表現上の制約が多いからです。

 たとえば、数学の図形。市販の、あるいは塾の問題集を見てもらえばわかることですが、実際にそのなかで解こうとすると線を引いたり、数字を入れたり、さらに図形を描いたりする必要がありますが、印刷の図が小さくて見にくかったり、どうも考えにくかったりするものです。これは作り手のお仕着せであり、使用する側の生徒のことをあまり考えているとはいえません。現実にそのスペースのなかで解いたことがあるのか?と問いたいものです。また逆に、こんなに余白は要らないよ、というのにもよく出くわします。このあまった余白を必要なところに持っていきたい、と思うことも多いのです。要するに、画一的でマニュアル化されているため、現実を見ない頭のなかだけで考えた作り方です。まったく不親切にすぎる。

 これは、平常のワーク形式の問題集でも、入試問題集でも実に多い。「書き込み」とわざわざ謳った問題集でも同じで、余計ひどいことがあります。それなら、へたな余白のない、問題ばかりであとはノートにご自由にしてください、といった問題集の方がはるかにましであるともいえる。

 この一見目に見えない不親切をいっさい排除しました。ひとつひとつ問題を作る上で、書き込みのスペースがどれくらい必要かを考えながら作ってあります。たとえば計算ひとつでも解くのに何行式がいるのかを、入試の図形問題では、(問1)ではこれくらい、(問2)では計算スペースがいるからこれくらい、あるいは証明問題でこれくらい文章スペースが必要、(問3)では小問に分かれているからこれくらい、あるいは図形を書き直して考えねばならないし、また難しく相当スペースが要る、などできうる限り配慮しながら作成しました。このことは解答をみれば一目瞭然です。英語の場合も然りで、理科や社会も同様です。

 その結果、多少見栄えのわるいページもなくもないですが、しかし、あくまで内容が大切かと考えいます。ほんとうに使う側の生徒の立場を最優先した問題作りを心がけました。なお問題は手書きが多く、解答の方も同様です。この手書きに温もりと親しみを感じていただける方がけっこう多くいらっしゃいまして、こちらとしてもたいへんうれしく思っている次第です。