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 2021年版中学英語教科書改訂について VOL.3
<中3英語の教科書をみて思うこと>

 今回の内容は、ほんとにおもしろくはなく、一部の方にだけ最後まで目を通
してもらえるかな?というものになってしまいました。

 中3英語の教科書をみて感じたこと、驚いたことなど以下書いてみます。

 NEW CROWNのLesson5&7より各一つ(全部でLessonは7つ構成)。
===================================
1. I hope this video reminds you of the great time we had in A Junior
High School !

 この英文の読み取りのポイントは、3つです。
・tha節t ・関係代名詞(目的格)の省略形 ・remind 人 of 〜

2.I have a dream that my four little children will one day live in a
nation where they will not be judged by the color of their skin but
by the content of their character.

 この英文の読み取りのポイントも3つあります。
・同格のthat ・関係副詞のwhere ・not A but B
===================================

 高校英語から降りてきた文法には、仮定法や感嘆文、そしてlet(help)+
人+原型不定詞などがあります。仮定法は表現の幅が豊かになる文法ですが、
過去形だけで、また実際つぶさにやってみても、一部噂になっているほどたい
したことはありません。また、教科書CONETNTSに上記文法が明記されていても、
仮定法同様その一部の文法が入っているだけで、生徒にとって、理解や暗記に
ややこしさを感じるところはあまりないように、わたしは判断しております。

 それより、もっと問題となるのは、そして指摘しておきたいことは、大きな
目立つ文法というより、小さな文法や語法、単語・イディオムなど、従来高校
で学んだものが、新しい教科書では、ふんだんに巻き散らかされたかのように
出てくることです。それによる、生徒の理解不足と暗記の絶対量のすくなさが
おそらくかなり出てくることが懸念されるところです。

 その具体例としてふたつの英文を今回、抜粋してみました。すこし解説と訳
をしておきます。

1. I hope this video reminds you of the great time we had in A Junior
High School !

 この英文の読み取りのポイントは3つ、と書きました。tha節、関係代名詞
(目的格)の省略形、remind 人 of 〜、です。I hope+tha節(that省略):
「わたしは〜を願う」→「〜であればいいですね」くらいの訳にします。これ
は気づきやすいでしょう。

 問題は、「remind 人 of 〜」→「人に〜を思い出させる」。まさにいまま
でなら、高校文法ではないか。それも物主構文、物が主語に来るパターン(が
多い)。 This music reminds me of my childhood.「この音楽を聴くと、わ
たしは子供時代を思い出す」みたいに訳すのが、自然な日本語訳としてのひと
つのパータン。これを中3生レベルの英語で求めるのか?!・・・。

 the great time we had in A Junior High Schoolの部分は、関係代名詞
(whichまたはthat)が省略されていて、先行詞the great timeを、後ろのwe
had in A Junior High Schoolが修飾する形ですね。これはわかりやすいかな。
でもこの部分に限って言っても、授業で詳しく教えてわかったとしても入試長
文のなかで素早く判断し訳せる生徒は、そう多くはないのが現実でしょう。

 では、訳してみます。まずはガチガチに前から訳してみると。
「私は願う このビデオがあなたに素晴らしいときを思い出させる 我々がA
中学で持った」→つまり、「このビデオを観てあなたが、私たちがA中学で過
ごした素晴らしいときを想い出してもらえばいいのですが」くらいの訳がいい
かな。
 
2.I have a dream that my four little children will one day live in a
nation where they will not be judged by the color of their skin but
by the content of their character.

 この英文の読み取りのポイントも3つあります。
・同格のthat ・関係副詞のwhere ・not A but B

 同格のthat(〜という)は、名詞+that+主語+動詞〜の形で、that以下の
文(この場合、最後characterまで)が前の名詞の内容を説明する。「わたし
には夢がある」という、マーチン・ルーサー・キング牧師が演説したあまりに
有名な文句であるが、夢、それはどんな夢かthat以下最後のcharacterまで述
べて説明している。この高校から降りてきた同格のthatを関係代名詞のthatと
どう区別・理解できるか、これは生徒に説明すればするほどややこしく感じる
部類に入るであろう。

 次に、where。疑問詞whereではありません。つまり、間接疑問文にはどう訳
してみてもならない。ではなにか? これは準拠問題集などにはなんら載って
ないというか、言及がまったくなくおかしいなと思っているのですが(今後も
うすこし調査する予定)、関係副詞のwhere(=in which)でしょう。どうし
て中3英語で関係副詞が出てくるのか、わたしには現時点、まだ判断できません。
先行詞 a nationを関係副詞where以下(〜character)が修飾している。

 さて、もうひとつ、they will not be judged by the color of their skin
but by the content of their characterのなかで、notとbutが離れて書かれ
ています。これに気づかなければ、訳はまったくでたらめ、になってしまいます。
つまり、not A but Bで「AではなくBです」という訳し方になります。

