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§23 定期テストに対する勉強のしかた
<数学編>
もう直ぐ1学期の中間テストが始まりますね。今回は数学を中心に定期テスト対策のしかた、コツ、注意点などをすこし述べたいと思います。
その前に5科目全体のスケジュールですが、1週間前からとりかかるとちょっと短いというか、じゅうぶんできない科目も出てくる気がしますし、かといって2週間前からすると、緊張感が持続しないし、テスト範囲もまだわかっていなかったり、ひどい場合初めにやったことを忘れてしまったりして、結局内容の浅いものになる可能性もあるので、10日前からスタートすることを個人でする場合、お薦めしています。
その10日を3日と7日に分けるのですが、本格的に取り組むのは7日かな。初めの3日は何をするかといえば、日頃あまりしていない科目、苦手な科目、またかなりの暗記を必要とする科目、単元にあてるべきかと。イヤなもの、不得手なものは人間、後回しにしがちですが、今までの自分の結果を振り返ってください。あと回しにしたものを、じゅうぶん納得するまでしたことがありますか?
結局不得手な科目、時間をかけねばならない科目は先送りにした結果、じゅうぶん時間もなく対策もできず、当然のようにテストの点数は今までと同じで芳しくないことになる。これを無くすためにも、また以前よりちょっといい点を取るためにも、上の方法を実行してみてほしいですね。
初めの3日間で基礎慣らしをしておいて、後半の7日間の中でもう一度真剣にするのです。この教科がどれか、人によってまちまちだと思いますが、少なくとも1教科は、前と違った結果が出るでしょうね。さらにこの利点は、気持ちに余裕を生むとともに、あとの1週間に対するやる気を高める筈です。これが実は大事
さて、数学のテスト対策の在り方をお話します。
テスト勉強は、やはりしなければなりませんね。何故なら、塾でテスト対策をするでしょう。そうすると数学の場合、よくできる生徒は1回目から90点以上は取るんだけど、なかには60点から70点前後を取る生徒もいるわけですね。
わたしの場合、数学の各単元ごとにテスト対策のプリントを3枚作ってあり(理解が不足しがちな単元は4,5枚)、初めのプリントは基礎レベルで、要注意の問題も含め、全てできなければならない問題、即ちテストに必ず出題される定番問題で構成してある。上の点数は、この1枚目のプリントの点なんですね。
もしこのままテストに突入しちゃうと、まあ少しえらいことになるわけです。問題や単元によりますが、解法を忘れていたり、便利な裏技のテクニックなんかも教えてるのにすっかり抜けていたり、ひっかかる問題を懇々と注意してあったのに、時間が経つとまたひっかかったり、その他の小さなつまずきをしてるものですから、それらの再チェックをしなければならない。
1枚目のプリントでまずベースとなることを押さえる。必ずノートに間違った問題を書き写させて、図形問題ならその図形も手書きで写させ、もう一度自分で正解が出るまでやらせます。当たり前だけど、大切なことは、できた問題ではなくて、できなかった問題、忘れたことのチェックと確認でしょう。
しかし、「わかることとできることは、違う!」。 これは口を酸っぱくして何度も言ってます。ミスも含め、できなかった問題を目で追うだけで、また正解を書き写すだけで、何がわかったというのか? 次には、必ずできるのか?!(普通はここまでですね) できる者は既に、初めからできているのです。できていないということは、たとえわかってたとしても、できる力がまだ完全には備わっていないということ。それ故、ノートに再度やらせるわけですね。
次に、2枚目のプリントを行います。基礎の反復とやや応用タイプの問題を含め、構成してあります。学校の定期テストレベルの対応はこれでじゅうぶんです。いきなりこれから始めると、生徒の点数はもっとひどいでしょう。しかし、1枚目で力をある一定まで引き上げてますから、難しいのは別として、案外できるものです。もちろんこれも上と同様、できなかったところは各自修正し、ノートにやり直しです。
3枚目は、力のある生徒用です。それほどハイレベルは取り上げていませんが、入試で出たことのある問題とか、今の範囲からこういう問題に発展するのか、といった問題を意識的に取り上げ、構成してあります。理解力、スピードには差があるので、ゆとりのある生徒に油断させないというか、更に思考力を高めさせるのが狙いです。
こうして数学のテスト対策は進行します。60点ぐらいの生徒は72点ぐらいに、75点ぐらいの生徒は86点ぐらいに、また85点の生徒は90点、90点の生徒は96点ぐらいを本番のテストで取るようになりますね。まあしかし、それは全体の9割強に当て嵌まることであり、中には首を傾げたくなる生徒もいるもので、効果が出ない者も、また逆に何にトラブッたのか下がってしまう生徒もたまにいます。
もちろんこれは、日頃のこつこつ勉強をしてきた成果の上に乗るものであることは言うまでもありません。上記の数学のテスト勉強を、塾に行っていないと仮定してもう一度一般的にいえば、次のようになります。
1.<習ったことただ振り返るのではなく、実際に手で、問題を解くこと。>
自分でする生徒の中には、学校で習ったプリントやノート、教科書などをただ目だけで追って、 ああそうだった、とか、こうして解くんだな、とか、表面的な確認だけで済ます者もいる。これは愚の骨頂! もし、これに似たことをしてる生徒はすぐ改めること!
それは全てできる、という自信と発想のもとの行為であり、実際にテストで98点以上取る自信のあ る生徒、また常に取っている生徒なら、別に守る必要もありませんが。
テスト前に課題の範囲の問題を自分の手で解くということは、何が解けないのかと、わかっていても何がミスをするのかを発見することであり、そしてその穴を埋めることなのだから!
2.<最低2回は解くこと。>
やさしい問題も難しい問題もごっちゃにして、順番に解いていくのではなく、まず1回目は基礎レベルの問題をしっかり最後まですること。その際、ミスが出やすいところとか、公式、定理があればしっかり頭に入れ、確認すること。次に2回目を、基礎のレベルの繰り返しとやや応用をする。
3.<ノート直しをして、「できる」ところまで行き着くこと。>
2をするに際し、間違ったところ、ミスをしたところは全てノートに書き直し、自分の頭でやり直すこと。 |
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