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▼ 高校入試でターイセツなこと、って何だ?! ▼ | |
大学合格体験記を読んでみて<準備の重要性>VOL.1 わたしもほんのすこしだけ接点がある関西の某私立中高一貫校(公立トップ 高レベル、偏差値でいえば70から72くらい)の生徒の大学合格体験記を入手し たものだから、なんとはなしに読んでみることにした。 合格体験記だから当然成績のいい生徒の話が載っているわけで、医学部では 京大・東北大・大阪大・筑波大・大阪市大、そして県立医科大学と私立の医学 部などに受かった生徒の体験記(この学校は医学部に進む生徒がわりかし多い のが特徴)に始まり、京大の理学・工学・薬学・法学部、阪大の理学・工学部、 一橋大の法学・商学部、九州大の芸術工学部などに合格した生徒の体験記がず らりと載っていた。 この裏には当然、不合格であった生徒、第一志望には届かずやむやむ第二志 望に行く生徒など、未だ必ずしも失敗とはいえないがその敗因の原因を語る体 験記があればさらに学べることが多いと感じるのだが、世間にはそうしたもの がまったくありません。 それはさて、この合格した生徒の内容ひとつひとつを読んで、刺激を受け驚 かされたことがいっぱいありました。 いずれの生徒の内容も見事なほどに具体的・詳細に述べられており情報が豊 かです。その文章構成はどの生徒も精密で論理的であるのには感心します。と きにその内容で、この生徒は思考力がありすぎるな(?)と、こちらがざっと 一読するだけでは正確に理解できず何度も読み直すことでやっとわかることも ありました。 また生徒の個性も各々読んでいてひしひしと伝わってくる文章を書いていま すから、読んでいてとても面白い。文章そのものにまったく虚飾がない。この 年代の生徒はそういうものなのか、中高6年間を振り返って、自分の成績と勉 強のしかた、考え方など的確に自己分析されており、それをあますところなく 説明し、またその情報には嘘も誇張もなく、正直に書かれているのがよくわか ります。 なにより、「自分の頭で考える」ことの大切さを言葉の上でよく謳うものが ありますが、それが抽象的であり心に響かないことが度々あるものですが、ま ったくそうではなく、具体的にその実践が生徒それぞれのなかで、個人的なア プローチと方法は違えども、よくなされてきたなと感じるものがこの体験記の なかにはたくさんありました。 あとひとつ、想定したこととは現実かなり違うなと意外に感じ、驚いたこと に、上記大学に受かった生徒の中高での成績の変遷があります。もちろん中高 を通し一貫して学年トップクラスに位置した生徒もいますが、中学では勉強を さぼったり、あるいは勉強のしかたがまだわからなかったり、モチベーション の下がった状態が長く続いたり、国語と英語で足を引っ張ったり、授業をまと もに聞かないなど、中学時にはまったく合格射程圏には入っていなかったり、 あきらかにどう考えてもこの学年順位では志望もできない成績をとっていた生 徒もいるんですね。つまり、高校で、成績の「どんでん返し」がけっこう起こ っていることに、大いに愕かされました。 そんななか、関西では京大・阪大・神大に次ぐ位置にある大学が数校あるの ですが、そのなかのひとつ大阪府立大学に合格した生徒の体験談の一部を載せ させていただくことにしました。 というのも、この生徒がアドバイスしている内容は、このメルマガが対象と してる中学生及びそのご父母の方にとっても身近に感じ、お役に立てることが 含まれていると判断したからです。また前回781号で書いたわたしの内容と見 事合致しているところもあり、中学生の勉強への姿勢でご参考にできる点があ ろうかと考えたからです。 ※中学と高校2年の中頃までずっと200位以内(全体で250名弱)に入ることは なかった生徒です。 =================================== 「私のような落ちこぼれのあなたへ」 <前置き部分省略> 1.目標達成のために目標を作る 私のような万年勉強ができなかった人間は大体何かを始めるにあたって、と りあえず大きな目標を立てがちだ(たとえば、この参考書を1週間で終わらせ る)、そうして始めてみると、まるで無意味な砂漠を無限に歩かされているよ うな気分になりやめてしまう。 そこでゲームについて考えてみよう。ゲームというのは大きな目標(世界を 救う)だとかに対して、自動的に大きな目標を達成するためのより小さな目標 (小さな町の魔王の手下を倒すとか)を提示してくれる。だからプレイヤーは たとえ魔王の城まで行くのに膨大な道のりを要するとしても、つねに提示され ている小さな目標をこなすだけで知らず知らずのうちに大きな目標を達成でき る。 これを現実に落とし込むとすると、参考書を1週間で読むという大きな目標は 1日に何ページやればできるのだろうと考えてみよう。そうすると1日でやれる 分量は意外と少なかったりするはずだからそれをこなしてみよう。もし多けれ ば2週間にすればいい。 2.準備の重要性 明日から試験1週間前だからとやる気を出して机に座ったものの範囲を調べ たり、プリントを探しているうちにやる気がなくなったということはないだろ うか? これは勉強を始めようとした人間が最初にぶつかる障壁だ。 