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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§70 波長が合わないということは・・・
<ほんとうの力を視る目>

 家に居て、たまたま側を通ると電話が鳴ったので受話器を取る。
「はい、もしもし」
「○○さん、いますか?」
「はいっ?・・」
「○○さんなんですけど・・」
「こちらは□□だけど、おたくはどちらですかっ?」
「あっ、△△ですが、○○さんはいますか?」
「そんな名前の者はいません!」
「あっ、いいです、ご免なさいね」

 若い男の声であった。実は、二度目の○○さんで、それはうちの娘のことだと気付いたわけなんですが、それが○○の名前の読み方がデタラメであり、そのいかにも漢字力の弱さと電話の基本的な喋り方が出来ないことに、気分を少し害して、お座なりに返事したのです。

 お気づきの方もおられるかと思いますが、私も最初に電話を取った時、「はい、◇◇ですが」とこちらの苗字を名乗らなかったわけで、相手のマナーの悪さを言う前にこちらも少し落ち度があるのですが、このよくあることを問題にしたいわけでなく、出会い頭のお互いの波長がどうもしっくり合わないこと(合うほうが珍しいわけですが)について書いてみたのです。

 午後、二度目のコーヒーを飲みに駅前の、よくあるチェーン店の珈琲舘に入って行った。こういう喫茶店のコーヒーは、私にはもう一つうまいと感じない。店の中は若い女の店員が3人。それだけでも店の姿勢とコーヒーの味がわかるというものだ。だからメニューをみて、モカ・フロスティなるものを頼んだ。
「モカ・フロスティですね、以上でよろしいでしょうか?」
 と、20歳ぐらいのウェィトレスのマニュアル通りの受け答え。
「あいっ」と私。機嫌がいいときと悪いときは、「はい」より「あいっ」となる。年取ってきたな。もちろんこの場合は、あまり気分がよくない。

 だってね、モカ・フロスティ(フロートではないよ、フロートはアイスクリームが浮いてる奴でしょう。フロスティは、霜状のという意味で、ええっとつまり、あまり飲んだことないよ)なるものを中年の男が頼んだんだから、それでわかるでしょう。他に何を追加して頼むんだよ。

「以上でよろしいでしょうか?」という、マニュアル通りの相手への質問は何とかならないのかよ。ここは日本だぜ、意志の疎通にそんなに支障をきたす場面はそうそうあるとは思えんけどね。ましてや、コーヒー一杯ぐらいで、そんなに確認するなっ!て言いたい。誰がこんなあほな問答を考えたんだろうね?マクドの影響かな。

 そして数分後、モカ・フロスティなるものを持ってきてテーブルの上に置くと、またしても感情のこもらない丁寧な口調で、
「ご注文の方は、以上でよろしいでしょうか?」
 と、これまたマニュアル通りの質問。質問するなよな、答えねばならないじゃないかよ。もう顔を見ずに、「あいっ!」 

 仲間が5人や10人いて一緒にあれやこれやばらばらに頼んで、「ご注文の方は、以上でよろしいでしょうか?」は、わかる。別に大勢の客で混んでいるわけでもなく、1人がたった1つのものをオーダーして、その言い方はまったく不要でしょう?! いつも行く喫茶店なら、「アメリカンね」といえば、「はい(あいっ)」をわざわざ2度も言うことはない。

 なぜこれが不愉快窮まるかといえば、言わなくても済む「はい」を無理して言わねばならない羽目になること以上に、丁寧を装っているがその実、感情のまったく入っていない科白だからだろうね。波長がまったく合わない!

 しかしこのまま進んだら、単なるエッセイ以下になってしまい、このメルマガは一体何?ってことになるので、一つだけ、やはり波長が合わない例として、入塾テストの場面でのことを書いてみます。

 新中2生になる男子生徒が2人、入塾テストを受けました。私のテリトリーとする中学ではないのですが、当塾の情報を聞いて受けてみたいということになり、片方の親と共に来塾しテストを受けました。結果は恐らく他塾へ行かれたと思うのですが、その内容を掻い摘んで述べてみます。

 
 お母様曰く。「うちの子は数学ができるんだけど、学校のテストでも常に100点かそれに近い点を取っていて、その代わり英語が全然出来ない。ただ見て覚えようとするだけで、鉛筆もって勉強しません。どれだけ注意しても言うことは聞かないので困っています」と。

