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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§157高校英語の問題集について
<2年あまりの歳月が・・・>
 
 今回、英文法オリジナル問題集の高校生用、「大学入試“ワーク合格英文法ここまで”」が完成しましたので、その内容と位置づけなど説明がてら、高校英語の学習にまつわる事柄にほんの少し触れたいと思います。
 
 いままで当メルマガは、「E-juku1st.Com の中学数学・英語」の題名の如く、中学生の英語と数学を中心に、社会や理科などに関する話題も拡げながら、その学習のあり方と周りに存在する諸問題を中心に取り上げてきました。またそこに少し足す形で、小学生の勉強の在り方なども織り交ぜて書いてまいりました。今後もそのスタンスは変わりません。

 ですので、その範囲を超えて高校学習に関する内容について多くを語ることは、基本的に領分を越えているといいますか、また意識的に避けてきている面もあったのですが、今回ばかしはそうもいきません。高校英語の問題集そのものについてのご説明ですから。

 問題を解く力と問題を作る力はまったく別物であるわけですが、ご承知の通り、中学英語とはそれこそ雲泥の差があり且つ較べものにならない拡がりと奥行きがある高校英語の、その厖大な知識の中で果たして、文法問題集なるものを作れるのか?という疑念を、これをお読みの方々のなかに抱かれてもなんら不思議ではありません。そしてまた短期間(けれども2ヶ月半ほど休みなく没頭しましたが)にどうして作りえるのか、と。

 実は、初めて記しますが、わたしの問題集作成の原点と始まりはここにあったのです。中学生対象の英語や数学の問題集は、そのあとからの作成になります。大学入試へ向けた、体系的実践的文法問題集(と勝手に思っていますが。さらに余談ながら、某準大手出版社から出版の運びの話になるも、最終的に陽の目を見ない経緯があった問題集です)を作成し完成するまで、その準備期間も入れますと2年あまりの年月を費やしていたのです。いまから憶うにそれは、気の遠くなる作業と思考の連続、そして内から湧いて来る尽きせぬエネルギー(?)の賜物であったような気がします。また、現在の気力と頭ではとても適わぬ地道な仕事であった、といまでは考えております。

 その文法問題集「大学入試“ワーク合格英文法ここまで”」<A4版>を製本して授業に使っていたのですが、文法の説明や解答はすべて、私専用の問題集の中に書き込んでいたので、実際に直接教えていくぶんには不都合はないものの、こうして一般に利用してもらうとなると事態はまったく別、そうはいきません。

 そこで今回、B4プリントサイズに切り替えて、新たに問題プリントと解答を構成し直し、そして文法解説のプリントを一から作り上げました。その内容のもう少し詳しいイメージはホームページ上でご覧いただくとして(もしご興味がおありでしたら)、問題と解答のプリント枚数は各153枚、解説のほうは95枚、計401枚にもなる、それ相当の分量を含んだ手応えのある問題集かと思っ
ております。例によってすべて手書きでしかも高校生用ということで筆記体、しかし今回の大幅な修正と構成し直しで、解説と解答はブロック体に直しましたが。

 実際にこの問題集を利用し生徒を指導したのは、5年ほどで長い期間とはいえず、その実績(大学入試への)も英語だけですからなんとも計れないわけですが、一応英語を教えてこの問題集を利用した生徒の中からは、京都大(工)、信州大(医)、滋賀大(経)、同志社(法)、関学(経)、関大(社)などには合格しています。しかし正確を期するために書いておきますが、中学とは違
い、半数以上、いや8割以上の生徒はついてこれなかったですね。

 ついてこれないとは、こちらが設定している或る高みまで登りきれなかった、ということを指しています。高校での学習は原則として、中学とは根本的に異なり、他人の力を借りて頭に入れることはまず到底できません。その訳は、簡明にいいますと、複雑、煩雑、厖大にすぎるからです。一度習えば最後、すべて自分の責任で整理整頓、すべてを覚えつくすまで時間をかけ、倦まず反復し、あらゆる手を尽くし、我が頭に叩き込む、それくらいの姿勢で臨まねばものに
はならない。

