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数・英問題集を使っての勉強の進め方VOL.2<中3の場合、入試の作文>

 この日曜日、息子とビブレに買い物に行った。ショッピングは娘は母親と、息子は父親と、それぞれ気儘に行くようにいつの間にかなってしまった。4人でよく出かけた日々がいまでは懐かしい。例によってまずいつもの、そして少しも落ち着かない喫茶店で、二人お茶を飲む。わたしはアイス・ウィンナー・コーヒー、奴はアイス・モカ・ジャバ。つまり、普通のコーヒーはあまりおいしくはないのだ。コーヒー専門店でありながらその実、アメリカンにしろ普通のコーヒーにしろ、うまくない店がよくあるでしょう? それです、ここは。

 お互い似たような雑誌を読み、奴は情報を頭に入れ、わたしは情報を目で追うだけ。わたしの年代になると、その種の雑誌から得るものは到って少ない。そのあと、奴は服を買うということで30分後、本屋で待ち合わせをする。少し時間を潰し、その比較的大きな書店に行く。宮城谷昌光の新刊本が久しぶり出ており、それに気付いたときこころ浮き立った。『管仲』の上巻と下巻。管仲は、中国春秋時代初期、斉の桓公を見事に補佐し覇者にした名宰相である。いまはまた『太公望(中)』を再読している最中であり、ちょっと迷ったあと1600円×2倍はやめ、その上巻だけ買い、中学生対象の問題集のコーナーを覗いてみた。

 自立学習でこれは有効だという数学の問題集はあるだろうか?という視点で、今回中3中心にチェックしてみる。
 うーん・・・、ないね。これはわかりきっていのだが、でもそれでも少しは、問題演習ではなく解説などで目新しい、わかりやすい、一人する場合の参考、拠りどころとなる問題集、参考書があるかな、との想いで捜すがどれも、帯に短し襷に流し、だ。だから自作の問題集を作ったのであるけれども。

 ふと、横に目をやると、こちらに気付かないのか少し離れたところで、愚息が高校生の問題集を揃えたコーナーに立ち尽くし、何やら問題集を手にして考え込んでいる。今年高校受験を終えた生徒の、引き続きの家庭教師に使う教材を探している、という。親は中学生の、息子は高校生の、それぞれの参考書、問題集を探している光景は、ちょっと想うに、複雑でもないがなにかしら交錯していて奇妙なものだ。

 でもどちらかといえば次のような光景が、わたしの心情、情素に適っているのだが。

 これは以前、ラジオで聴いた話で、うーん、いいねえ、と思った光景。
 息子の弁。
「先日競馬場に行った時のことだけど、最初はよくわからなかった。向こうのほうで、馬券売場近くのコンクリートの床にしゃがんで、しょぼい中年のおっさんが新聞を置き、赤ペン片手、一心不乱にその競馬新聞を睨んで予想していた。おい、何となく親父の姿に似ているなあ、でもこんなところでまさか遇うはずないし・・・。少し近づいて、確かめてみた。えっ、それは、まさしくわが親父だったんだよな。声をかけるのもこの際なんとはないしに憚られ、俺は早々に場所を変えたよ」

 あのねえ、いい加減にしてくんない?! これは、教育に関するメルマガでしょう? 全然話題が違うじゃないの、あなたのくだらない話はいいから、早く本題に入ってよ!!

 あいすいません。出だしからして、そもそも間違ったでようですね。こちらの意識と離れて、あらぬ方向へどんどん筆は流されてしまう。前回同様、まだ箍が緩んでいるようです。ここから難しいことを顰め面して述べる(いやいや、いつもあまり述べていませんが)のはとても無理な話で、もはやどう修正しても態勢を立て直すことはできそうもなく、あきらめる。

 迫力も説得力も無縁。主張すべき内容を予め頭の中で練っていないから、こういうことになる。ましてや論理力の欠片もない。

 もう今回はヤケクソだ。話をぐいと枉げて。

 論文の作成には何が必要か。その前に、その筋道の骨子は、起・承・転・結はご存知の通り、「転」の内容がその論文の魅力と評価を決めるとして、でもやはり、「起」はその論文の方向性と発展性に大きく影響を与えますね。このメルマガは論文ではもちろんないが、それにしても「起」のたいせつさを意識することと、何を書くかの問題意識への緊張感をそれなりに有していなければ、かような結果になる。(自己韜晦してますね。)

 新聞にこの前、最近の大学入試における論文に関する記述が載っていたのを目にしたが、面白いというか、ふー、なるほど、と思ったことがある。
 まあ10枚くらいの、論文としては比較的短い文章を書くのに、どのような力が要るか? 制限時間は3時間。記憶はやや定かでないが、普通に考えるに、「表現力」と「論理力」。そして「構成力」が必要。そこまではわかる。さてもう一つ。プロらしい視点だなあ、と頷いたのであるが、4番目に「忍耐力」を挙げていた。途中で投げ出さない、最後まで忍耐強く書き上げる、ということですね。

