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§112 或るお母さまへのメール
<勁い志望を抱く>
今回はいつものメルマガの形式をがらっと変えまして、個人的な情報を少しオープンにさせてもらうことにしました。
近畿の某県にお住まいの、藤原様(仮名)に対するわたしからのメール内容です。大変有難くもご了解をいただ、メルマガにとり挙げさせていただくことになりました。
なぜ、このような形をとったかといえば、二つ理由があります。
1つは、全国の公立高校、それもトップまたはかなり上位校を目指しているお母様達にとって、有益な情報が含まれているか、と思いまして。またランクを問わず、入れる高校と入りたい高校の狭間で、その意志の持ち方や動機に、多くの方が不安定な要素を抱えていると想われ、ごくごく1つの参考にまた契機になれば、と考えまして。
2つ目は、メルマガの内容・形式の改革、新しい手法の開拓を目指す意いと、なにかしら新しい発見と小さな意義を見出せるやに知れないという、わたしの個人的意図に拠ります。
以下、その内容。
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藤原 様
純子君、よく、やりました。Very Good !! ですね。
学年で、5位ですか。すごいね。
◎実力テストの結果(中3・第1回)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
国85 数89 理90 英89 社79 合432
(59.6) (60.1) (44.3) (53.9) (51.7) (268.6)(平均)
9 31 4 7 21 5 順位(学年220名)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
寸評もお母様が書かれている通りで、よく観ておられます。
「社会は、今の純子にしたら健闘したと思います。
数学、解答欄間違い、計算ミスで落としています。
平均点からして易しかったはずなので、この点数はまずいですね。」
英語もよく頑張りました。他の科目と較べても、もう実力的に遜色ありません
ね。自信をもって! 問題集(中2数・英)のほうも役に立って、うれしく思
います。
社会は、今の学習(入試社会の攻略)を続けて、とにかく基本の力を溜めるこ
と。これ1点に集中して、わき目を振らず、コツコツ取り組んで下さい。肉付
けはあと、です。夏休み明けの9月のテスト、或いは11月頃にある(?)テス
トで勝負です。そのときに、あと10点プラスの89点、これが目標ですね(願わ
くば、もちろん90点以上ですが)。きっと、できると思います。
国語も理科もOK! 数学ですが、89点で31位とは、今回の問題内容は易しい基
本の集積問題ですね。90点以上が30名近くいるということは、応用らしきもの
は全然出していませんね。本来、数学の実力テストの点数は、理科の平均点44
点ぐらいが適切かと思います。つまり、今までの「数学の学習の力」を見るの
は当然としても、今回の問題作りの平均60点では、「数学の能力」を量ること
は出来ません。少なくとも20%ぐらいは応用的な問題、思考力を要する問題が
含まれているべきです。(今後は変わるでしょうが。)
逆にいえば、そういう問題構成の中で、純子君は89点が取れる力があると推う
んですが。それにしても、ケアレスミスは1つ、にしましょう! 2つ以上はも
ってのほか、普段に直しておかないと、入試でもしますから、よくよく自覚し
てこれから防ぐ対策と注意力を養いましょう。
昨年度の卒業生、A 校(公立トップ校)進学者は7名との厳しい数字ですが、
是非、頑張って下さい。今の塾の先生からも仰られている通り、「この子は行
きますよ。」を信じて、励まれることを。
<付記:中3より入塾されました。A 校は県下有数の公立進学校(偏差値68レ
ベル)。国公立へ多数進む。 B 校は2番手校(偏差値65レベル)有名私大の
関関同立が多い。>
ここでアドバイス(辛めですよ)。
「B 校も8名。B 校は大激戦で130名ほど不合格者が出てました。」
確かにB 校も難しく、かなり勉強しないと入れない高校でしょうが、気にされ
過ぎです。公立トップ校というものは、一般にどこでも案外無風状態に近く、
それに引き換え2番手の高校は、激しい風が吹いているんですね。それは具体
的に競争率というもので表せますが、その表面的な風に、お母様の注意が少し
向いているように思います。まあ、多くのお母様もそうなのですが。しかし、
本当の強い、レベルの違う風は、倍率の少ないA
校にあるのはいうまでもあり
ませんが。
公立トップ校に行くということは、一応目指して勉強する、というものではな
く、なんとしても強い信念を持って、目指した限り揺らぐことなく、刻苦勉励
して勝ち取るものなんですね。そこに1点の曇りもあってはなりません。実際、
そうはいっても、最後まで不安や焦りは付きまとうものですが、それと闘いな
がら・・・。つまり、成績次第では結果、2番手の高校でもいいわ、という気
持ちでは(そうではないのは、わかっていますが)、現実にもそうなる事が多
いといいますか、入試間際のかなり緊迫した強風に煽られたり、流されてしま
うこともありがちなのです。
ですから、B 校は意識から外すことです。
――ふんっ、B 校がなんぼのもんじゃい。関係ないね。
と、強がりをこころのなかに持つことです。それは、軽視しているのではもち
ろんありません。
――目指すは、A 校の真ん中!