 自分の頭と手と足でふうふう言いつつもとぼとぼ登ること、ただそれだけ。他人はその道筋を間違わないように指し示し、どれだけ多くのこと覚えねばならないか、また注意すべき数々の点を解釈、説明するに留まる。ただしこれらのことも、学校では満足になされているとは到底思えないから、よくよく心して取りかからねばなりません。

 公立高校に進む場合、それも上位校になればなるほどいえることですが、中学で学んだ学習法、或いは塾などで身につけてきた学習法のほとんどは、いいところだけ残して、あとはすべて捨てねばならない。なぜか? 誤解を恐れずに言いますが、その成績の元になる学習態度から勉強の中身、成績と実力、そして気持ちの持ちよう(実はこれが最もよくないところですが)まで、たとえできていようと非常に甘いレベルにあるということ、さらにその力のつけ方の部分で、他人の(つまり塾側の)影響による悪癖(?)に染まっているからです。これは世間の常識や評価とはまったく逆の指摘かもしれません。

 はっきり言って「教え過ぎ」です。そうしないと、生徒はできるようにならないから(すでにここでおかしい)、必然的にそうなっちゃうわけですが、ある意味、塾の使命の最大の部分はまたここに存するともいえますが、それにしてもその力のつけ方の過程で、どうにもこうにもすんなりいかないことは日常茶飯事といってよく、ほんの一瞬でもスピードを上げて教えようものなら生徒の顔はつるんとして無反応、思考はしていないことになり、その結果容易について来れず、そのためゆっくりゆっくり噛んで含んで説明をしなければならないことだらけ、それも時間が経つと頗るたくさんあっけなく忘れてくれますから、簡単な基礎ですら繰り返し、繰り返し演習し、また同じことを説明することになる。こんな生温い学習環境と進み方でたとえ中学で通じても、また成績と実力が上がっても、高校の学習では通じるはずがありません。

(余談ですが、この現実を踏まえて私の問題集は作ってあります。それだけに現在、数・英を中心とした問題集を利用して、自分の力(時にお母さん、お父さんの力は借りたとしても)で勉強している生徒、そしてその成績でまずまず納得できるいい点を取っている生徒は、力のある証拠です。なぜならそこに「教え過ぎ」はあまり考えられないでしょうから)

 もう一度書きます。高校英語はご存知の如く複雑、煩雑、その習うべき内容は単語から熟語、構文、文法、そして長文読解に英作と、何もかも厖大です。しかし、それが一体、どうしたというのか?! 突き進んで、勉学上の労苦を乗り越えて、やるしかないではありませんか。ただしその場合、一度習えば最後、あとはすべて自分の頭と責任で整理整頓、すべてを覚えつくすまで時間をかけ、倦まず反復し、あらゆる手を尽くし、我が頭に叩き込まねばならないだけです。

 そのほんのごく一例を書いてみましょうか?
 たとえば単語。
 次の日本文の意味にあうよう英文の( )に適切な単語を英語で書き入れな さい。
「私の留守中、犬の世話をしてください。」
 Please ( )( )( ) my dog while I'm away.
 
 答えは、take care of ですね。( )が2つなら、look after になる。
 中学英語では、たったこれだけです。またそれで入試もOK。

 では、take care of の care の意味は? 「世話」ですね。 しかし辞書を引けばわかることですが、まず名詞としては大きく2つありますね。「心配・注意」と「世話」です。だから、Take care. は注意しろ、気をつけろ、の意味で使われます。世話しろ、ではおかしい。

 では次の英文の訳はどうなるか?
 I don't care for milk. 位置から見て明らかに名詞ではない。動詞である。care の動詞の意味は、「心配する」と「望む」があり、「世話をする」の意味はない。また使い方としても否定文と疑問文で用いるわけで、制約がある。しかし実際は、care for の形として、熟語として使われることが多い。その場合も、否定文と疑問文で用いるのであり肯定文では使わない。その意味として、「〜が好きである・〜を世話をする」がある。上の英文は「〜が好きである」のほうの意味ですね。よって、「私はミルクが好きではありません」になる。こういうのを語法といいますが、文法だけではなく単語の一つ一つを正確に覚えていかねばならないことも数多い。