思い出す、物を探すといった動作は非常にやる気を削ぐため、それを最小限 にするべく準備段階ですべて終わらせておくと、より円滑に物事が進む。前日 にやることをページや問題単位で(なんなら時間単位で)メモして書いておき、 机には使う参考書(or問題集など)をおき、勉強を始める際一切の動作を挟ま ないようにすれば、それは回避できる。 3.勉強を妨害されない環境を確保する ペースを乱さない空間を作ることは、勉強を始めるにあたって最初にやるべ きことだろう。しかし、これは人それぞれなので私の例をかかせていただく。 私は大体2つの環境を使った。1つ目は、朝の家だ。わたしは22時寝4時起き で朝の時間を確保した。4時起きと聞くと無理に思う人もいるだろうが、塾に 行って24時に寝て6時に起きるのと睡眠時間は同じと聞くと、まあ無理でない ように思えるのではないだろうか。 2つ目は放課後の〇〇の教室と図書館だ。この時、友人の近くに座らないほ うがいい。せっかくの勉強時間が無意味なディスカッションに変わってしまう からだ。(注:〇〇とは高校の名前) 先ほど言ったように、これは人それぞれでだ。飲食店でやるのがいいという 人もいれば塾の自習室がいい、という人もいる。各々がその環境を見つけるこ とが大切だ。 4.人の話を聞く これが一番重要。私の好きな言葉にこんなものがある。オスカーワイルドの 言葉だ。 「Most people are other people. Their thought are somone else's opinions, their lives a mimicry, their passions a quotation.(ほとんどの人は他 人である。彼らの考えはほかの誰かの意見で、彼らの人生は模倣で、彼らの情 熱は引用である。)」 これを正しいと思うか否かは人それぞれだが、少なくともあなたの選んだ道 と同じ道を歩もうとしている他者がいて、その人が自分より前にいるのならそ の人を模倣してみるのは無駄にはならないはずだ。 賢い友達がいれば質問しに行けばいいし、その人の勉強方法がよさそうだっ たら真似すればいい。それが無理ならば〇〇の先生に聞けばいい。わたしの知 る限り〇〇の先生は自分から勉強しようとしている人は見捨てることはしない ので、もし課題をさぼったことがあったりテストの点数が悪くて関係が悪いと 思っていた先生も、自分から勇気を出して行けばきっと価値のあることを教え てくれるはずだ。 私は最後まで塾に行かなかったのだが理由として〇〇の教員の質の良さがあ げられる。 5.自分の力を信じろ <省略> =================================== どうでしょうか? この生徒が指摘、助言している1と2と3は、前回781号の 「問題集をやり遂げるコツ<目標を低めに設定する>」で書いた内容と言葉は 違え、かなり符合している。 その一部を、再度転記しておきたい。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「やる気」なんて気持は、顕在意識の代表みたいものだから、本人ばかりか他 人にも、当てにはならないのである。その裏にある潜在意識をいかに味方にす るか、それができなくても、絶えず衝突する危険性に満ちた潜在意識といかに 折り合うことができるか、その方法にこそこころを砕いて考え、求めるべきで あろうと思う。 ・「全体を観ないのである。」 まず、なにも考えないで、とにかく手をつけてしまうことである。仮に問題 集の枚数(orページ)が100枚あるとすれば、ぶっつけで4,5枚やってしまう。 次にする日も3,4枚する。そして次にする日も、内容がすこし難しく遅々とし て進まず、2枚が精一杯だったとする。さらにそれを続けて5日目くらい、よう やくここで、全体を考える。いったいすべてを終えるのは、どのくらいの日数 と時間がかかるのか、また問題集の構成内容をつぶさに視て、どういう組み立 てとポイントがどこにあるのかを自分なりに考える。 ・「目標を低めに設定する。」 これは、ふたつある。まず大きな目標のほうだけど、それは問題集を途中で 投げ出すことなく、とにかく最後までやってしまうこと。しかし、そのために は、矛盾するようだけど「目標を低めに設定する」のである。 どういうことかというと、その問題集の「3分の1だけ」をとにかく夢中でや り終えればいい、と目標を決める。 大きな目標は、こんな感じ。次に、小さな目標。これは、日々の目標だ。目 標を低めに設定するとは? ・「けじめをつけない。次の作業のすこしをやり残す。」 けじめをつけて整理整頓されていると、勉強に取りかかるまで、いろいろな 動作とそれに付随する当てにならない気分が混じるでしょう。これをできるだ け遠ざけたい。 また、「次の作業のすこしをやり残す」とは、今日の勉強のノルマが問題用 紙3枚としたら、次の4枚目の1問とか、ほんのちょっと先まで中途半端にやっ ておくことを意味します。これなら次の勉強のときには、その続きから即刻ス タートが切れる状態にあるんですね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 より身近に感じられるのは上記生徒の内容でしょうから、こちらをご参考に していただければと思います。4のアドバイスもほんといいですね。 |
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