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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§260 学習の進め方の基本について 
<習ったことは覚える>

 具体的な個々の学習法なるものは、問題集や参考書をみれば、その1ページ目などに「本書の特長」「本書の使い方」として必ず載っているし、先生からもこれまで度々聞いているだろうし、またいまやネット上でもプロから素人まで無数に語られているし、そして詳しく書かれているページもこれまたとてつもなく多いだろう。わたしもご他聞に漏れず、ホームページ上で数・英を中心に理・社・国まで5教科についてそれなりに載せています。

 これら学習法には、わたしから観るに、なかにはとんでもなくいい加減で粗悪に思えるものから、このとおりやればきっといい結果がでると思われるものまで玉石混交の体(もちろん石の方が多い)であり、また肝心の、それを実践する側の生徒の学力、やる気、継続力にも拠るところが実に大きいのであるから、現実にかみ合うのは10分の1もないところかも知れません。

 しかし今回は、それらはどうでもいい。どうでもいいことはないけれど、どうでもいい、とする。それよりむしろ、学習の進め方の基本そのものを支える部分について押さえておきたいのである。なぜなら、この部分がしっかりしていなければ、どんなにいい学習法も授業も教材も取りこぼすことのほうが多すぎて、満足に身にはつかないだろうから。

 ではその部分とは何か。「習ったことは覚える」「質問をする」「勉強時間の確保とやる気の管理」「授業を大切に。しかしそれだけでもダメ」「読書の重要性」などである。このうち最初の2つについて、採り上げる。

・「習ったことは覚える」

 この、習ったことは覚える、という意識が、果たしてあるのだろうか? 
 わたしの目からすると、その場で解けたことが勉強したことだと、その場で理解したことがわかったことだと、まず初めからしてボタンの掛け違いをしている雰囲気が伝わってくる生徒が多い。

 その場で解けたことはまだ勉強の入り口を少し入ったにすぎず、その場で理解したことが時と場所を変えて自分の頭でほんとうにわかるためには、「復習する」という行為が欠かせないということを、ごく普通の意識として備わっていなければならない。

 間違いをしたらどうするか? 
 間違いを直すのは当然だけど、その間違いの種類と原因を自分で分析して、次に繰り返さない方策を考え、実行することだ。

 習ったことをなぜそうも簡単に忘れるのか?
 復習の粗さ、演習量の不足、繰り返し学習の欠如など、その原因は複合的だけど、基本は、習ったことは覚える、習ったことは完全に覚えるという断固たる意思がベースにないからだ。この意思がベースにあれば、復習をどのようにしていかねばならないか、演習量をどのくらいこなさないとしっかり自分の体内にはいらないか、繰り返し学習をいつどのようにやるかは、自ずとわかるものだ。

・「質問をする」

 わからないことはうやむやにせず、納得いくまで質問する。ただしそのまえに、まず自分でよくよく考え、また関係することは調べてから、それでもわからなければ質問をする。その折に、ここまでわかっているが、ここから先がどうにもわからない、と整理して質問をする。これが基本であろう。

 しかし、自分でよくよく考えれば、その対象が飛躍したものでない限り、大抵はわかるものだ。また、関係することを調べればそこでわかる場合もあるし、新たな知識にも出遭って、より理解が深まることもあるものである。質問するに至るまえのこの過程こそが、ほんとうの勉強のしかたの揺るぎないひとつの姿であり、力をつけるたしかな道なのである。

 ちょっとわからなければすぐになんでも訊く生徒が、いま多すぎる感がする。いや、ネットで感じるのは子供だけでなく親も多くなってきているのには食傷するが、イージーな質問やしかたは、その場の理解はたとえあったしても、それはすぐに剥がれ落ちる性質のものであり、長続きしないうわべの力に過ぎないことをわきまえておくべきである。

 思考力なんてものは、別に思考力を要する問題をやれば育つものとは限らず、日頃の勉強のなかでわからないところが出てくれば、安直にすぐ質問をするのではなく、そのまえに、自分でまず粘り強く考える習慣や癖から形成される部分がとても大きいことを、こころに留め置きたい。

 以上です。過去のメルマガのなかで、すでにひとつひとつ詳しく言及していますのでここでは短く止めています。
 なーんだと思うことばかり。平凡でわかりきったことばかり書いているかと思います。勉強するに際し、普通のなんでもない意識、感覚として備わっているべきこと、生徒自らその年齢に応じてわかっていなくてはならないことです。しかし、この平凡でわかりきったことは、わかりきっているがゆえ、また前提となるがゆえ、どの学習法やアドバイスにもほとんど載っていない。

 ところがこの平凡でわかりきったことこそ、実は勉強を進めるなかで一番大事な部分、要素かと思います。これがいちいち説明や指導を延々と繰り返ししなくてはいけない生徒かどうか、それとも自分ですでにそのようなことは気づいて身につけている生徒かどうか、・・・。

「発明する方法は一つしかない。それは模倣することだ。正しく考える方法は一つしかない。それは古くからの、試練を経た、何らかの思想を継承することだ」

 このいっさいの饒舌を省き、簡潔に本質をズバリ突く言い回しは、もちろんアランの言葉であるが、正しく勉強する方法も、おそらく一つしかないのであろう。それは何か。上の内容を参考に、生徒自らが見つけていってほしいと思います。