 なおone dayは、ふたつの意味があり、副詞扱いとして「ある日(過去)」と
「いつか(未来)」で使われる。someday(いつか)より、かなり意思が強い。

 以上を踏まえて、ガチガチに前から直訳気味に訳すと。
「私には夢がある。わたしの小さな4人の子供たちがいつか、国に住むだろう。
彼らは彼らの肌の色ではなく、かれらの人格の中身によって判断されるだろう
→つまり、「わたしには、わたしの小さな4人の子供たちがいつか、彼らの肌
の色ではなく、その人格の中身によって判断される国家に住むだろう、という
夢がある。」

 ということで教科書よりふたつの英文をたまたま抜粋、解釈してみましたが、
どう感じるでしょうか? 一文が長いですよね。よって当然というか、いろい
ろな文法・語法が混じってきますので、英文の構造がすばやくつかめる、文法
力を中心とした高い英語力を養う必要があるのが、お判りいただけるかと思い
ます。

 なんだか高校に入った段階のワンランクアップした英語を習っている感覚に
ならないでしょうか? 文法だけでなく、そのまわりにどっかとある単語・語
彙もみておかないと、全体はつかめませんので、下にLesson5と、Lesson4と5
のあいだに挟まったページのものを列挙してみます。

 無印:中学で習うのが基本かな、という単語。
 ★:いままでは高校段階で出てきたかなという単語 
 ☆:中学でも高校でも別にどっちに出てきてもおかしくはない単語
(あくまでこれは私の主観で、ほかの見方もいっぱいあるかと思いますが。)

===================================
 名詞(固有名詞などはすべて省いています。)
★1.achievement( 達成 ) ☆2.boycott( ボイコット ) 3. 4.death( 死 )
☆5.fountain( 噴水 ) ★6.justice( 正義 ) 7.movement ( 運動 )
8.nation( 国家 )★9.quote( 引用 ) 10.restroom( トイレ ) 11.skin
( 肌 )★12.autograph( サイン )★13.bit( 少し )14.chip( ポテトチ
ップス )☆15.pickles(ピクルス) 16.slice( 一切れ ) ★17.committee
( 委員会 ) ★18.criterion ( 基準 )19.delivery( 配達 )
★20.presentaiton( 発表 )★21.region( 地域 ) ★22.selection( 選択 )
23.topic( 話題 )24.housing( 住居 )★25.creativity( 創造性 )
★26.effort( 努力 )★27.honesty( 正直 ) ☆28.section( 部分 )
☆29.balcony( バルコニー ) 30.body( 身体 )31.care( 世話 )
★32.direction( 方向 ) 33.oil( 油 )34.rat( ネズミ ) 35.edge( 端 )
36.flying( 飛行 ) 37.moment( ちょっとの時間 ) 38.position( 位置 )
39.wind( 風 ) 40.wing( 翼 )

 動詞 
★1.inspire( 奮い立たせる ) 2.judge( 判断する ) 3.kill( 殺す )
★4.last( 続く ) 5.bace( 基礎に置く ) ★6.describe( 叙述する )
★ 7.arrest( 逮捕する )8.fill( 満たす )★9.refuse( 拒絶する )
☆10.repair( 修理する ) ☆11.attack( 襲う ) 12.cover( 覆う )
13.lay( 産む ) ★14.land( 着陸する ) 15.control( 制御する )
16.fail( 失敗する ) ★17.gain( 得る ) 18.pull( 引く )

 形容詞・副詞・前置詞
☆1.unfair( 不公平な ) 2.public( 公の )3.martial( 勇ましい )
★4.fascinating( 魅力的な ) 5.dirty( 汚れた ) 6.dead( 死んだ )
7.fat( 太った ) ★8.mean( 意地悪な )☆9.kid-sized( 子供サイズの )
10.able( 〜できる ) ★11.correct( 正しい ) 12.wide( 広い )
★13.anywhere( どこにでも ) ☆14.below( 下のほうに ) 15.even
( 〜でさえ )★16.excluding( 〜を除いて )

 熟語
☆1.be free to( 自由に〜できる ) ☆2.join hands with( 〜と手を取り
合う ) 3.under the law( 法の下で ) ★4.be based on ( 〜を基にして
いる )★5.a little bit of( 〜をほんの少し ) 6.Anything else ?( ほ
かに何か? ) 7.fill up( いっぱいに満ちる ) ★8.even though( たとえ
〜ても ) ★9.pull away( 身を引き離す )★10.step into( 〜に足を踏み
出す ) ★11.put out( 出す ・消す)
===================================

 たとえば、landなんか名詞の「土地」ではなく動詞の「着陸する」で出てき
ます。meanなんかもこれは動詞の「意味する」で、いままでならWhat do you
mean ?とか、What does it mean ?で「どう意味ですか」なんかで覚えていれ
ばじゅうぶんだったのが、meanの形容詞「意地悪な(みすぼらいい・卑怯な、
など)」で教科書に出て来るので、思わずはっとします。

 それにしても主観ながら、★印(及び一部☆印)がいやに多いのがおわりい
ただけるか、と。単語や語彙・熟語などみても、ずいぶん高校から中学に降り
てきたのが、そして覚える量もなにやら従来の2倍近くあるのが肌で感じても
らえばと思っています。

 英語学習は相当気持ちのねじ巻いて、時間もかなりかけて、コツコツ進めて
いってください。