 そんなの当たり前の話であるが、大学入試の現場でも当たり前ではないことが多いようだ。つまりこの場合、論文を作成する上で欠かせない「表現力」「論理力」「構成力」の3つの要素に対し、明らかに質の異なる「忍耐力」を挙げなければならない点が、その苦渋と苛立ちさをよく表現していると思える。

 この問題の背景と原因を言及するとかなり文章が膨らんでしまうのでやめるとして、中学生のレベルに戻し、それと関連した分野、入試に措ける国語の作文について、やはり当たり前のことが当たり前でない事例を述べてみる。

 国語の入試で作文の占める配点比率は都道府県によって違うだろうが、20%前後はありますね。ここ大阪は80点満点中18点が作文点。内容12点、誤字脱字などの表記面6点。原稿用紙1枚にも満たない300字で、おかしなことが一杯出てくる。まったく学校で基本的な作文の指導をしていないのだろうか、と首を傾げたくなることが毎年噴出するから堪らない。

 一言でいうと、「作文の書き方」を知らないのだ。内容ではなく、その最低ルール、形式ですらわかっていない者が中3でもいる。10人に1、2人ならわかるのだが、半数以上わかっていないという現実には唖然とする。

 どういうことかというと、字の上手い、下手は別にして、丁寧できちんとした字を書こうとしない。読んだ他人が、即ち採点者がどう思うか少しも気にすることなく、乱雑な字、文章を平気で書く。出だしからして一マスあけて書かない。まったく段落のない文章を書く。制限字数を守らない、等等。

 制限字数は例えば300字の原稿なら、最低240字以上書く、200字以下なら0点となり採点の対象とならない(県により若干の違いはあるでしょうが)。まあ常識の範囲でもせめて270字前後、9割ぐらい書くのが当然でしょう。これは女子の例であるが、その生徒の国語の内申評価は9。クラスで2,3番の生徒が進学する公立高校に無事合格した。でも最初、塾の学力評価テストの国語で、まったく段落別けのない作文を書いたのを観て、目が点になったというか、うーっと、唸りましたよ。もちろんすぐ、書き直すように強く注意、指導しましたが。

 また他にも数多例がるわけだが、300字以内の指定を破り、字数を超え原稿用紙をわざわざはみ出して書いていたり、そんなのちょっと文章を推敲、削れば済むことで、また、時間が足りのか200字以内で0点になってしまったり、それも全体の問題を最初見て時間配分を考え、やりくりすればいいだけなのだけど、問題文がちょっと違う形式の比較的長い模試になると、かぼそい読解力しかないのか、作文に回す時間がどうにも取れなかったなんて、そんな生徒は山といる。その要領の悪さ、臨機応変のなさも歯痒い限りだけども、そして根本原因が何であるか、ここではあえて詮索しないけれども、せめて作文のルールぐら
いは知っておけよ、といいたい。

 形式なんて小学校で学ぶものでしょう。中学生になれば少しはその内容にも進歩がある、と思いたいが、もしその形式上のことですらわかっていないならば、せめて中1,2年の間に知っておくべきやさしい基本で、中3にもなってこんなこともまだ身についていない、また成績がいい生徒でも例外ではないという事実には、一体、学校の国語の授業で何を教わっているのか?と、強い疑念を抱きます。要はそんなことよりは、しっかり自分でしてもらいたい、と思います。

 まだ上の作文の形式がわかっていない生徒がいるとすれば、必ずここでその確認をしておいてください。2点、3点と減点されるのは、ほんとあほらしいことですから。以下参考に、およその作文・採点基準に関して書いておきます。
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<内容>配点の3分の2から、4分の3。
・二段構成で、前段と後段が論理的につながっているか。
・前段に、テーマに関する自分の体験が具体的に述べられているか。
・後段に、なるほどと思える意見、感想、主張が、一般的ではなく自分なりに
 書かれているか。
・文章表現は適切か。人がわかりにくい表現、つながらない文章を書いていな
 いか。主語と述語のつながりが適切か。など。

<表記>配点の3分の1から、4分の1。
・原稿用紙の使い方は正しいか。一マス下げるなど、諸々。
・誤字・脱字はないか。
・かなづかい、送りがな、句読点の打ち方が適切か。
・文体は統一されているか。
・文字、文章は丁寧に、読みやすく書かれているか。
―――――――――――――――――

 何やら後半はいつもの調子に戻ったようで、まったく、書く前によく推敲すべし、ですね。次回はもう少し、きちんとしていますように。うーん、でもあまり当てにはなりませんが。