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§121英語の入試対策問題集を作成していて・・・
<現実はどうしていつもこう重いのかな?!>
英語の入試対策問題集を目下新規に作成しており、ほぼ完成段階に入ったのですが、そこで作りながら思ったこと、或いは中3生にとって今後少しでも役に立つかも知れない助言などを織り交ぜて、今回話してみたいと思います。
まずは、あまり関係ない(?)話から。
高校入試全体を観るならば、私立受験と公立受験の大きく二つあるわけですが、その問題内容をあらためて視るに、問題傾向は時代を反映して少しずつ少しずつ変わっていくのは当然として、また学習指導要領の変更などから特に公立の場合、問題の質、レベルに微妙な変化はあるのはしかたがないとしても、私立の入試問題、なかんずく超難関校の問題となると、まったく、もうまったく我関せずの姿勢は、見事終始一貫していますね。
その問題の質は精巧にして緻密、文法を初め単語、語彙力は高1・2のレベルまでを最低要求しているわけですから相当に高く、そして長文の分量も半端なものではない。生徒にとってはまさに圧倒されるものがあるわけで、その質問内容、形式も手ごわく厳しい。かなりの修練を積まないと時間以内にとても読みこなせないだろうし、またたとえそれが出来たとしても解答に辿り着くには、ほんものの文法力とシビアな英語センスが要る。それは、遥かに中学の域を超えている。
この事実は知っておいて損はないだろうけど、知ったからといって格別何の足しにもならないね。もし彼らに追いつこうとするなら、高校に入ってから猛烈で尋常でない勉強を積むことだろう。海面より下にある氷山は、氷山全体の約9割。残りのおよそ1割だけが、海面上にある、という。なにやらそれと似ていないこともない。
さて、現実。
The garden covered with fallen leaves is
famous for its beauty.
塾では夏中、関係代名詞の文法を約16回ほどもかけ延々と教え、やっとそのあと分詞修飾の文法を教えている。親分を教えたあとの子分みたいなものだ。高校英語をやればどこぞの隅っこに存在感薄く消え入りそうな文法だけど、中学では準主役の位置を占めていて入試でも結構大切。
主語はどれだ? 主部はどれだ?と、いちいち忘れていないか理解しているかチェックしているが、さて、過去何度もでてきた熟語の確認をしてみた。いやほんとに確認したいのは、そのあとのits
。軽く押さえておきたいね。
「この英文の熟語はなんだ? ○○!」
「is famous 」
「うーん・・・。次、△△」
「・・・」
「ふーっ、・・・。□□」
「covered with 」
「・・・? それはまあそうともいえるけどな、be
coverd with で熟語だろう?! この場合、過去分詞の修飾でbe
が取れているんだから、完全な形ではないんだろ? ちゃんとしたものがあるだろうが」
最初の質問からis famous for が出て来るまで3分かかるか?・・・。この間延びした応答はなんなんだろう?! 普通なら10秒ですむ問題ではないか。そう捉えているのはもちろんこちらサイドの感覚だが、普通になるようそれ相当の説明と訓練、繰り返しをこれまでに行っているのだ。その普通が、普通のことにしっくりならず、常にどこかで狂うのだから、堪らない。これではits
の押さえが、当初の目論見通り効かないよ。つまり生徒の目と頭は、be
famous for で止まってしまうのだ。うーん、重い!
実はさらに、堪らないことは続く。
「じゃあ、訊くけど、このbe famous for の熟語の訳はなんだ?」
と、最初にあてた○○に問う。英文の訳はすでにすんでいて、その上の確認、念押しである。○○の出来はよくない。もう悪戦苦闘、堅忍不抜(本人もそうだけど、それの数倍はこちらも感じ、味わわされている心境)の末の、偏差値50の程度。放って置いたら(つまり、学校の授業だけでは)、今頃間違いなく38前後だろう。
「有名です」
と、○○は即座に答える。この場合の即座は怖い。何も考えずに言うから。
「あのなあ、・・・。そっ、それは、自分が最初にいった、is
famous の訳だろう! for はどうしたっ、for
は?! for の訳がないぞ!」
これで振り出しに戻ったことになる。いままでの説明、寄り道(何十回もしているが)した意味は、見事吹っ飛んで霧散してしまった。少しも役には立っておらず、またわかっていないことが露呈する。
「もう少しなあ、しっかりせいっ!」
と、徒労感と猛烈な虚脱感に抗いつつ、わたしはいうことになる。
〜で有名です、が、これほど重いか? 頼むからもうちいっと、軽快に歩いてくれ。こけたら、自分で立ち上がってくれ。簡単な問題は簡単に処理してくれ。そうでないと、入試の山は超えれんよ。
この無駄な、いや無駄になりかけようとする時間を、必死に防ぎほんの少しでも価値あるものに変えようとする努めは当然としても、それが、次の入試問題レベルに生徒が活かすかどうかとなると、甚だ心細いものを感じる。
「カナダから我がクラスにやってきた交換留学生のトムに、自分の町を案内することになりました。あなたなら、どういって誘いますか。語数20字以上で自由に書きなさい」
この設問を即席で作ってみました。いまの公立入試の主流である「条件・自由英作文」問題です。
Our town is famous for its old castle.
And there are a few beautiful parks, too.
I'll show you around the town next week. 「解答例」
日々の勉強が、いやもっと具体的にいって中3のいま、目の前に進めている学習内容の一つ一つが、入試に直接つながっているんだという意識を、もっとしっかり持つべきだと思いますね。そしてそれを、中途半端な理解や暗記でなく、確実に一つ一つ心底押さえていく姿勢と、英語表現の材料にすべく工夫を授業の中、自分の学習の中、怠らないことだと思います。
さて、最後に受験生に小テストを用意。<制限時間:5分>
力があるものはチャレンジしてみてください。
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<問い>1〜3は( )に対話文が自然になるよう適切な語を入れ、4,5は( )
内から適切な語を○で囲み、〔 〕に和訳せよ。
1.What time are you coming ?
I'll ( )( ) half
an hour. Is that OK ?
2.What's he ( ) ?
He's kind and friendly.
3.I'm sorry to be late.
That's ( )( ).
4.(What・Why・How) made him so angry ?
〔 〕
5.It is kind (for・to・of) you to show me
the way.
〔 〕
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
解答は一番下にあります。私立入試を意識した問題構成です。いま作成している「英語の入試対策問題集」より抜粋しました。おそらくいま勉強している内容とは肌合いが違うでしょうが、このレベルまではすべて理解し覚えて、私立の受験には臨みたいものです。
長くなりましたので、次回この続きを書きたいと思っております。
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<解答>
1.What time are you coming ?
I'll (come )(in ) half an hour. Is that
OK ?
「あなたは何時にここに来る予定ですか。 30分後に行くつもりです。それでいいですか。」
2.What's he (like ) ?
He's kind and friendly.
「彼はどんなふうな人ですか。親切で気さくです。 」
3.I'm sorry to be late.
That's (all )(right ).
「遅れてすみません。いいんですよ。」
4.((What)・Why・How) made him so angry ?
〔なぜ彼は怒ったんですか。←何が彼を怒らせたんですか。 〕
5.It is kind (for・to・(of)) you to show
me the way.
〔道を教えてくれて有難う。〕
kind の形容詞はof を取る。
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