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 現在の私立中学を退学し、公立中学に転校することに決めました。このような息子の場合、そちらで発行していらっしゃる問題集の中で、最も最適なものを教えていただけないでしょうか。<T様>

この度、ホームページを拝見しまして、少しご質問させていただきたくメールいたしました。

現在、息子は○○県の私立中学に通う2年生です。小学5年生から受験勉強を始め、念願の中学に何とか合格したものの、1年生の頃から勉強をさぼりがちで、課題提出物もなかなか期限内に出さず、もちろん成績も芳しくなく(220人中150番程度)、特に英語と数学の進度の速さに到底ついていけない状態となっていました。

そして、この半年以上、息子といろいろ話し合った結果、この2学期で現在の中学を退学し、公立中学に転校することに決めました。そして、公立高校進学を目指します。

そこで、今回、妹尾様に相談に乗っていただきたいのが、以下の内容です。

英語と数学に関して、学校の授業自体はこの12月で中学全範囲が終了するのですが、かなりの取りこぼしが予想されます。塾の冬期講習会に行かせようかとも思っていたのですが、本当にそれで中2の12月までの内容が網羅出来るのかが不安です。現在の状況を把握することと、それにより判明した取りこぼし内容の習得が課題と思っておりますが、そこで、このような息子の場合、そちらで発行していらっしゃる問題集の中で、最も最適なものを教えていただけないでしょうか。期間は、現在の学校のテストが終了する12月13日から、公立の3学期が始まる1月10日までと考えております。

初めてのメールで大変不躾なご質問ですが、ご回答いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いたします。

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5年生からの受験勉強でしたか。世間一般には遅いほうですし、2年の勉強でよくぞ合格されましたね。偏差値で20も上がるとは本人の努力と猛勉強はもちろん、もともとご両親から受け継がれたかなりの資質があったこともたしかでしょう。(筆者注:ちなみにネット上の偏差値では、高校でいうと73,4に相当。)

<中略>

お子様の気象(気性)や行動、またお母様の考えや思案、不安などがとても詳しく書かれていまして、また決断の固さもわたしなりにさらに深く感じ取れましたから、いまさら世間一般のゆるい「感想」とはさほど変わらないわたしのそれを述べても、○○様母子にはまるで「ねじれの位置」にあるように思えます。

わたしのいまの気持ちとしてはただ、半年近くも母子で相談、考え、苦悶してきてひとつの結論に辿りついたことに対し、ささやかにでも応援したいだけであります。

逆の意見や考えは、いわゆる世間一般の「感想」であり、つまり、とても残念、おしいことであるとか、我慢して続ければいつか本人の気持ちも変わり、あるいはなにかのきっかけで変化があり、また尻に火がついて頑張って成績も伸びてゆくこともあるのではないだろうかとか、そのような類のものであって、それはお母様がすでにじゅうぶん反芻煩悶されてわかっている、ひとつの傍観的な考えであって、しかしそれでは昇華しきれない、納得がいかないなにかがお母様にもお子様にもきっとあれこれあるのだろうと推測すると、あまり勝手なことはいえないのであります。(しかし、それでも続けます。)

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確かに、公立中学に行って、息子がどうなるのかは確証はありません。しかし欲目かも知れませんが、親としては、目の前に目標を定めた時の強さを信じたいと思いました。今は何より、自ら勉強しよう(しなければいけない)という思いを取り戻してほしいという一心です。
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この文章にすべて、いまのそしてこれからのお母様のお子様への期待と意いが出ておりますね。

「勉強する意欲も湧かず、勉強する意味(理由・目的)も分からず」の後者、勉強する意味や理由は、中学生ではわからないでしょう。わたしもわかりませんでした。人からのとってつけた理由なんてどうでもよく、本人がわかるのはたいてい若いときがすぎ去ってのことであり、むしろわからないまま勉強していくのが、この中学(および高校)の時期ともいえるのでしょうか。

人は一生勉強できますが、若いときの勉強はその若さのなかでしかできません。身体を鍛えるともに、勉学に厳しく勤しむ時期であります。自分に変に妥協したり、停滞したりするヒマはとてもない、ともいえるでしょうか。

坐して守勢をとるか、進んで攻勢をとるか。もちろん後者の道をお考えなのでしょう。いまの状態ではおそらくお子様は変わらない、変われない、とすぐ傍で視ていて感じる。よって後者の、ときに茨もある道を、お子様を信じて進ませたい。たしかな目標とそれに伴う困難があるほど発奮邁進するであろうお子様の気質と力を信じて。

さて、公立中学に転学された場合、その環境には本人にとっていい面と悪い面の両方があるでしょう。それをどう乗り越えていくかの問題もありますが、それを書くとさらに長くなりますので省くとして、志望する公立高校は当然トップの県立○○高校になるかと思います。

明確な目標があります。詳しいことはわかりませんが公立中学(その生徒数と世間的レベルにもよりますが)で、やはり学年1位とか2,3位までに入っていなければ狙えないことでしょう。それがヘタして4,5番では困るわけです。というか、はじめはいいとしても中3になるまでには、1番にちかい実力を備えておくことが望まれます。3年ではさらにそれを強固に、また他を引き離す実力を鍛えるのが課題でしょうか。そうでないと、○○高校で上位50位とかの成績には入れないでしょうから。

そのためには、いまの翼を広げた中3全範囲までの勉強とその知識からいったん縮小して、中2までの範囲の数・英はもちろん理科や社会、国語まで5教科すべての基本となる知識を確実にしておき、かつその実力を鍛え直して補強しておくことが、とても大事かと考えます。「実際、サンプルの中2実力テストをいくつか解かせましたが、70点〜80点くらいでした」と英語に関して書かれていましたが、すくなくとも90点以上とっていないと、公立でも学年トップの実力にはありませんから。

お子様が現在、どのようにあらたに高校進学を考え、また自分の足元の実力を捉えているのかがわかりかねますが、もちろん決して悪いわけではなく一般にみればかなり優秀なところにいるのは間違いないところですが、それでも大学までの視野を入れるのなら厳しい目でつねに観て、基本を大事に、そして5科目じゅうぶんに実力を鍛えておくことが当面の課題かなとも考えている次第です。


なにやら首尾一貫しない内容になってしまいましたが、わたしの感ずるところをランダムに書きました。ご参考にできる部分が、すこしでも混じっていればさいわいです。