と、意識し、肚におさめて、今の自分の力(周りの状況は少しだけ)を観るこ
とです。
振り仰いだ自分の目線の上にA 校やB 校が在るのではなく、目線は平行で、自
分の肚の中に、A 校が存在する、という姿勢が望ましいわけです。
そうすると、かえって落ち着くし、焦る気持ちもなく、しなければならないこ
とが見えてくるし、自分の中のまだまだ足りない部分を補う行動も出て来ざる
をえない。そんなふうに、今回は思います。
さて、新しく塾の通う生活にも徐々に慣れてきたご様子。
ここで上と逆のことをいうようですが、あまり無理をしませんように。しんど
いときは、しんどい。疲れたときは、疲れた。気が乗らないときは、無理して
も上手くいかない。頑張りすぎたら、糸がきれることもあるので、適度に緩め
たり、引っ張ったりして、本人もお母様も調節してください。
こちらのほうも今週が修学旅行で、来週が中間考査です。
純子君のほうは、実力テストがその代わりにあるんですね。わたしのつまらぬ
予測では、次回の実力テストは少し下がって8番。(なにくそっ、で頑張って
下さいね)
まあ、まだ成績の上がり下がりの変動はあるでしょうが、ベストテンには絶え
ず入っておきたいですね。その力は既にあると思うんですが。
ただ、中3になると、男子生徒の力も結構伸びてきますし、女子の場合は実力
的に伸び悩み、停滞してしまうケースがわりとあるので、また中3学習のいよ
いよほんものの学習と応用が含まれてきますので、楽観は許されません。
しかし、純子君の場合は、今までの勉強が本人の力の筒一杯やっているわけで
はないので(今はしていますね)、また5科目の成績内容を鑑みて、潜在力と
今後の勉強如何でまだまだ伸びる、と思っています。
けれども、これは綺麗な言い方ですね。いつものように厳しく言うと、まだ脇
が甘い、基本でも抜けているところが在る、ミスをしでかしとる、出来て当た
り前のところを取りこぼしている(恐らく・・・)、数・英の学力もまだ足り
ん、覚えこむ量もまだまだ少ない、など、があります(?)ので、そこを埋め
ていくことも必要かと思います。そのマイナス要因をカバーするだけで、絶え
ず5番以内はキープできますね。
さらに望むことは、2学期に一度、3番を取ってもらいたいor女子で1番を取っ
てもらいたい、ということかな。まあ、いうのは簡単、するのは本人ですから
大変でしょうが、気長に、ぼんやり待っています。
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中1の終わりごろからのメールの遣り取りがあって、今回は長い内容になりました。
勉強のほうも「中1英語REVIEW」問題集から始めて中2、中3と、数・英問題集、また実力テスト対策問題集などを使って勉強していただいております。もともとかなりの力があり、定期テストの成績もいい点数を取っていたのですが、英語に関しては弱点、やや難があり、「実力をつける英語」のメルマガでは、最初は確か50点も取れない状態だったかと思います。部活も土日もある厳しいクラブで、十分な学習時間も取れず、また塾にも通っていないとのことなので、演習量の不足があったのですね。
でも、その後の本人の努力により、そして学校の授業を基盤としてもそれだけに捉われない、もう少し展げた問題を徹底して繰り返し演習することによって、実力も着実についていったのだと思います。
さて、中3の正念場は夏を過ぎた秋以降としても、また、いま目の前にある学習と課題にまず心砕き、集中することには言を俟ちませんが、上で書いた「志望と風」について皆様に、特に中3生のご父母の方にいま少し。
やれるだけはやって、もし力が及ばなければ柔軟に方向転換するのも一つ。また最初から目標をしっかり定めて、それに一意専心して邁進していくのも一つ。塾に通っていてその先生の指導と助言をもとに勉強していき、自分の力に見合った高校に進むのも一つ。まだまだ他の例もあるでしょうが、最終結果どれがいいとは一概にはいえません。生徒の性格、タイプもあるでしょうしね。
でもそんな中で、公立トップ高校を目指す場合に限っては、気持ちのもち方の選択肢としては、次にように思う。もし行けるのなら行きたい、それなりにやっていれば誰かの力で行かせてくれるだろう、学校の先生の意見を参考にしてから、倍率を見て考える、などの心構えでは、3学期を待たずにへたるだろうし、ましてや受験直前の強い逆風に抗うこともできず押し戻されてしまうだ
ろう、と。自分のことは、自分で決めねばね――
いま、85の力で公立トップ高校に行けると仮定する。合格すれすれの線でもないが、余裕がある力ともいえない。――プラスマイナス3%か、と想う。闘いは自己の中にある。現在の力は83。志望を肚に据え、慌てることなくそして気持ちにぶれも少なく勉学を積めば、83+3=86。一方上記のように、志望はあるものの他者依存、また状況次第という考えでは、83−3=80になることだ
って結構ある。
これはあくまで精神的要素で、他にも要素が当然絡んでもう少し変動はするわけですが、それはまあここでは論じないとして、気持ちの面からでも結果の差は案外大きく出てくるということを、前もって識っておくのも損ではない。それだけに、志望校は口外せずとも早めに肚のうちに固めて、突き進んでいって欲しいと希う。風はいまどちらにも吹いていないが、入試間際の風は精神的にはいつも逆風なので、それを掻い潜るのは当然だ。
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