 しかしまだこれで終わらない。care は名詞と、そして動詞があるという知識(その動詞としての使い方に制約がある)。次に派生して、形容詞としてcareful があり、「注意深い」。単語はその意味を知っているだけでは役に立たない。あくまで英文を通してその意味と使い方をお覚えていくのが基本である。Be careful of yourself.の訳は? 注意深いでは処理できない。 Be careful of で、〜に注意するのほか、〜を大切にしなさいもあるわけで、あなた自身を大切にしなさい、ではまだ一つはっきりせず、この場合「お体大切に」で意味が通る。be careful では文法的につながる構文があるが、ここでは省略する。

 ly をつければ副詞のcarefully(注意深く)、less をつけると反対の意味、careless(不注意な)、同様にcarelessly(不注意に)、ness をつけると名詞になる。ところでcare にwith を絡ますと、with care =carefully になるなど、これらはすべて基本的事柄ながら、care を取り巻く環境は斯くの如く拡がりを占める。

 このような知識が大切かといわれれば、大切でもない。瑣末なことである。しかし、明らかに知っておかねばならない、とはいえる。まだこれらは文法と違って、複雑さや理屈がないほうですが、それでも説明を加えていくと長くなるわけで、じゃあ一体、何を覚えればいいのか、何を整理整頓して理解しておくのか、となると、その質問自体がとてもおかしいのです。それは自分で判断
し、考え、整理していくことでしょう。中学とは異なり、「これは大切」など言ようものなら、何万回言わねばならない破目になるか、想像するだにうんざりする。

 さて文法について。
 この重要性についてくどくど語る必要はないかに思いますが。 文法がわからずして、英文解釈や英作その他諸々ができるわけがなく、文法力なるものが貧弱で、長文読解がすらすらこなせる道理もない。今の高校生のその文法力の脆弱さが果たしてどのようなものか、これは専門家でもなく不用意には申せないところですが、またその基準も明確には規定できませんが、たとえ公立トップ校に進学した生徒であっても、その大学進学実績から推測することは十二分にできるので敢えて書きますと、その7割は不十分に過ぎるといえそうです。残りの3割ぐらいの生徒が(その中でも程度の差はさらにありそうですが)、国公立大学や私立超難関大へのその力を有しているかな、とわたしは、現在の公立高校生の英語の学力を大まかに判断しています。

 それでは全体から見れば、ごくごく一部じゃないの? そうですね、この高いレベルで観れば、その通りかも知れません。ただし、「全体」からの視野がずれているのであり、そこには国立付属や私立中高のそれも難関に進学した生徒の相当な数が完全に欠落したものであることをご理解ください。彼らは中学より、倍のスピードと猛烈な学習量と幅で、しかもその内容は事細かく多岐に亘り、緻密且つ高度に学習を積み上げていますから。

 この文法ができれば英語ができるのかといえば、そうではありませんね。単語力は単純にその数だけでは計れないのですが、少なくとも中学の6倍の5000語は必要でしょうし(昔の東大受験には10000語、いまでは7000語が要る、とも言われています)、イディオム暗記力、構文力、英作力、そして何より大事な英文解釈力が必要です。すべて密接に絡み合い、また根底で深く関連しているので、どれもが重要で欠かすことができないわけですが、それらの中でとりわけ土台である文法が、強固に築かれていなければ英語ができないことは論を俟たない。

 まあ、あえて文法力を数値化すれば、英語の総合力のなかで30%ぐらいの位置を占めるだろうか。因みにこの基準は国公立大学を見た場合のそれであり、やさしい大学になればなるほどその比重は50%、70%と上がるのは当然です。

 文法なんて、あくまで英文を読み取るための手段です。しかし現実、多くの生徒(ここでは中学では英語が一応よくできた生徒、を指しています)は、この文法の多岐に及ぶ複雑な事項と理解しなければならない多さの中で混乱し、戸惑い、或いは中途半端な知識量のもとで埋没するか、もしくはまるで文法が、英語習得の一大目標であるかのように狭い範囲の学習に留まっている。

