高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§155 50点未満の英語の力は・・・
<必要なことはアドバイスではない>

 今回は、現在中2生の娘さんをお持ちの、或るお母様からのお悩みの相談なのですが、それがどうも・・・。
 
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 先日中間テストの結果が出たのですが、結果があまり良くなくて、5教科合せても○○○点でした。特に悪いのが英語で、半分にも満たない点数でした。どこが悪いかと言いますと、1番にスペルの間違えです。これは私がチェックし、その都度注意するのですが、あまり改善されません。単語の練習ノートを見ると、初めの3つ位は正しいスペルで書いているのに、4つ目以降は間違ったスペルで書いています。学校のノートも、1ページ中1〜2ヶ所のスペルの間違いがあります。本人に聞くと、間違えている事に気付かないと言います。その結果、テストでもミスをします。2番目は英作文です。テストで、下線部が答えになるように疑問文を作成するという問題が出たのですが、全然出来ませんでした。どうすれば克服出来るでしょうか? 

 <中略>
 中2より、個別指導の塾(個人の小さな塾です)に行き始めました。塾の先生も熱心に指導してくれていて、本人も集中して授業を受けているようで、少しずつ解るようになってきたと言っていますが、教えてもらっているという安心感からか、家では宿題以外の事は進んでやろうとはしません。塾の先生からも、自宅での学習の仕方等、指導を受けているようなのですが、一人になると
なかなかやりません。私としては、塾にばかり頼らず、自宅学習の方も一生懸命やって欲しいのですが・・・。長くなり、申し訳ありません。もし、何かアドバイスがあれば、教えて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

 <中略>
 その後、娘と話し合い、単語も英作文もたくさん書いて、覚えられるように一生懸命に頑張ると言ってくれました。私も出来る限り協力していきたいと思っています。
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 丁寧に詳しく書かれている文面で、また学習状況も具体的でわかりやすいです。そしてそれ以上に、お子様を思う母の気持ちが静かに深く伝わってきます。

 それだけになんとか一つでも有用と思えるアドバイスをと考えるのですが、その思いとは裏腹に、うーむと腕組みをし溜息をつくしかありません。

 中2の1学期で英語の定期テストの点数で、50点にも満たない生徒の実情が一体いかほどのものか、その問題点がどれほど数々あるのか、単に上で書かれている英単語のスペルや英作が正確に書けないといった問題点以前に、学校でのまた自宅でのさらに塾での学習上の細かな作業で、本人が直していかねばならないさまざま局面が浮かびます。

 それを想うと、通り一片のアドバイスで多少でも効果がでるとはとても思えないわけで、またどれほど深く真剣に考えても同じです(そのためか筆が、いやパソコンのキーが遅々として進まない)。失礼な言い回しをお許し願うとして、命題そのものに誤りが含まれている場合、いくら論証しようとしても正しい結果に到達できないのと同様、その行為は闇のなかを迷走することになる。
 
 この段階の成績、定期テストでの英語の点数がたとえば47点とすると、その生徒に対し、ではこうしたほうがよいと文章で少しばかり説明やアドバイスをしても、効果のほどはなんら期待できません。いやそんな冷たいことを書くな、なにか方法があるだろうと思われるでしょうが、あるならさっさと書いています。事実、ここで数時間苦吟し、ここまで書くのに数日停滞しているのですか
ら。

 もちろん過去の経験からこのレベルの生徒を何十人も(いやそれ以上かも知れませんが)何とか様になる点数、具体的に申して70数点やあるいはうまくゆけば80点台まで引き上げて来た経験はありますが、根本的に異なるのは、それが直接の指導の結果であるということ、そしてそれは、決して一片のアドバイスで成り立っていない、ということです。

 たとえご父母の方にもし助言があったとして納得して頂いても、問題は本人であり、その本人にまでその方法が伝わり、またそれ以上に実行に移せることは至難なことだといえます。

 実際わたしが直接指導してもこのゾーンの生徒は、自分で勉強してきたにしろ大手の塾に通っていたにしろ途中からの入塾になるわけで、中1のスタートから基礎の何たるかを教え、復習のしかたから学習に対する細かな態度を絶えず口うるさく指摘し、気持ちの緩みを戒め勉強への集中力を持たせる空気と環境を整え、豊富な演習をベースに叩き上げてきた生徒とは違って、明らかに何もかも足りないのが普通ですから、そして驚くほど大きな穴を無残にもあちこちに作っているのが殆どですから、最低で半年以上コンコンと教えてやっと、学習上のあらゆる「基礎なるもの」が形作られことになります。

 穴はまだ開いたままなれど、それでも前よりは大分ましな状態というか小さくはなります。しかし完全に塞ぐことは他の生徒も同様まず無理で、その後も苦難な道程が続く、まさに教える側は気の遠くなる作業の連続です。だが、この過程の具体的内容をつぶさに書いても、またそのできない原因を述べても、意味はない。

 これだけはどうしようもなくはっきりしている。現実の生徒を通してわかりすぎるほどわかったことです。そこに必要なものは、アドバイスなる言葉ではありません。わからないことを教えるといった種類の教え方でもなく、技術的なものでもなく、論理や常識でもなく、ただただしどろもどろ(?)の行動あるのみです。本人もそうですが、教える側にもあきらめない行動が問われます。

 どちらにしろ、まだまだ本人の学習のあり方も気持ちの持ち様も、そして行動も、成績を上げていく姿にはまだまだ隔たりを感じますから、個別指導的な塾か家庭教師の力は当然要するわけで、その教えをできる限り守る、ここに問題がさまざまにあるので、その遂行にあるゆる努力を払われますように。