 何点ぐらいか訊くと、40点そこそことのこと。詳しく聞くと、小学時代に英会話を習っていたとのこと。またK 文に通っていて数学は、中3課程の勉強を既に完了して、そこの先生から高校の勉強に進むかそれとも中1から再度復習するか、の選択を迫れたとの由。本人もお母さんもかなりの数学への自信と達成感があるみたいに、その口調から感じられた。

 そして細々話を聞き、またこちらからも質問したりで50分くらい話したのかな、非常に疲れを覚え、また少し違和感を感じつつも、とりあえず採点してからまた詳しくと、その場は帰ってもらった。
 
 二人の成績結果(A 君はお母さんと一緒に着た生徒)をちょっと紹介(もちろん100点満点ですよ)。テストのレベルは基本問題です。応用は出しておりません。これくらいは最低知っておいて欲しい、と思うものばかりです。

 A 君:数/68 英/14 国/34 =計116 点
 B 君:数/43 英/41 国/51 =計135 点

 こんなもんです、別に驚くような点数ではありません。少なくともわたしにとっては。この恐ろしい現実は、過去いくらでも見てきましたから。二人を比較して、まあ教えたとしたら、B 君の方が伸びるでしょうね。あまり良くないもののバランスは取れていますし、また自分でこれまで勉強してきたということと、国語がましですから。

 さて、A 君ですが、数学が68点。実際にK 文でやってきたプリントをお母さんが持ってこられて見ましたが、中3の最終部分の図形なども解いています。しかし、学校での成績、お母さんの話を聞くに、68点とはかなり物足りなさを感じるわけですが、それ以上に驚くというか不信に思うのは、中1の方程式の文章題(距離問題の定番レベル)がまったく出来ていない、その解いた答案の
考え方も違う、ということです。

 また計算の一部やほんの少し考える問題、またやさしくても要注意な問題というのが中1でもあるのですが、そこも出来ていない。つまり、ここから何が言えるかといいますと、一言、危ないなあ、ということですね。本人もお母さんも学校の先生も見誤っている可能性が大です。本人の数学の力をね。たまたまそういう人にあたったのでしょうが、K 文の指導者の目はどこについてんだ?と言いたい。

 中3まで済んでいるので、ちなみに中2学習の一次関数で、応用レベルの中のやさしい1問を、解いてみなさいとやらしてみたのですが、案の定出来ません。理解してもその場限りの浅い学力に過ぎず、ほんものの力は身についていない証左です。ちょっと視る目を持っていたら、そんなことはすぐにわかることですけどね。皆様も出来れば、この点気をつけて下さればと思います。こういうケースはままあるのですから。何も先先進む必要はない。

 そのお母さんは英語を何とかして欲しい、英語だけ教えて欲しい、と言います。わたしは数学についてまず懇々とその力の分析と中2からのやり直しを力説しました。でもね、通じていない、昏いのです。人の話を聞いておりません。
「英語のほうは何とかなりませんか?」と、A 君のお母さん。
「なんともなりませんね」と、私の答え。

 冷静に見てください。英語の点数をもう一度、14点です。文法問題は壊滅です。何とかできているのは単語の一部と記号問題でたまたまあった問題だけです。実はB 君の41点ですら、相当抜けているいるんです。1年の英語で押さえとかなければならない文法の基本がね。これを直すだけでも、直すのは簡単ですが、ほんとうに本人がわかり、出来るようになるまで、そしてさらにそれがテストで出来るようになるまで、そして実力テストでも間違いなく正答が得られるまで、考えれば気の遠くなる道程があるんです。その比じゃないでしょう!限りなく無に近い。

 大手の塾と掛け持ちでテストを受けたらしく、そこでは英語は個別学習で対応して、数学はできるんなら特進クラスで勉強を受けるような話もされましたが、私のような個人塾ではそのようなシステム的な対応は出来ません。このような耳障りのいい話は、生憎私には出来ません。それがいいとは思っていませんが、性分だから仕方がない。というか、困った性分です。

 まあ本人の英語のその点数のひどさ以上に、数学の説明に対しての姿勢、お母さんの挙止とその幾分功利的打算的な考え方に、大いに疑念を抱いたから、「なんともなりませんね」と言ったのですが。もちろんその真意は伝わる筈もない。

 最近はこの種の、内容の伴わない、やたらに自己主張の強い父兄の方が増えてきている、と感じるのは私だけではないでしょう。昔の、「出来が悪い子ですが、先生、何とかして下さい。悪いことをすれば、頭の一つ二つぶん殴っても、引っ張ってください」というお母さんは、極度に減ってきましたね。この波長はおおいに好きなんですが・・・ そして、何とか精一杯しようではない
の、と侠気(?)というか静かな闘志を抱くのですが。