 それでもまだ前者に較べ、後者のほうはましな姿である。前者の場合、高3にもなり、大した文法基盤も備わっていなく徒に大学入試の、それも難解なレベルの英文解釈の指導を学校や予備校などで受けたとしても、それを受け止める文法力、また自分の養分にしてしまう英語全体の力が形成されてないものだから、五感と頭でよく咀嚼もできず、なにか遠くの出来事のように感じるだろう。そのため、たとえ見かけはよくできていそうでも、いざ本番の大学入試レベルには通じないだろうし、勉強に時間をかけたとしてもその労は報われることが少ないといえようか。一方後者は、その程度の具合によるが、 There is still a hope of the improvement in results.(成績向上の見込みはまだある) 

「他はましなんですけど、どうも文法が苦手で・・・」
 おいおい、飾り文句は要らん、それならすべてが弱いんだ。こんなことにならないよう、でき得るならば、いや是が非でも、文法は、高1と高2の間に十二分にエネルギーと時間をかけ、何度も演習を重ね、理解し覚えてもらいたい。

 ただし、理解すれば覚えられるものだと、または覚えるためには理解がどうしても必要なんだと意識するのは勘違いも甚だしいから、何度もいうようだけどそんなものは時間が経てば見事吹っ飛ぶから、そして習えば習うほど、紛らわしいことが次から次へと出てきて、混乱する要素と条件が一杯湧いてくるのが普通なので、あくまで覚えきることに勉強の主体を置き、それに対してあら
ゆる工夫と努力を傾けるのが基本である、と心得たほうがいい。

 わたしの今回の文法問題集、「大学入試“ワーク合格英文法ここまで”」は、通常高1と高2で習う2年間の文法すべてを1本化して、深く深く徹底して深く、掘り下げてまとめてあります。また当然関連する事項、大学入試に必要と思われる知識は、文法面に関しては細大漏らさず拡げて組み込んであるつもりなので、英文を理解する裾野の土台作りとして、必要十分な内容かと思っています。

 尚この問題集の対象ですが、基本的に公立高校生1年生と2年生を中心に想定しております(もちろん高3生も可能ですが)。また学習進度の速い私立中学の3年にも、十分対応できるでしょう。さらに公立中学生のほんのごく一部になると思われますが、その学習に於いて中3課程を完了し、中学英語の力が十分備わっていて、まだ力に余裕があると自信を持てる生徒の場合、先行した学習としてこの問題集を利用していくことも部分的に可能かと考えております。

 その特徴や工夫などは、実際に使っていく中で感じ取ってもらう以外にないのかも知れません。E-juku1st の中学生用英語問題集をご利用していただいた方なら、ある程度その良さも欠点も想像はしてもらえるか、とは思うのですが。

 習得するために、攻め方や問題の角度を変え、繰り返し演習できるように、さらに徐々に大切なことやその知識が深まるように配慮して構成してあるのはもちろん、生徒の学習上の盲点やその力の不足に気づくよう、そして覚えた知識が曖昧にならぬよう単元を超えて反復を取り入れてあります。しかしそれも、中学とは明らかに内容レベルも複雑さも違うのですから、そして半端でない知識の習得を要求されるのですから、当たり前のことですが、勉強したあとの、自分での学習のフォローが絶対に欠かせません。(そのスペースなどを取り入れて今度は作り変えましたが。) もう少し詳しいイメージは、ホームページ上でご覧いただければ幸いです。

 ライトハウスの意はその名が示す通り灯台であり、また私の辞書も研究社のライトハウスを長年使用して、こよなく愛している辞書の一つでもあるのですが、この英文法問題集が、使用する生徒のライトハウスになり、隅々までその文法の視野を照らし、また学習上のよき指針にならんことを切に祈念している次第です。

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※価格につきまして。定価は改訂版「24000円」です。

 いつもながら高いかと思います。でも、これでも抑えた価格なのです。作成での手間暇と年月がかなりかかっている上に、枚数もかなり多く、それに何よりノウハウと役立つであろう知識が一杯詰まっているからです。

 他のオリジナル問題集も同様ですが、この問題集もしっかり自分のものにするよう個人で正しくやり遂げれば、塾や予備校に通う年月とその費用を勘案しても、その20分の1にも満たないはずです。もちろん諸条件は異なり、単純に計ることは無理としても、その効果が問われて初めて価値が生まれるものとしたら、はるかにその値打ちは優るものだと自負しております。また、そのくらいの気持ちと自信がなければ、とても販売などできませんが。